アレルギー疾患                         煙山 昭子


あなたの周りにも、こんな人はいませんか、また、誰かから似たようなケースを聞いたことはありませんか

 

・幼少期はアトピー性皮膚炎でしたが、運動するようになっておさまっていました。

 現在20代後半、仕事がハードになったせいか、夜も痒くて眠れず、疲れが取れないというIさん。

 

・甘いものが好きでよく食べますが、頭を使う仕事なので、自分ではバランス人間と思っている30代のEさんは、花粉症でほぼ年中

 ティッシュが離せない。

 

・主婦で活動家のWさんは、長女が自閉症のため育児に悩み、カウンセリングを受けているが、本人がうつなのではないかと周りが心配して

 いる。

 

 

・Mさんの姪っ子は、まだ小学生だが、1型糖尿病で、1日に数回インスリン注射を自分で打っているらしい。

 

・Kさんの息子さんは、過敏性腸症候群のようだ。電車通勤の際に、トイレに駆け込むことが多く悩んでいるという。

 

・ジムに通うJさんは、BMI値が30を超える肥満体。

 痩せたいと言って、最近、ファスティングを試みているが、ほとんど体重の変化はないという。

 

現代社会のどこにでもいそうな人たち、これが普通の光景になっていますが、果たしてこの異常とも言える光景が、「普通」といって済む話でしょうか。

 

アレルギーが急増、今や難病指定すらも当たり前の病気になってきている。

 

厚生労働省が発表している「アレルギー疾患対策報告書」を見ても、

 

「わが国の全人口の約2人に一人が何らかのアレルギー疾患に罹患していることを示している。

これは近年の国民の約3人に一人がアレルギー疾患に罹患している状態よりもさらに急速に増加していることを示している。

この増加の主体はアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)とぜんそくの増加によると考えられている」

 

とあります。

 

アレルギー疾患の数 

また、厚生労働省と難病情報センターによるデータでは、「劇症1型の糖尿病患者数は、年間300人前後の発症数で、有病者数2万人程度と推定されている。」とあります。

 

欧米ではおよそ250人に一人が1型糖尿病で、自己免疫疾患全般の有病率の変化を知る目安として信頼されています。

自己免疫疾患は、他に関節リウマチ、セリアック病などを含め80種類あり、先進国では人口の10%近くに達しているといいます。

 

過敏性腸症候群というと、我が国の総理大臣もかかったのでポピュラーになっているかもしれません。

 

軽い病気のような印象もありますが、この病気は生活の質が著しく損なわれます。

また、難病指定されているクローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患も、増加しているのだと言います。

 

発達障害や肥満も、他人事ではない

心の病気もかつてないほど多くなっています。

 

文部科学省により2012年に全国の公立小中学校で約5万人を対象にした調査結果で、自閉症スペクトラムを含む“発達障害の可能性のある“とされた児童生徒の割合は、6.5%。

1クラスに2人程度は発達障害の傾向があるということになります。

 

ただし、特別支援学校などに通っている発達障害児はデータから除かれているため、実際の数字は6.5%より高い可能性があると言われています。

 

また、肥満人口は世界的に増えていますが、日本でも男性の29%、女性の21%がBMI25以上の「肥満」。

いずれも1975年にくらべ肥満の割合が増えています。(ただし、日本でも比較的収入の高い層の男女は、世界で最もBMIが低いと言われています。)

 

あらゆる病気は腸から

 

私たちの周りにあるこうした光景は、もう当たり前すぎて、“昔はなかった病気”と言われても気がつきませんね。

でも、アランナ・コリン著『10%HUMAN』では、これらの病気を“21世紀病”と捉え、次のように述べています。

 

「21世紀に急増している病気は、「これまでもあったが、感染症の圧倒的な多さの陰に隠れていただけ」というようなタイプの物ではない。

これらの病気には共通点がなく、それぞれ別の病気のように見えるかもしれない。

 

だが、アレルギーによるくしゃみ、自己免疫疾患による日常生活の崩壊、肥満による自己嫌悪、消化器疾患による恥辱、心の病気による社会的排斥などを大局的に見ると、これらの病気の攻撃標的が全て自分自身だという点が浮き上がる。

 

 

21世紀病は腸で起こることが多く、免疫系と関係している。

次に、21世紀病は子どもや10代、20代など若い世代が狙い撃ちされ、男性より女性の方がなりやすい。

そして、これらの病気は欧米ではじまり、新興国や途上国でも近代化にともなって増えている。」

 

つまり、あらゆる病気は腸からはじまるとされているのです。

腸内環境の乱れから病気が起きているとなると、現代人にとって「腸活」は必須になっています。

 

