甲状腺ホルモンと代謝                      吉冨 信長


ファスティング、ケトジェニックダイエット、カロリー制限ダイエットなどを行うと、血中の甲状腺ホルモンの数値が低下することがあります。

 

この場合、FT3という遊離した甲状腺ホルモンT3の数値が下がります。

しかし、これは必ずしも甲状腺機能低下症とみなされず、体内のエネルギー産生がケトン体代謝になったときに、「生理的に適応」された結果であることが多いです。

つまり、ある意味、ケトン体代謝によってマスキング(偽陽性)されたと判断すべきなのです。

 

ただし、注意すべきはFT4値、TSH値が正常な場合のみです。

FT3が低値でも、FT4、TSHの両方が正常であれば、たいてい絶食、少食、カロリー制限、ケトン食などによって起きている可能性が高いです。

もちろん、体調が優れないとか甲状腺障害を疑うような症状が、無い場合の話です。

 

実際、臨床の報告においても、FT3の低下はカロリー制限食、タンパク質制限食、糖質制限食などでも見られます(HORMONES 2011, 10(2):117-124 )。このような「低T3症候群」では、機能低下症とは異なるため、原則として甲状腺ホルモン補充療法の適応にはなりません(『甲状腺疾患の診断と治療』参照)。

 

ケトン体代謝が活発になり、筋肉量の保つ必要性がある状態のときは、身体は節約モードとなり、甲状腺ホルモンの活性型への変換(T3へ)を抑えるからです。

 

また、興味深いことに、長寿研究において、血中FT3レベルが低いことは、寿命が長いことに相関しているという疫学データがあります(J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2010 Apr;65(4):365-8)。

これは体温がやや低めであると、長寿をもたらすという疫学研究にも類似しているといえます。

甲状腺ホルモンや体温がある程度高いことは、代謝を上げていくためにとても重要な条件ですが、「長生き」ということにフォーカスすれば車と同じで節約モードの方が長持ちするためです。

 

ここは良い悪いではなく、ある意味「太く短く生きる」か「程よく長生きする」かの、その人の考え方になるでしょう。

(私は太く長く生きるをモットーにしています笑)

 

※この低T3症候群も一時的であれば問題ありません。

つまり、血液検査をしたときにちょうどそのような食生活をしていたため生理的な適応としてその数値になった(FT3低値,FT4正常値,TSH正常値)ということであれば問題ないでしょう。

ところが、こうした極端な食生活を続けると(もしくは他要因が重なって)、正常であったFT4値やTSH値が徐々に異常が出ることがあるようです。

その場合はすぐに治療していく必要があるでしょう。

 

FT3値が極端に低い状態が続いてしまうと、コレステロール値にも影響が出始めます。

まずLDLコレステロール値が高くなります(HDLも後から高くなります)。

コレステロールはHMG-CoAという補酵素から作られますが、このときの代謝酵素を活性化するのが甲状腺ホルモンです。

 

そうであるなら、甲状腺ホルモンが低下すればコレステロール合成も下がるから血中LDL値も低値になるのでは?と思うかもしれません。

しかし、先述したとおり、ほぼ高くなっていきます。

 

肝臓でのコレステロール合成が低下すると、末端の各組織に運ばれるコレステロール量(LDL)もいったん下がります。

そうすると、生理的に各組織のLDL受容体の発現が低下するのです。

そうこうするうちに、血中コレステロールは各組織の中に取り込まれて分解されること無く、血中をさまよったままの状態になるのです。

こうして、血中LDL値が高くなるわけです。

つまり、低T3→高LDLという図式になり、低T3が長寿に結びついているように、実際にLDL値が高い人ほど長寿であるという疫学もあるほどです。

(だからといって、これらの数値を維持するにはやはりリスクがあると思います。基本は正常値を維持してください)

 

ただし、LDLコレステロールについて気をつけなければならないのが、これが酸化してしまうと酸化コレステロール(OxLDL)が生成されてしまい、アテローム性動脈硬化の原因にもなりかねません。

LDLコレステロールが酸化するかどうかは、私たち宿主の生活習慣に関わっています。

しかし、面白いことに、甲状腺ホルモンT3はLDLを酸化から守る作用があることがわかっています(Faure P,Biochimie.2004;86:411-418)。

 

やはり、そういう意味でも、FT3は低値よりも正常値を維持した方が、酸化ストレスの多い現代人にとって大きな守り神となるかもしれません。

 

また、『低T3症候群』の状態(FT3低値,FT4正常値,TSH正常値)であっても油断はしないようにしてください。

このような状態を作ってしまう食生活を続けてしまう(もしくは他要因が重なってしまう)と、人によっては、ここからFT4値までもが下がってしまうことがあります。

一般に、FT4の低値はインスリン抵抗性を促進させてしまいます。

甲状腺ホルモン低値とインスリン抵抗性の相関は2000年以降数多くの臨床報告が上がっています。

 

特に女性は甲状腺ホルモンの低値や機能低下症になりやすいので、注意が必要です。

 

 








          たきがみ博士の想い

 

誰でも、自分の中に伝統がある。自分が経験したすべての過去の累積、それが”いま”のわたし。

過去とは思いだすこと、現在(いま)は過去の必然、そして、未来は想い、選択すること。

いまは、変えられない。

しかし、人には明日があり、未来がある。明日は、こうありたいと想いを持つことができる。

 

すてきな明日に向かって、”これからへの想い”を具体化するJourney、しっかり楽しみたいと思います。

そして、”いま、ここ”を丁寧に活きる。

みずからの人生の軌跡を、すてきな笑顔でみつめるために。

 

旬(ときめき)亭 亭主 たきがみ博士
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