減塩ブームは数年前から日本中で叫ばれ、未だにその余波は続いています。
そもそもなぜ、減塩ブームが日本に来たのでしょうか。
減塩ブームはアメリカからでした。
1960年、アメリカでブームとなり、1970年から日本も減塩ブームとなります。
2015年4月、厚生労働省は一日の塩分摂取量を成人男性は8グラム以下、成人女性は7グラム以下を推奨しています。
このブームや根拠はどこからきているのでしょうか。
アメリカでは減塩運動は成功しているのに高血圧患者は増えているという矛盾。
減塩の根拠となった実験と論文
1954年。医学者ルイス・ダール博士は塩を食べない民族では高血圧者がいないことを聞き、日本をはじめアメリカ、マーシャル島、アラスカを調査して食塩摂取量と高血圧発症率の関係を調査します。
その結果、塩分摂取量が少なければ少ないほど高血圧発症率が低いことがわかったのです。
この調査は極めて判りやすい例であったため、塩と高血圧が密接に関係していると引用されるようになりました。
ちなみに日本の結果は鹿児島では1日平均14gの食塩摂取で高血圧発症率は約20%で青森は1日平均28gで高血圧発症率は約40%でした。
さらに1955年メネリー博士の実験が追い打ちをかけます。
10匹のマウスに通常の20倍の塩を投与し、さらに飲み水も1%の塩水にして与える実験を6ヶ月間行いました。
その結果、4匹のマウスは高血圧を発症し、残りの6匹には変化がありませんでした。
この結果をもって「塩を摂取しすぎると高血圧になる」という結論が導き出されたのです。
この2つの結果を受けてアメリカで減塩ブームがはじまり、そのブームが日本にもやって来た、というわけです。
アメリカや日本が減塩に取り組み始めて50年が経過しました。
アメリカ、日本ともに50年前よりも塩を摂取する量は減っていますが、皮肉なことに減塩運動は成功しているのに高血圧患者は減るどころか増えているのです。
大切なところなのでもう一度繰り返します。
減塩運動は成功しているのに高血圧患者は増えているのです。
実は、塩分摂取量によって血圧が上昇する人を食塩感受性タイプといい、それ以外の人は塩が原因で血圧が上がるわけではありません。
東京大学医学部の研究によると食塩感受性タイプは約2割であり、食塩非感受タイプは約5割。
残りの約3割は食塩とその他の要因が重なって血圧値に関係するタイプであるのだそうです。
さらに言うと食塩感受性タイプの人すべてが高血圧症になるわけではありません。
あくまで塩の影響を受けて血圧が上がるというだけで高血圧症になるのではないのです。
むしろ塩よりも高血圧になる原因は動物性脂肪や白砂糖にあると言われています。
とくに人間よりも体温が高い動物、つまり鳥(鶏の体温は約41度)、豚、牛(ともに約39度)の脂は人間の体内では溶けにくくドロドロとするため血管にこべりつきます。
これが血液の流れを悪くし、高血圧の原因となるのです。
さらに白砂糖を採りすぎると溶けた飴のようにベタベタした血液になり、さらに血液の流れがわるくなり、高血圧を発症しやすくなると言われています。
気を付けなければいけないのは、塩分摂取量よりも動物性脂肪や白砂糖を採りすぎないことなのです。
前述したダール博士の論文は調査条件が不明確なため、現在では科学的には正しいとは考えられていません。
さらにダール博士は論文の説を証明するためにラットに食塩を与えて血圧が上昇するか動物実験をはじめますが、期待通り血圧が上昇するラットがいる反面、いくら与えても高血圧にならないラットがいることを発見しますが、そのことについてはクローズアップされていません。
メネリー博士の実験は塩分量を人間に換算すると1日約500グラム(!)となり、現実的な値ではないことはだれが見てもわかるものであり、
10匹という少ない数で実験が行われていること。
高血圧を発症したのは4匹であり、逆に6匹は異常な塩を与えられても正常であったこと。
さらにその4匹は現在でいう食塩感受性ラットと考えられること。
以上のことを踏まえると塩を採りすぎるとが高血圧になる、という結論はかなり疑い深いものになります。
ではなぜ現在でも塩は悪者なのでしょうか。
なぜ減塩運動は収まらないのでしょうか。
だれのための減塩運動 不都合な真実。
本来であれば、減塩によって高血圧患者を減らすことはできないのではないか、という議論が上がっても良いのですが、大手メディアからその声は聞こえてきません。
むしろ減塩運動は拍車をかけている勢いすらあります。
いまや降圧剤の売り上げは1兆円を超えているのだそうです。
降圧剤は糖尿病などの薬に比べてリスクが少ない薬だといいます。
つまり、売りやすい薬であるということです。
誰が得をするのかを、考えて欲しい。