腸内環境のバランスを保つには

 

健康意識の高い方なら、もう「腸活しています」と言われるかもしれません。

けれども、腸内細菌のバランスはちょっとしたことで乱れがちです。

 

常識と思っている方もちょっとおさらいしましょう。

 

腸内細菌のバランスを保ちながら腸内環境を整えるには、日々、「プロバイオティクス」を摂取しながら、「プレバイオティクス」も同時に摂ると非常に効果的と言われています。

 

プロバイオティクスとは

腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを改善することにより、ヒトに有益な作用をもたらす生きた微生物のこと。

〈プロバイオティクスとなるもの〉

 

・手作りの味噌汁(味噌は手作りか天然醸造のものを使用)

・手作りのキムチやぬか漬け(自宅で添加物なしでつけたもの)

・甘酒、納豆などの発酵食品

・ヨーグルトに含まれるビフィズス菌などの乳酸菌→要注意

・または、これらに含まれる生きた微生物のサプリメント

 

 

プレバイオティクスとは

プロバイオティクスの働きを助ける物質のことで、消化管上部では分解吸収されず、腸まで届く。

プロバイオティクスのエサになり、腸内環境を整え、ヒトの健康の増進維持に役立つ。

 

〈プレバイオティクスとなるもの〉

・食物繊維

・オリゴ糖→要注意

 

また、腸内細菌にダメージを与えるもの〈アンチバイオティクス〉として、抗生物質の入った薬品や、抗菌、殺菌グッズ、界面活性剤入りの洗剤があります。

日常生活で、これらのものを遠ざけることも効果を上げることになります。

 

乳製品から採取した乳酸菌は、長く滞在できない

 

一般に「腸活」というと、乳酸菌やビフィズス菌を摂取することだと思われています。

ヨーグルトや乳製品を食べることを毎日続けている人も多いと思います。

 

けれども、その方法は本当に有効でしょうか

腸内細菌の種類やバランスは人によってバラバラです。

一人ひとり個性があるように、自分にとって相性のいい菌とそうではない菌があります。

 

言い方を変えれば、その人の腸内に滞在できる菌とできない菌があります。

 

実は、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、腸内に届いても長く滞在することはできません。

乳製品由来のサプリメントも同じことがいえるでしょう。

 

また、もともと乳糖消化酵素を持たない日本人の腸にとって、乳製品由来の乳酸菌は負担になることが考えられます。

植物性の乳酸菌なら、お腹にも優しく消化がしやすいでしょう。サプリメントなら、カプセルも植物性であることが望ましいですね。

 

オリゴ糖の過信も疑問

また、オリゴ糖は、腸内細菌研究の第一人者として知られる光岡知足により、ビフィズス菌の増殖活性に優れていることが確認されました。

この発見から、オリゴ糖が善玉菌を増やすと話題になりました。

 

腸内フローラの存在が知られるようになったのは最近ですね。

 

その当時は、腸内細菌が多様性を保持しながら日々、重要な働きをしていることは知られていませんでした。

善玉菌だけを増やしても、全体に働きかけることに意味があると気づいていませんでした。

 

 

腸内細菌研究の権威は、こう述べています。

 

「分子生物学的な手法を用いて腸内細菌の全容を見ると、少数派の培養可能な細菌と、多数派の難分離・難培養の細菌が存在することが明確になりました。

例えばA菌とB菌が共存できない関係にあれば、どんな条件下でもA菌はB菌があれば生きられません。

逆に、A菌はB菌がいなければ生育できないとしたら、A菌が培養できないのは培地のせいではなく、A菌が依存するB菌の存在が欠けていることが原因と考えます。

こうして最近になって、単一の菌の種類を同定するだけでなく、腸内細菌を一つの群衆として捉え、その関係を調べなければ腸内細菌の世界は理解できないと考えられるようになりました。」

 

 引用 瓣野義己 著 『腸内環境学のすすめ』 岩波科学ライブラリー

 

したがって、オリゴ糖で増殖できるとされるビフィズス菌単体だけでは、腸内環境のバランスは保たれないのです。

腸内細菌叢を全体として考えれば、いろいろな菌が居てはじめて力を発揮するチームワークが大事なのです。

 

そのためには食物繊維がいい働きをしてくれます。

 

サプリメントを使うなら手堅い方法で

自分も今すぐ腸活が必要と感じた方、最近、何らかの手術を受けたばかりの方、毎日手作りの味噌汁を飲むことができない方なら、良質なサプリメントを使うことも考えましょう。

