がん、認知症をはじめとする生活習慣病に対して、予防は検診から、早期発見・早期治療によって、がんは治るなど、現代の日本は本質からずれた方向にむかっている。
日頃から予防を重視し、国の指導に頼らず、ひとりひとりが勉強して実践していくことが重要です。
一人でも多くの人が、予防の観点から、みずからの生活を組み立て、健全に細胞を活かしきって、すてきに活ききることを切に願います。
◇細胞を活かしきる = 予防 (がんも認知症も) = 生活習慣病から卒業
わたしの身体の細胞を活かしきるために、わたしの日々の生活を組み立て、身体の声を聴きながら、健やかな日々を楽しむ。
今、自分の身体の中で何が起きているのか、身体の声を聴きながら、わかってあげてください。
自分の身体のことを一番知っているのは、お医者さまではありません。 私自身なのです。
そして、身体が何を求めているのかを、身体の声を聴きながら、試行錯誤してください。
このプロセスが大切だと考えています。
決して、あれがよさそう、これが良さそうと、手当たり次第に、試してもなかなか結果にはつながりにくいと思います。
取り組まなければならない課題として”細胞を活かしきる”を設定し、日々の生活スタイルを見直すチャンスにしてください。
細胞を活かしきる方法にどのようなステップで取り組むべきか、新たな気付きをお届けできれば、幸いです。
★旬(ときめき)亭の考える免疫メカニズム
人がより良く変わり、継続的に輝くのは、その人が本来の魅力を取り戻した時です。
変わったのではなく、元々持っていた才能や表現力を思い出した時。
人が病や怪我を治すのは、もともと持っていた治癒力を取り戻した時です。
その人が本来持っている能力を引き出す、
それは、医療や教育というジャンルを超えて、昔も今も最も効果を発揮するアプローチです。
『機能を有する身体(からだ)、氣を有する生命(いのち)場、 ひとのぬくもりを有する志・想い(こころ)』を一体・統体ととらえたとき、 ひととしての存在価値が生まれます。
これまでの科学や医学は、ものごとを細かな要素や機能に還元し、生命現象までも分割・分離してきました。
その結果、私たちの健康や生活環境、社会の仕組みまでも縦割りに分断され、全体としてのつながりや働きが、見えにくくなっています。
それが結果的にさまざまなストレス要因となって、私たちの自然治癒力を弱めているといえます。
現代社会で問題となっている病気は、老化現象であり、生活習慣病なのです。
日々の食べ物、水など生命の維持に不可欠なものの質の低下、およびこころのおきどころが不十分なために、血液が汚れ血流が悪くなり、身体機能が適切に働かなくなったことにより生じた不具合なのです。
60兆個の細胞の代謝活動が滞ることによって、さまざまな身体の不調が起こっているのです。
生活習慣病の原因は、身体を構成する細胞の一つ一つが正常に働かなくなったことなのです。
病気は、長年の生活スタイルの結果として現れるのです。生活スタイルを変えることによって、不治と思われた病気からも解放され、それ以前よりずっと健康になれます。
治癒とは、「人生により多くの意義と、幸福と、健康な行動をもたらすこと……わたしたちがあとどれだけ生きるとしても、いますぐ始めるべきこと」です。
治療の世界は治療家にとっての「病気を治す」競争に陥ってしまうこともありますが、治癒という現象においてはそもそもその必要がありません。
生まれつきの病である先天性の心疾患の方もいらっしゃいます。生まれつきの状態が、多くの人とは異なっているわけです。
ただ、その状態がその人にとって異常だというわけではないと思います。
その生まれつきの状態を前提とした上で、その中で全体の調和がとれた状態というものが大事なのです。
それが生きているということです。
その人から先天性の疾患が取り除ければいい、病がなくなればすべてが解決する、という単純なものではありません。
人間は全体的な存在です。
がんにしても、身体全体が不調和になっているということを一部の細胞が教えてくれている、ととらえることもできるのではないでしょうか。
全体の調和のために、部分がそのバランスをとるのです。
その知らせに気づいて調和のとれた状態に戻ろうとするなかで、健康を取り戻していくというプロセスもありうると思うのです。
「以前とまったく同じ状態に戻る」ことではなく、別の新しい平衡状態を見つけるということです。
その結果、がんが治るかもしれないし、治らないかもしれない。
ただ、治療する側が「元の状態に戻す」ことにばかりこだわると、かえって不調和を増進させてしまうことにもなりかねません。
生命は常に動いています。
アンチエイジングにしても、自然の摂理である老化と「戦う」「逆らう」という発想には無理があります。
青年期、壮年期が人生の最も素晴らしい時期で、老いは醜くて避けるべきと考えてしまうと、無理をして青年期、壮年期に戻ろうとするわけですが、そうすると必ずしわ寄せがきます。
病は敵である、死は敗北である、という枠組みで考えるかぎり、1分でも1秒でも長く生きることが勝利ということになり、生命や人生の「質」が見失われてしまいます。
