日本人の男性の62%、女性の46%が、がんになります。年間85万人ががんに罹り、年間36万人以上ががんで亡くなるというデータは皆さんご存知のこと。
言い方を変えればほとんどの人ががんにってしまうということです。
薬は体温を下げ、免疫力を低下させます。
ですから、免疫力が何より必要ながん対策に、薬を使用するというのは、賢い選択とはいえません。
例えば抗がん剤というのは、4週間でがん細胞が小さくなったら「効く」と定められています。確かにがん細胞だけを見れば、小さくなったかもしれませんが、その他の正常細胞がどうなっているのかについては、見ていないのです。
腫瘍の消失が4週間以上続いた場合を「完全奏効」といいますが、目に見える範囲での腫瘍の消失ということで、目に見えないがん細胞が残っている可能性はあります。 完全奏効という判定になっても、その後もその状態が保証されるわけではありません。
また、胃のすぐ後には免疫工場の腸が控えています。強い薬を服薬すれば、腸で吸収される際に大切な免疫細胞を破壊していくことでしょう。
抗がん剤治療は薬剤が全身に行き渡るため、画像検査などで確認されていない微小な病変に対しても、効果を発揮してくれるという長所があります。しかし、抗がん剤を投与する必要のない臓器までがダメージを受け、全身の副作用となって現れるというデメリットもあるのです。
抗がん剤の主な目的は「がん細胞の増殖を抑える」ことです。やはり薬の目的は「抑える」がメイン。
「治す」ではないのです。大抵の場合は成果を上げるために、手術や放射線治療と併用することになります。
がん細胞だけに働く薬の開発がさかんですが、現在のところ副作用のない薬はありません。
がん細胞だけを攻撃してくれればいいのですが、薬は正常な細胞も同じように攻撃してしまいます。
そのため「体力が弱っている」と抗がん剤を使いにくい、というのは、なんだか皮肉な話です。
薬は身体中の免疫を抑制し、さまざまな副作用を起こします。吐き気や痛みが原因で食事がとれなくなり、さらに免疫力が低下するという悪循環に。
実際にがんそのもので亡くなる人は少なく、抗がん剤の使用による免疫力低下が原因となって「肺炎」や「多臓器不全」を起こして亡くなる人が多いのです。
あるいは、ただの風邪で亡くなる方も。それほど、抗がん剤というのは強力なのです。
代表的な抗がん剤がどんなものであるかを覚えておきましょう。
使用するかしないかについて冷静な判断をするためには、薬そのものについての知識が必要だからです。
免疫抑制剤
がん治療だけでなく臓器移植の場合にも、拒絶反応を防ぐために投与されるのが免疫抑制剤です。実はこの免疫抑制効果により、がんの再発率が数十倍、高くなるのです。
分子標的薬
分子標的薬とは、がん細胞に特徴的に発現しているタンパク分子を標的とし、これらの作用を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制する抗がん剤です。
これまでの抗がん剤と異なる点は、標的となる分子が明確になっていること。がん細胞を選択的に攻撃すると考えられています。
副作用が少ないと期待されていましたが、標的分子は正常細胞にも一部存在するため、従来型の抗がん剤とは異なる薬剤性肺炎などの重大な副作用もみられます。
ホルモン剤
人間の生殖器にできるがんは、性ホルモンを受け取って増殖する場合があります。このようながんには乳がん、子宮がん、卵巣がんのほか、前立腺がんなどがあります。
ホルモン剤は、性ホルモンの働きを妨げるなどによってがん細胞の増殖を抑制する抗がん剤です。
ホルモン剤はがんの増殖に関係するホルモンを抑制する働きのため、がんを殺すというよりはがんの増殖をとめる抗がん剤といえます。
したがってホルモン剤のみでがんが完全に治癒する可能性はありません。
しかし、病状を改善し、がんの進行を停止させたり遅らせたりすることができるようになります。また、他の抗がん剤のような強い副作用もありません。そこで、ホルモン剤は、手術前や手術後の補助療法として、しばしば用いられています。
ホルモン剤は性ホルモンのはたらきを抑えるため、女性では更年期障害の症状が現れます。また男性には精力や性欲の減退などがみられます。
手術、放射線療法にも副作用がある