 

 

その場合、乳製品由来の乳酸菌ではないものをお勧めします。

 

そもそも腸内環境が良くない場合、乳製品由来の乳酸菌はガスだまりしやすいことがあります。

原材料はできるだけシンプルなものを選びましょう。

 

 

 

◇自己免疫疾患

免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。

自己免疫疾患の原因は不明です。

症状は、自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって異なります。

自己免疫疾患を調べるために、しばしばいくつかの血液検査が使用されます。

 

治療法は自己免疫疾患の種類によって異なりますが、免疫系の機能を抑制する薬がしばしば使用されます。

 

免疫系は何らかの物質を異物または危険な物質であると認識すると、その物質から体を守ろうとします( 認識)。

このような物質には、蠕虫などの寄生虫、特定のがん細胞がありますが、このほかに移植された臓器や組織を異物と認識してしまうこともあります。

これらの物質には、免疫系が認識し、免疫系による反応を刺激する分子が含まれています。

これらの分子を抗原と呼んでいます。

抗原は細胞内にあったり、細胞(細菌やがん細胞など)の表面にあったり、ウイルスの一部であったりします。

花粉や食物の分子などは、それ自体が抗原となります。

 

それぞれの人の組織内細胞にも抗原が含まれています。

しかし、通常であれば免疫系は異物や危険な物質に対してだけ反応し、自己の組織の抗原には反応しません。

ただし、ときに免疫系が正常に機能しなくなり、自己の組織を異物と認識して自己抗体と呼ばれる抗体や免疫細胞を産生し、これらが特定の細胞や組織を標的にして攻撃します。

この反応を自己免疫反応と呼び、炎症と組織の損傷を引き起こします。

こうした反応は自己免疫疾患の症状である場合がありますが、多くの人では作られる自己抗体の量がごく少量であるため、自己免疫疾患は起こりません。

 

自己免疫疾患には様々なものがあります。

特に多くみられる自己免疫疾患には、バセドウ病、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス、血管炎などがあります。自己免疫性と考えられているその他の疾患には、アジソン病、多発性筋炎、シェーグレン症候群、進行性の全身性強皮症、多くの糸球体腎炎(腎臓の炎症)、一部の不妊症などがあります。

 

主な自己免疫疾患

 

 

自己免疫性溶血性貧血

赤血球

赤血球が減少して貧血が起こり、疲労感、脱力感、ふらつきが現れる。

脾臓が腫れる場合がある。

貧血は重く、そのために死に至ることさえある。

 

水疱性類天疱瘡

皮膚

皮膚に大きな水疱ができ、水疱の周辺は赤くなって腫れる。たいていはかゆみを伴う。

この病気は主に高齢者にみられ、生命を脅かすことがある(特に他の病気がある高齢者の場合)。

 

グッドパスチャー症候群

肺および腎臓

息切れ、喀血(肺や気管支から出血して血を吐くこと)、疲労感、腫れなどの症状が現れる。

肺や腎臓が深刻な損傷を受ける前に治療を開始すれば予後は良好。

 

バセドウ病

甲状腺

甲状腺が刺激に反応して大きくなり、その結果、甲状腺ホルモンが増加する(甲状腺機能亢進症)。

心拍数の上昇、暑さに耐えられない、振戦、体重減少、神経過敏などの症状が起こることがある。

治療すれば予後は良好。

 

橋本甲状腺炎

甲状腺

甲状腺に起きた炎症と損傷の結果、甲状腺ホルモンが減少する(甲状腺機能低下症)。

体重増加、皮膚の荒れ、寒さに耐えられない、眠気などの症状が起こることがある。

生涯にわたって甲状腺ホルモンによる治療が必要となるが、治療により症状は通常、消失する。

 

多発性硬化症

脳および脊髄

侵された神経細胞を覆う膜が損傷し、神経細胞が神経信号を正常に伝達できなくなる。

脱力感、感覚異常、回転性めまい、視力障害、筋肉のけいれん、失禁などの症状が起こることがある。

病気の経過とともに症状が現れたり消えたりすることがある。

予後は患者により異なる。

 

重症筋無力症

神経と筋肉の接合部(神経筋接合部)

筋肉、特に目の筋肉が弱り、疲れやすくなるが、その程度は患者により異なる。病気の進行の仕方も個人差が大きい。

たいていは薬で症状をコントロールできる。

 

尋常性天疱瘡

皮膚

皮膚や粘膜(口の内側など)に大きな水疱ができる。

治療しなければ、生命が脅かされる場合がある。

 