最高の医療をもってしても1歳や2歳で亡くなる子どももいます。
人生で大切なのは量ではなく質なのです。
老いや死を医療の敗北ではなく、生命サイクルの完結と考えることで、その子が「生きた」意味が立ち上がってきますし、関わった人たちもその意味に気づけるのです。
病気になったときも「完全に元の状態に戻す」ことが生きる目的となると本末転倒です。
時は逆行しません。
それよりも自分はどう生きたいのか、よりよい人生を生きるためにはどうしたらよいか、本来はそういうことと共に生きていくのが医療の本質です。
哲学や教養――固い言葉でいえば生命倫理とか医療倫理――という、いわば「土台」がなければ、いくら技術が進歩しても、ただ先鋭的になり不安定になるだけで、医療の目的地を見失うことになります。
医療技術は、人間が本来備えている自己治癒力を生かし、サポートするためのものです。
自己治癒力がなければ内科でも風邪でさえ治りませんし、外科でも傷口すらふさがりません。
人間の内なる力を無視して技術だけを進歩させても、本当の意味で命や人生の本質には迫ることはできないのだと思います。
そういう意味でも、がんになった人は、「がんや病気のことを考えない時間」を持つべきです。
ケリー・ターナーさんの本には、「朝夕2回、娘と二人で笑う時間をとる」ことを決めた女性が出てきます。彼女はそうやって、新たに取り組むべき使命を見つけました。それによって生きる力が内側から湧いてきたのです。
がんのことばかり考えると、がんが思考やライフスタイルの中心となる生活に引っぱられてしまいます。
がんがあったとしてもなかったとしても、自分はどういう人生を生ききたいのか、自分は何のために生まれてきて何のために生きていくのか、という根源的で重要なことを自らに問う内省的な時間を持つ必要があるのだと思います。
『がんが自然に治る生き方』で、劇的な寛解を遂げた人たちがやっていた9つの習慣のうち7つが「心」に関わることでした。
そのことは、内なる力に気づくこと、それを表現する言葉を得ることがいかに大切かを物語っていると思います。
ただ、そういうことがすぐにできる人は非常に少ないと思います。なぜなら、多くの人は、自分の心や体に関する勉強を一度もしないまま大人になるからです。
現在の学校教育では生命や体の仕組みのことを深く学ぶ機会がありません。病気になって慌ててインターネットで情報を集め始めても、ある程度基本がわかっていなければ、情報の質の違いがわかりません。
しかも焦りや不安のなかで情報を得ようとすると、断定的に言いきっている情報や権威付けのある情報に飛びつきがちなのです。
自分で治療法を決めるためには、ある程度の体や生命に対する基礎知識と、自分がベストな判断をしたと感じられる自己信頼に基づく自信が必要なのです。
予防医学の基本は教育です。
自分の心、身体、食事について正しい知恵や知識をもって生きていくということが予防医学になるのだと思います。
人生の早い時期に、体の仕組みについて、具体的には解剖学、生理学、免疫学、栄養学などの基礎的な知識を偏見なく学ぶ機会があれば、いざ病気になったときにどういう治療を受けたいのかを主体的に考えることができます。
回り道のようですが、病気との向き合い方も含めた生き方を自己決定できる人を増やすには、まずは教育だと思います。基礎のないところで治療法を自己決定するのは困難であり、リスクも伴います。
では、何から取り組めばいいのか。
医師の立場から言えば、やはり食生活を見直すということが効果的だと思います。食事は他でもない自分の体を物理的に構成するものだからです。
この本で紹介されている「末期がんから劇的な寛解をとげた人が実践している9項目」のうち、2項目だけが体にかかわるもので、あとはマインドやスピリットにかかわるものです。
そうはいっても、身体は食べ物でできています。食べ物を通して身体の状態が改善されると思考がクリアにニュートラルになって、直感も冴えてきます。
その結果、適切な決断ができるようになる。
食事を変えることが自分で自分の人生を決めていくことにもつながっていくのです。また、食生活を変えるには周囲の人の支えも必要です。
そういう意味では生き方を変えることにもつながるのかもしれません。
ただ、生活を変える場合も教条的にやるのではなく、自分にはどういう食物が合っているのか、乳製品はいいのか、小麦はいいのか、肉はいいのか……、ひとつひとつ考えながら、身体と対話していくことが大切です。
そして特定できる生産者の方が愛情をもって育てたものを適量食べることを心がけていただきたいと思います。
必ず加熱して食べなければならないとか、逆に必ず生のものを食べなければならないとか、肉は食べてはいけないとか、例外を許さない極端な食事法もありますが、よほど体に合うという実感がない限りは継続しておすすめできません。
どの食事療法も、結局はその食事療法の創始者の体質が基になっているのです。その人と近い体質の人には効くし、そうでない人には効きません。体質も年齢や時期で変わることがあります。沖縄の人たちは豚肉を食べて長寿ですし、インドの聖者は厳密な菜食主義で健康を保っています。
