ビタミンDとアレルギーマーチ                  吉冨 信長


アレルギー症状を解決する栄養素の中でも非常に重要なのがビタミンDです。

新生児の場合、母乳からビタミンDを頼るしかないのですが、母乳には100gあたり3IUしか含まれません。

これでは、全くといっていいほど話にならない量です。米国小児学会では乳児に対し400IU/日の量を推奨しているほどです。

 

近年の母乳の栄養価の量が減少した可能性もありますが、仮に現在のこの平均値より増えても、おそらくそれでも少ない量であることは変わらないでしょう。

これについてある文献では、母乳のビタミンD量はもともと少ないものであり、当然なことだそうです。

これが意味することは、出生後の日照によるビタミンD生成に依存するからということのようです。

しかし、現代社会ではなかなか難しいでしょうし、何よりこの説がどこまで正しいのかもわかりません。

 

さて、出生後すぐに発症することが多いのは、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーです。

アレルギーは皮膚から始まることが多いのですが、その後これらの症状が緩和すると、次にぜんそくの症状が現れはじめます。

今度はぜんそくが寛解すると、次は花粉症というパターンが比較的多いです。

 

この、アトピー性皮膚炎 → 食物アレルギー → ぜんそく → 花粉症という一連の流れを「アレルギーマーチ」といいます。

アレルギー体質の人の中では、このように年を少しずつ重ねつつ、症状がリレーするアレルギーマーチという現象が非常に多くなっているそうです。

 

こうしたアレルギー発症のきっかけは上述したように皮膚から始まるものが多いです。

皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚からアレルゲンが侵入して、その感作によってアレルギー反応が起きます。

(ちなみにアトピー性皮膚炎が起こりやすい部位は、乳児では頭・顔、幼児ではひざやひじの裏、思春期では顔・首・上半身が多いです)

 

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーについては、衛生仮説の理論は必ずしもあてはまらず、どちらかというと制御性T細胞(=Tレグ)の活性化が重要になってきます。

このTレグを活性化させるには、核内受容体Nr4aという転写因子を活性させる必要があり、この受容体を活性化させる栄養素の一つがビタミンDなのです。

 

さらに、ビタミンDはこれだけでなく、タイトジャンクションと呼ばれる表皮の中の細胞を接着させる部分をしっかりと結合させる働きがあります。

(腸の上皮細胞のタイトジャクションも同様です。)こうして皮膚のバリアを強化します。

 

アレルギーはまずは皮膚のバリア形成の見直しがとても大切で、ビタミンDの摂取や生成も考えなければなりません。

特に(離乳食導入前の)乳児期におけるビタミンD摂取は非常に難しい問題だといえます。

母乳はできるだけ末永く与えるものでありながら(離乳食をはじめても同時に摂取させるのがよい)、母乳にはビタミンDがそもそも少ないのですから。

 








          たきがみ博士の想い

 

誰でも、自分の中に伝統がある。自分が経験したすべての過去の累積、それが”いま”のわたし。

過去とは思いだすこと、現在(いま)は過去の必然、そして、未来は想い、選択すること。

いまは、変えられない。

しかし、人には明日があり、未来がある。明日は、こうありたいと想いを持つことができる。

 

すてきな明日に向かって、”これからへの想い”を具体化するJourney、しっかり楽しみたいと思います。

そして、”いま、ここ”を丁寧に活きる。

みずからの人生の軌跡を、すてきな笑顔でみつめるために。

 

旬(ときめき)亭 亭主 たきがみ博士
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