高血圧患者が増えることは降圧剤の売上を上げることになります。
一体、だれのための減塩運動なのでしょうか。
だれが損をして誰が得をしているのでしょうか。
冷静になってよく考える必要があります。
大手メディアは残念ながら公平なメディアではない、ということに私たちは気付く必要があります。
大手メディアは何で儲けているのでしょうか。
それは宣伝広告費です。
テレビ、新聞、雑誌などの、大手によって成り立っている大手メディアは、広告主にとって不都合な情報を流し続けることができるでしょうか
収益源がクライアントからの広告料なので、そのようなことは、できないはずです。
大手メディアに公平性はない、と私は考えています。
取り扱う情報の内容に、圧倒的不自然さがあるのです。
降圧剤が比較的リスクが少ない薬であるとはいえ、リスクがないわけではありません。
ガンや脳梗塞や心筋梗塞、認知症の副作用が指摘されています。
このことを知ると降圧剤の売り上げと増え続ける認知症患者、ガン患者の数はまったく因果関係がないとは言えないのではないでしょうか。
和食はヘルシーと世界では人気だが、日本では…
いま、世界中で日本食ブームです。
もはやブームというよりも和食はヘルシーだ、ということで定番になっているといったほうがいいかもしれません。
ただし、日本では米離れになり、魚の摂取量も減少、塩分が高いとのことで味噌離れも起きています。
みそメーカーのマルコ
メみそが以下のような研究開発結果を発表しています。
「味噌は血圧を上げる」のウソ。
味噌の血圧上昇抑制効果。
米や魚、味噌の摂取量が減り、塩分摂取量も減っている。
増えているのは鳥や豚、牛の動物性たんぱくと脂肪です。
減塩のリスクはないのか
体内の塩分が少なると様々なリスクがあります。
まず挙げられる症状は低ナトリウム血症です。
症状は虚脱感や疲労感、精神錯乱、頭痛、食欲不振や痙攣、昏睡になり死に至ることもあります。
昔、炭鉱夫が暑い坑内で作業をしていると大量の発汗で塩分が喪失し痙攣を起こして死ぬものが続出する、という事故が多発したそうです。
その炭鉱夫たちに塩をなめさせながら労働すると、事故がなくなったそうです。
また減塩をしすぎると認知症や心臓病のリスクが高くなることも指摘されています。
人間に必要な塩分とミネラル
敵に塩を送る。
上杉謙信が、今川・北条の塩止めで苦しんでいる武田信玄に塩を送ったという逸話からきている言葉です。
人は適切な塩分がなければ生きていけません。
塩分に加え、ミネラルも必要なのです。
日本は昔から塩は海からつくられています。
海から作られた自然塩には人間にとって大切な微量ミネラルを含んでいるのです。
私は減塩すべき塩は精製塩だと考えています。
99%以上塩化ナトリウムの塩というのは自然にはないものです。
私は「人間は自然から離れる生活、自然から外れたものを食すればするほど自然ではない、不自然な体になる。」と考えています。
やはり摂取すべきは自然塩です。
自然塩だからいくらとっても良いというわけではありません。
食塩感受性タイプの人は自然塩でも血圧に影響を受けるので注意が必要です。
ちなみに私は1日あたり15g以上の塩分を摂取していると思います(正確に測ったことはないのですが…)。
減塩など意識したことはありません。私は味噌汁が大好きで夕食には3杯もいただくことがあります。
季節の野菜を入れた味噌汁は格別です。
さらに朝晩は人間の体液に近い塩水を1Lほどいただきます。
人間の体液の塩分濃度は約0.9%のため、1Lの水に9弱gの自然塩を溶かしたものをいただきます。
水分補給をスムーズに行うのと微量ミネラル補給のためです。
私の血圧は上は120程度で下は60程度です。
塩分代謝をよくしよう
いくら自然塩だからといっても摂取しすぎはよくありません。
大切なことは、よい塩をとること。
塩の代謝をよくすることです。
適切な塩(自然塩)を適度(15~20g程度)に採り、塩を排泄するカリウムが含まれている海藻や野菜、果物を食べること。
カリウムがよく含まれている食物として海藻類や山芋、枝豆やホウレン草、かぼちゃやキャベツ、トマト、キウイやスイカなどに多く含まれているといいます。
また米や大豆にもカリウムが含まれています。
玄米は白米より2倍多くカリウムが含まれています。
玄米が食べづらければ、7分づきや5分づき米にするだけでずいぶん違います。
減塩よりも適度によい塩を摂取し、米や味噌汁、季節の野菜をいただくこと。
肉などのたんぱく質よりも汚染の少ない、天然の魚介類などを適度に摂取するようにしましょう。
そうすることで塩の代謝がよくなります。
減塩はメリットよりもデメリット、リスクが大きいことをぜひ知ってください。