悪性貧血

胃の粘膜にある、ある種の細胞

胃の粘膜の細胞が損傷を受けると、ビタミンB12が吸収されにくくなる(ビタミンB12は血液細胞の成熟と、神経細胞の維持に必要である)。

その結果、貧血が生じ、しばしば疲労感、脱力感、ふらつきが起こる。

また、神経が損傷を受けるため、脱力感と感覚消失が起こる。

治療しなければ脊髄が損傷し、いずれは感覚消失、脱力感、失禁を招く。

胃がんのリスクも増加する。しかし、治療を受ければ予後は良好。

 

関節リウマチ

関節、肺、神経、皮膚、心臓などのその他の組織

様々な症状が起こる可能性がある。発熱、疲労感、関節痛、関節のこわばり、関節の変形、息切れ、感覚消失、脱力感、発疹、胸痛、関節や腱の腫れなどがみられる。

予後は患者により異なる。

 

全身性エリテマトーデス

関節、腎臓、皮膚、肺、心臓、脳、血液の細胞

関節にも炎症が起こるが、変形は伴わない。

疲労感、脱力感、ふらつきなどの貧血の症状、および、疲労感、息切れ、かゆみ、胸痛などの腎臓、肺、心疾患による症状が起こることがある。

発疹が現れることもある。

脱毛がよくみられる。

予後は実に様々だが、大半の患者はときおり症状が再燃するものの、活動的な生活を送ることができる。

 

1型糖尿病

膵臓のベータ細胞(インスリンを産生している)

様々な長期合併症のほか、強いのどの渇き、過剰な尿量や食欲といった症状がみられる。

膵臓の細胞の破壊が止まったとしても、すでに十分な量のインスリンを産生できるだけの細胞が残っていないため、インスリン治療を生涯続ける必要がある。

予後は実に様々であり、重症で、病気になってからの期間が長いと悪い傾向にある。

 

血管炎

血管

神経、頭、皮膚、腎臓、肺、腸など体の一部または数箇所の血管が侵される。いくつかの型がある。

症状(発疹、腹痛、体重減少、呼吸困難、せき、胸痛、頭痛、視力障害、神経の損傷や腎不全の症状など)は、体のどの部位が侵されているかによる。

予後は病気の原因と、組織がどの程度損傷を受けているかによる。通常は、治療すれば予後はかなりよい。

 

原因

自己免疫疾患は以下のように、いろいろなものが引き金になって起こります。

体内の正常な物質がウイルス、薬、日光、放射線などの影響で変化し、変化した物質を免疫系が異物と認識することがあります。

例えばウイルスに感染すると体の細胞が変化します。

この細胞が免疫系を刺激し、攻撃を促します。

 

体にもともと存在する物質によく似た異物が体外から入ってきたときに、免疫系が異物を攻撃する際に気づかずに、体内にあったよく似た物質も標的にしてしまうことがあります。

例えば、レンサ球菌咽頭炎を起こす細菌は人間の心臓細胞に存在する物質と似た抗原をもっています。

そのため、咽頭炎が治った後でまれに免疫系が心臓を攻撃します。これはリウマチ熱で起こる反応の1つです。

抗体の産生を調節する細胞、例えば白血球の一種であるB細胞が正常に機能しなくなり、体の細胞を攻撃する異常な抗体を産生する場合があります。

 

正常な状態では体内の特定の領域にとどまり免疫系の標的にならない物質が血流の中に放出されてしまった場合も、それが引き金になります。

例えば、眼をぶつけると眼球の中の液体が血流に流れ出します。この液体の刺激によって免疫系が眼を異物と認識し、攻撃します。

 

ある人に自己免疫反応または疾患が発生する引き金となっても、別の人ではならない物質が存在する理由は大体が不明です。

しかし、ときに遺伝が関与していることがあります。

自己免疫疾患を発症する可能性を、わずかではありますが高める遺伝子をもつ人もいます。

病気そのものではなく、このようにわずかに高い自己免疫疾患の起きやすさが遺伝します。

このように、もともと自己免疫疾患になりやすい人はウイルス感染や組織の損傷などが引き金になって発症します。

多くの自己免疫疾患は、女性により多くみられます。

 

症状

症状は疾患の種類と、侵された体の部位により様々です。

例えば血管、軟骨、皮膚などの特定の組織が全身で侵される疾患もあれば、決まった臓器だけが侵される疾患もあります。

腎臓、肺、心臓、脳を含め、事実上いかなる臓器も侵される可能性があります。

発症すると炎症と組織の損傷が起こり、痛み、関節の変形、脱力感、黄疸、かゆみ、呼吸困難、体液貯留(浮腫)、せん妄が現れて、死亡することすらあります。

 

