製菓によく使われるベーキングパウダーの主な成分は、重層(炭酸水ナトリウム)です。
炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩(天然にも多く見られる酸性塩の一種)の分解物である「炭酸水素イオン」が、長寿と大きな関係があるということがわかってきたそうです。
炭酸水素塩は、もともと私たちの体の中にもある成分でpHバランスを保つ役割を果たしています。
なかなか難しい話ですが、つまり炭酸水素塩を体に取り込むことは、血液や体液の餌を弱アルカリ性にしたり口内細菌が作り出す酸を中和するなど、体の正しいバランスを取り戻すのに役立つということです。
実際にこれを証明した研究結果も報告されています。
1997年から2014年の10年間に、70歳から79歳までの2287名のボランティアを対象に行われたアメリカのユタ大学の研究では、炭酸水素塩が健康と寿命にどのような影響を及ぼすのか観察されました。
この研究結果を発表したカラニ・ラファエル博士のグループは、体内における酸塩基(pH)のバランスと炭酸水素塩及び二酸化炭素の量を観察しました。
判明したのは、体内の炭酸水素塩の量が低い人は、量が高い人に比べて死亡リスクが24%高まるという結果でした。
一方、血中の炭酸水素塩の供給量と食べ物に含まれる炭酸水素塩の量が高い人の場合、寿命が長くなる傾向があることがわかったのです。
より健康的に長生きしたいと考えれば、体内で多くの炭酸水素塩が供給されるような食生活を心掛けるようにすることが大切というわけです。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムを多く含む食品(野菜、果物、海藻、きのこ)は、体内で酸素と反応して(酸化して)炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム(アルカリ性へ変化)となり、酸を中和して体外へ排出します。梅干しや柑橘類やスモモ(プラム)のように酸っぱい食品も、本来なら酸性のはずですが、クエン酸という酸が含まれているのでアルカリ性(酸を中和する)食品とされています。
また、直接重層を摂取するということも可能です。
ティースプーンに半分から1杯ほどの重曹をコップ1杯の水に溶かしたり、緑茶に加えるだけで。「疲労回復」「胃腸改善」「便秘解消」などの健康効果が期待できます。
苦みやしょっぱさは気になって飲みにくい場合は、レモンやクエン酸と合わせてみるのも良いかもしれません。
レモンやクエン酸と合わせると、酸と重曹のアルカリが反応して発泡、重曹の炭酸水が作れます。重曹炭酸水は体内での吸収がいいので、スポーツやお風呂あがりで汗をかいたときにビッタリです。