VKTの七か条です。
1.鉄を満たす
フェリチンは、炎症や肝障害などの分を引き算して100以上あるか。(男性では150以上)
鉄不足は癌を招きます。
また、フェリチン(貯蔵鉄)は、炎症は肝障害などで上がります。
それを差し引いて評価します。
鉄不足は癌治療においても、本当に良くありません。
できるだけ、速やかな改善が望まれます。
鉄は、増えにくい方で、1日300mgまで増やす事があります。
比較的安全な「トラネキサム酸」という止血剤の内服を併用する事もあります。
鉄を増やすと月経出血がひどくなる方は、ピルも検討します。
子宮筋腫は断糖と、ビタミンAやEで、縮小する事があります。
2.高ケトンを維持
ケトン体は常に1000以上あるか?
起床時や、食後1~2時間で、ケトン体は驚くほど下がります。
この、下がりやすい時間帯でさえも、1000以上(総ケトン体でもβ-ヒドロキシ酪酸でも)をキープできていれば、
常に癌の増殖を抑えられます。
逆に1000以下になっている時間帯があるなら、その場合は、癌の増殖を許してしまうかもしれません。
ケトン体が上がりにくく、血糖値が上昇しやすい場合は、SGLT2阻害薬メトホルミンなどを併用する場合も。
SGLT2阻害薬は、痩せ気味なら、スーグラ(25)1Tを毎日か隔日が最小量。
肥満なら、リバウンドのないカナグル。
肝障害、腎障害があるなら、安全性の高いルセフィ。
メトホルミンはとにかく副作用が多いので、食思不振・下痢などが出現したら即減量または即中止。
躊躇せずに、減らすか、やめる。
3.高濃度ビタミンC点滴
高濃度ビタミンC点滴は100gをできているか?
断糖していても、できれば多い量の方が効きます。
断糖しているつもりでも、糖質を摂取している場合は、12時間程度、食事を摂らずに点滴すると高濃度ビタミンC点滴の効きが
良いかもしれないという話もあります。
さらに、ピシバニール0.5KEの「皮内」注射も併用すると、抗腫瘍効果が高まるかもしれません(週1回程度)
(※癌に対するピシバニール皮内注射は新井圭輔先生考案。)
ちなみに、ビタミン・ケトン療法(VKT)は、高濃度ビタミンC点滴のみを指す言葉ではありません。
それも含めて、ビタミン・ミネラルと高ケトン(断糖)で治療する事、全般を意味します。
なので、高濃度ビタミンC点滴をしていなくても、高ケトンでビタミン・ミネラルがとれていれば、ビタミン・ケトン療法ができている事になります。
高濃度ビタミンC点滴は、ビタミン・ケトン療法で最も強力な「攻め手」の主力です。
しかし、高濃度ビタミンC点滴は効果が1時間程度と大変短いので、これだけでは1時間後に癌が再度増えてきます。
なので、断糖や、ビタミン・ミネラルがあって初めて活きてきます。
逆にゆっくり治療するなら、高濃度ビタミンC点滴は不要です。
つまり、高濃度ビタミンC点滴がなくてもビタミン・ケトン療法です。
高濃度ビタミンC点滴は、むしろ「オマケ」です。
ここは勘違いして欲しくない点です。
毎日の高ケトン・断糖と、ビタミン・ミネラル摂取の方がはるかに重要です。
そちらの方こそが、ビタミン・ケトン療法の要(カナメ)です。
ビタミン・ケトン療法は単なる対症療法ではなく、栄養・代謝・ミトコンドリア活性などの基礎・根本から立て直しを図ります。
4.炎症反応
炎症反応は上がっていないか?
もしも、炎症反応が上がってくる場合は、「攻め」のVKTではなく、「守り」のVKTに変える必要があります。
具体的には高濃度ビタミンC点滴を減らしたり、ピシバニールを中止したります。
痩せていく場合は、プリモボラン・デポーを筋注します。
5.各種内服
各種ビタミンは内服しているか?
ビタミンはB1のベンフォチアミンが最重要。
B1は、他のBと併用・上乗せして飲むと乳酸を減らす事ができます。
各種ABCDEのビタミンや、セレン、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも重要。
目安は1日量で、
A: 2万5千単位
B1:ベンフォチアミン100mgx3
B50:2~6Cap
C:10~20g、粉末を水の溶かして内服
D:5000IU
E:1600~3200IU
セレン:200mcg
亜鉛・マグネシウムは適宜。
セレンはミネラルの中でもかなり重要です。
充分量の摂取が望まれるミネラルです。
(1日100~200mcg)
さらに必要に応じてアスタキサンチン、L-カルニチンなど。
処方薬はリバオール、セレコックスなども抗腫瘍効果があるかもしれません。
6.ビタミンC内服
特にビタミンCは点滴だけでなく、経口摂取もできているか?
点滴は短時間しか効果がありません。
その他の時間は、経口のビタミンCでカバーします。
このあたりがVKTの成否を分けるカギです。
7.最後に「栄養は全てが足りていて初めて意味がある」