診断

血液検査

 

医師による評価

血液検査で炎症が起きていることが分かれば、自己免疫疾患の診断に役立つことがあります。

そのような検査には、次のものがあります。

 

赤血球沈降速度(赤沈):この検査では、血液の入った試験管の底に赤血球が沈澱する速さを測定します。

炎症があると、それに反応してつくられるタンパク質によって、赤血球が血液中に浮遊する能力が抑制されるため、赤沈がしばしば高くなります。

 

血算:この検査には、血液中の赤血球数測定も含まれます。

炎症があると、産生される赤血球の数が減少するため、赤血球数が減少します(貧血)。

 

炎症は様々な原因で起こり、その大半は自己免疫疾患と関係ありません。

そのため医師はしばしば血液検査を行い、特定の自己免疫疾患にかかった患者に現れる様々な抗体の有無を調べます。

このような抗体の例として、以下があります。

 

抗核抗体(典型的に全身性エリテマトーデスでみられます)

リウマトイド因子や抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体(典型的に関節リウマチでみられます)

 

しかし、これらの抗体でも、ときに自己免疫疾患ではない人に検出されるため、医師は通常、検査結果と患者の徴候と症状を組み合わせて自己免疫疾患の診断を行います。

 

自己免疫疾患の中には、原因がわからないまま発症し、自然に治癒するものもあります。

しかし、ほとんどは慢性の病気で、たいていは生涯にわたって薬で症状をコントロールする必要があります。

予後は病気により異なります。

 

治療

コルチコステロイドなど、免疫系を抑制する薬

一部の自己免疫疾患に対して、血漿交換と免疫グロブリン製剤の静脈内投与

 

薬物療法

アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シクロスポリン、ミコフェノール酸、メトトレキサートなどの免疫系を抑制する薬(免疫抑制薬)を長期間にわたって内服します。

( 移植による拒絶反応の予防に用いる薬剤)。

しかし、これらの薬は自己免疫反応を抑えるだけでなく、感染症の原因となる微生物やがん細胞を含む異物から自分の体を守る能力も抑制してしまうため、結果としてある種の感染症やがんを発症するリスクを高めます。

 

プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドを通常は服用します。

コルチコステロイドは炎症を鎮めますが、免疫系も抑制するため、長期にわたって用いると様々な副作用が起こります( コルチコステロイドの使用法と副作用)。

したがって、できればコルチコステロイドは疾患の初期、または症状が悪化したときに短期間だけ使うようにします。

ただし、場合によっては一生使い続けなければなりません。

 

多発性硬化症や甲状腺疾患など、ある種の自己免疫疾患の治療には免疫抑制薬とコルチコステロイド以外の薬も使います。

また、症状を和らげるための治療が必要になることもあります。

 

エタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムマブは、体内で炎症を起こす腫瘍壊死因子(TNF)の作用を妨げる薬です。

 

 

これらの薬は関節リウマチなどの一部の自己免疫疾患の治療に非常に効果的ですが、多発性硬化症などの特定の自己免疫疾患の治療に使用すると逆に有害なことがあります。

また、感染症とある種の皮膚がんを発症するリスクを高める可能性もあります。

 

新しい薬の中には特に白血球を標的とするものがあります。

白血球には体を感染症から守る働きがあるとともに、自己免疫反応にも関与しています。

このような薬には以下のものがあります。

 

アバタセプトは、白血球の一種であるT細胞の作用を妨げる薬で、関節リウマチの治療に使用されます。

 

リツキシマブは、白血球の仲間であるB細胞を減少させるため、当初は、ある種の白血球のがんの治療に使用されていました。

関節リウマチや、血管の炎症(血管炎)を引き起こす特定の疾患(多発血管炎性肉芽腫症[ウェゲナー肉芽腫症]など)のような一部の自己免疫疾患で効果的です。

リツキシマブは、他の様々な自己免疫疾患で研究段階にあります。

 

他に白血球を標的とする薬の開発が進んでいます。

 

血漿交換と免疫グロブリン製剤の静脈内投与

一部の自己免疫疾患の治療には血漿交換が用いられます。

まず血液を採取し、ろ過を行い、自己抗体などの異常なタンパク質を取り除きます。

その後、ろ過した血液を患者の体内に戻します( 血液浄化による病気の管理)。

 

一部の自己免疫疾患の治療には免疫グロブリン製剤(ヒトの血漿中の抗体を精製して製造する)の静脈内投与を用います。

その作用機序は不明です。