健康保険が適用になる標準治療(外科手術、放射線療法、抗がん剤)は、「がんを攻撃する」ことを目的としています。
目に見えるものを取り除いたり、叩けばいい。それが、がん治療の基本的な考え方でした。
ところが、生き残った目に見えないがんはあっという間に勢いを取り戻し、全身に広がります。
がんを叩いても、体内でがんを抑える免疫システムにも打撃を与えてしまったら、結局がんの勢いをとめることはできないのです。
外科手術は分散してしまった微小がんには対応できません。放射線も全身照射はできません。
手術は正常組織も取り除く
手術では、がんとその周囲のリンパ腺を、その周囲の正常組織を含めて切り取るのが通です。
がんの取り残しを防ぐためです。正常な組織までとってしまうので、当然身体は弱ります。
高齢者のがんの場合、手術が避けられる傾向にあるのはそのためです。また、転移しているかどうかは、完全にはわからないので、手術をしても再発することはもちろ んあります。
放射線療法
放射線療法は、放射線を照射した部位に対してしか効果を期待できないものの、副作用もまた局所に限定されることが多いというメリットがあります。
しかし放射線療法では、活性酸素を発生させてがんのDNAを破壊するため、呼吸が浅く酸素供給ができない、血流が悪く酸素を循環できないなどの低酸素の環境では、がん細胞を十分に破壊することができません。
手術、放射線療法いずれの場合も、再発や遠隔転移となれば、基本的な治療法として抗がん剤を使うしかありません。
ところが伝統的な抗がん剤である化学療法剤は、薬剤耐性を招き、効果がなくなるときがきます。
さらに免疫系に打撃を与え、結果的には、がんの増殖を加速させることになります。
手術をしても、放射線治療をしても、がんは再発する
手術をしても、放射線治療をしても、生活習慣を改めない限りがんは再発します。
なぜなら、がんは「自分の細胞が変化」したものだからです。がんの元は、自分が持っているのです。
がんになったのは、今までの生活習慣ががんを発生させるものだったからです。
ですから、手術や放射線で百パーセント腫瘍を取り除けたとしても、また新たながん細胞が生まれてしまいます。生活を変えない限り、がんから逃れることはできないのです。
末期がんで見放された方が助かることがあるのはなぜか
テレビや本、周りの人たちなどから、「末期がんが治った」という話を聞いたことはありませんか。実際にそういうことは、よく起こります。
なぜなら、末期がんでお医者さんから見放された人々のうち、一定数が薬を使わずに、自宅で好きなことをして余生を楽しむ生活を選ぶからです。
そのため、抗がん剤や手術による免疫力や体力の低下をまぬがれることができるだけでなく、残された時間を存分に生きようという気力が免疫力をアップさせるのです。 これらの相乗効果が「末期がんからの生還」というストーリーにつながるのだと思います。
若いお医者さんに、年配の人が「助けてください」とすがりつく。がんのときにはよく見られる光景ですが、あなたのがんを治すのは、他人ではなく自分自身。
医師に頼っているうちは、本当の意味でがんを克服することはできません。
自分の命は自分で救うことができます。なぜならがんを本当の意味でやっつけてくれるのは、ご自身の免疫力だからです。
生活習慣病の大敵がストレスであるように、がんの大敵もストレスです。
ストレスは自律神経と深く関係しています。私たちの脳には「脳幹」という蛇やトカゲも持っている原始的な脳があり、ここが自律神経を司っています。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、これらが作用しながら私たちの生活を支えています。
交感神経はいわば車のアクセル
緊張が必要な昼間はこの交感神経が優位なため、私たちはバリバリ仕事をしたり、子育てを頑張ったりできるのです。
この状態のときには、リンパ球は少なくなります。
夕方から夜になると、ブレーキにあたる副交感神経が優位になり、私たちを眠りへと導いてくれます。
この時、リンパ球は増えてくれるのです。
ストレスは緊張にあたりますから、ストレスがあるということは交感神経が優位な状態です。
夜中2時まで仕事をしているといったようなことが続けば、私たちの身体はいつも交感神経に支配されることに。免疫細胞リンパ球もずっと低いままというわけです。