腸内細菌と心の関係                      本間真二郎


腸の状態が精神状態に影響するという考えは、決して新しいものではなく、100年以上前から言われています。

19~20世紀初頭では腸の老廃物や毒素が中毒を起こし、うつ、不安、精神病などを起こすと考え(いわゆる自家中毒)、下剤の投与や腹部手術まで行われることがありました。

 

しかし、腸と精神疾患との関連は、その後、否定的な報告が多くなされ、次第に、フロイトの心理神経症理論などに置き換えられていき、いったんは完全に下火になり、忘れ去られていました。

ごく最近になり、腸内細菌の働きや重要性が明らかになるにつれ、腸と心の関係が、精神医学の分野でも再び注目されてきています。

現在、腸内細菌と腸と脳の相関関係は「腸内細菌-腸-脳関係軸」といわれています。

 

まず、それぞれについて簡単に説明します。

腸と腸内細菌は明らかに密接に関係しており、腸の状態は腸内細菌に直接影響しますし、逆に、腸内細菌の状態は腸の状態を決めています。

 

腸と脳との関係は、便秘、腹痛、下痢などの腸の状態は脳(精神状態)にストレスになりますし、逆に、不安、焦り、プレッシャーなどの脳のストレスは便秘、腹痛、下痢などの消化器症状を引き起こします。

 

腸内細菌と脳も関係しており、腸内細菌の状態が脳内のセロトニン産生など精神安定に関与(後述)し、さらに腸内細菌はストレスがかかった時に対処するホルモン(抗ストレスホルモン)の分泌を調節し、ストレスを抑制します。逆に、脳のストレスは、交感神経刺激し、消化管機能および腸内細菌に悪影響を及ぼします。

 

このように、腸内細菌と腸と脳は互いに密接にコミュニケーションをしており、腸内細菌の状態が人の精神状態に明らかに影響しています。

 

また、腸内細菌は、脳の発達自体にも影響を与えていることが分かってきました。

例えば以下の報告がマウスを使った実験などで見られます。

・腸内細菌は初期の脳の発達自体に影響する

・成長初期の腸内細菌の状態により成人の脳の機能にも変化がみられる

・腸内細菌は、成長期だけでなく、成長後であっても脳への影響を持ち、宿主の行動も変化させる

 

腸内細菌を含め体内の常在菌のいないマウス(無菌マウス)を無菌室で飼育すると、様々な身体の奇形や生きるのに多くのカロリーが必要な事が分かっていますが、精神面でも以下の特徴がみられます。

・用心深さが減り、危険を伴う様な大胆な行動をとるようになる

・その一方で不安感の増強がみられる

・さらに詳しい解析では、脳の多くの部分、特にセロトニンに関係する部分に大きな変化がみられる

 

人でも腸の様々な病気(炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、過敏性腸症候群、リーキーガット症候群など)により不安障害、うつ症状、自閉症などが見られやすいことが以前から指摘されていました。

 

最近では、腸内細菌の状態が精神面に及ぼす影響に関してはトピックスの一つになっており、次々と新しい知見が報告されてきています。

代表的なものを挙げてみます。

・心の病気(うつ(気分障害)、統合失調症、アルコール依存症など)

・行動(前向きな気分、好奇心旺盛、社交的、衝動性など)

・気質(自制する、親に寄り添いたがる、母親に注意を向ける傾向など)

・人格、性格

・学習、記憶、認知能力

・睡眠障害

・ストレスを感じた時に出る抗ストレスホルモンの分泌コントロール

 

このように腸内細菌や腸の状態は脳の発達や心の状態に大きな影響を与えています。

腸内細菌が精神状態に与える影響のメカニズムは複雑であり、自分の意思とは関係なく私たちの身体を調節している3つの系(自律神経系、内分泌(ホルモン)系、免疫系)のいずれを介しても関与しています。

 

ここでは、多くの場合に指摘されているセロトニンによる関与を簡単に解説しておきます。

セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンと並んで、体内で特に重要な役割を果たしている3大神経伝達物質(神経間の連絡をしている重要な物質)の一つです。

セロトニンは小腸に90%、血小板に8%そして脳内に2%程の割合で存在しますが、それぞれの場所における役割は異なっています。

 

脳内のセロトニンは「幸せ物質」といわれ、「快楽物質」といわれるドーパミンによる依存や、「怒り物質」といわれるノルアドレナリンによる怒り・不安・恐怖などを制御し、ストレス下での精神・感情を安定に保つ作用が特に重要で、リラックスをもたらします。

 

一方、腸内のセロトニンは腸管のぜん動運動に作用し、消化を助ける整腸作用があります。

生物の発生的には小腸のような構造が先にあり、その機能を補足するために胃、肝臓、腎臓、大腸さらには大脳までもが後になってから付け加えられ発達してきたと考える人もいます。

 

神経細胞の数だけでみると脳(約150億個)の方が腸(約1億個)よりも圧倒的に多いのですが、発生的に、あるいは生存するという意味でみると、腸が第1の脳で、脳は補助的な脳なのかもしれません。

いずれにしても、脳も腸も神経伝達に関してはシステムを共有している(たたし同じ神経伝達物質を使っていますが機能は異なっています)ということです。

 

体内のセロトニンのほとんどは腸内で作られるのですが、このセロトニンが直接脳内に運ばれることはありません(脳には血液脳関門(BBB)という血液と脳組織との間の物質交換を強力に制限する仕組みがあり、セロトニンはこの関門を通過できないため)。

 

しかし、腸でセロトニンがつくられる途中でできる前駆物質(5-HTP)はBBBを通過でき、この5-HTPが多く存在する環境では脳内のセロトニンも多くつくられます。

よって、腸内細菌の状態が良好であれば、脳内のセロトニンも十分に産生され、精神の安定(さらには良好な睡眠)がもたらされると考えられています。

 

脳内でセロトニンがつくられるまでの流れをまとめます。

① 食べたもののたんぱく質が腸内で必須アミノ酸であるトリプトファンへと分解

②トリプトファンが5-HTPというセロトニンの前駆物質に合成されて脳内に運ばれる

③脳内で5-HTPからセロトニンが合成される

④さらに脳の松果体というところでセロトニンから睡眠物質メラトニンが合成される

 

この全ての過程で腸内細菌が重要な働きをしています。

腸内細菌が元気であれば、人が産生できない必須アミノ酸であるトリプトファンを産生してくれます。

 

また、腸内細菌はたんぱく質からトリプトファンへの分解を助けていますし、トリプトファンからセロトニンの合成には腸内細菌が産生するビタミンB6、ビタミンC、葉酸、鉄などが必要になります。

 

このように、脳の健全な発達、うつや統合失調症の予防、様々なストレスに対して動じない精神状態を維持するなど心の安定のためにも、何よりも腸内細菌を健全に保つ事が重要なのです。

 








          たきがみ博士の想い

 

誰でも、自分の中に伝統がある。自分が経験したすべての過去の累積、それが”いま”のわたし。

過去とは思いだすこと、現在(いま)は過去の必然、そして、未来は想い、選択すること。

いまは、変えられない。

しかし、人には明日があり、未来がある。明日は、こうありたいと想いを持つことができる。

 

すてきな明日に向かって、”これからへの想い”を具体化するJourney、しっかり楽しみたいと思います。

そして、”いま、ここ”を丁寧に活きる。

みずからの人生の軌跡を、すてきな笑顔でみつめるために。

 

旬(ときめき)亭 亭主 たきがみ博士
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