何を食べるか食べないかということにとらわれすぎる前に、食を通じていのちや、自分という存在と向き合う姿勢の方が大事です。
心を整えることは身体を整えることにつながり、身体を整えることは心を整えることにつながっています。
*『がんが自然に治る生き方』を医師として読んで
どんなに良い物を食べても、腸が汚れていたら、血液が汚れてしまう。
腸がきれいな状態というのは、
・スルッと出る
・残便感がない
・ふいた時、紙につかない (動物の中で紙でふくのは人間だけ)
・トイレに入ってすぐ出る
(動物は排出している時が一番油断する。 なのになかなか出てこなければ、すぐ食べられてしまう)
・便に変な臭みがない (口臭も体臭も少ない)
・腰痛や膝の痛みがない
・自分で感じたより大きな便が出る
身体の免疫の7割がたは、腸由来だと言われている。
腸がきれいになれば 血液がきれいになる。
血液がきれいになれば、細胞がきれいになる。
細胞がきれいになると、病気のないきれいな身体になる。
*Yoshiko
『健康とは、足し算ではなくて、引き算』、 言い換えれば、 『何を食べるか、ではなくて、何を食べないか、どれだけ無駄に食べないか』です。
① 血糖値を上げない食事
人類の歴史から考えたら一番分かりやすいと思います。人間が穀類を栽培し始めたのは、その長い歴史から見てごく最近のことであるということ、しかもこのように精製穀類、精製砂糖が大量に出回るようになったのは、たかだかこの30~40年なのです。
ですから、我々は人類史上最も、毎回毎回血糖値を上げる食事をしていることになります。
人間の体が大量の糖質を取るのに適していないということは、血糖値を上げるホルモンはいくつもあるのに、逆に下げるホルモンはインスリンしかないということからも分かります。 糖は、体全体の血流中に、わずかに4gしか必要ない!ので、残りはこのインスリン君ががんばって、脂肪細胞に押し込むことで、とりあえず事なきを得ます。
しかし、そのインスリン君が出動して血中から細胞や肝臓に取り込む時に、なんと血管壁を傷つけていくのです。 それが、毎回血糖を上げるような食事をしていると、インスリン君を出動させていたすい臓のランゲルハンス島というところのベータ細胞も、もう無理~、疲れたよ、、、と壊れていき、唯一の血糖値を下げるホルモンが出せなくなって、糖尿病、高血圧、動脈硬化、果ては心臓・血管関係の病気へとつながっていく所以です。
炭水化物と砂糖類は体の中に入ってしまえば、結局「ブドウ糖」という同じものになりますが、毎回血糖値を上げて肥満を増幅し、体の各部位に糖化という炎症を起こし(関節炎、腰痛など)、自己免疫疾患(アレルギー)も引き起こし、恐ろしい糖尿病やガン(ブドウ糖はガンのエサ)に繋がってもいくので、糖質を制限したらいいのは、なにも糖尿病の人に限らず、人類皆にとって有益だということです。
特に、このように糖質食品ばかりが溢れるようなおかしな世の中になってしまっては、制限をしてして、ちょうどぐらいの感があります。
ビタミンCは、白血球が体に侵入したばい菌やバクテリアと戦う時に必要とする栄養素です。 そのため白血球は普通の細胞の50倍もビタミンCを取り込むことを必要としますが、なんとこのビタミンCとグルコースの生化学的構造がとても似通っているために、この二つが競争して、最終的にはグルコースが競り勝ってビタミンCが細胞に入るのを阻害してしまうというものです。
お互い、細胞に入り込むためにはすい臓のホルモンであるインスリンとその出される信号に頼っているのですが、グルコースの方がこのインスリン受容体と”仲よし”なため、循環する血糖が多ければ多いほど、細胞に入れるビタミンCは少なくなるのです。
つまり、『血糖値の高い食事をしていると、免疫系システムが弱くなる』ということです。
例えば、お菓子ばかり食べて、栄養のないものを食べていると風邪を引きやすくなります。 風邪というと軽く聞こえますが、実はすべての免疫系の病気にも抵抗力が弱まっている、ということを表しています。
② 小食・不食
病気にならないで長生きするためのもう一つの柱が、この小食・不食です。
いつもいつも、お腹いっぱい食べていると、体が食べ物の消化で忙しいあまり、自分の細胞のメインテナンスまではどうしても手が回らなくなります。
そうなると、どこかで遺伝子が傷ついてもその修復がおろそかになる、修復間違いも起こってくる。それが癌の発生です。
また、体のあちこちに老廃物もたまります。血管も詰まってきます。
それから、食べるという行為には、必ず活性酸素の発生が伴います。活性酸素は、体の細胞を傷つけ、老化の元となります。
ですから、身も蓋もない言い方をすれば、食べれば食べるほど、ヒトは早く老化して死に近づく、ということです。
この反対が、小食・不食です。
その効能を一言で言えば、お腹が空くと長寿遺伝子(サーチュイン)がオンになります。 体が飢餓状態になると、体にとっては一大事であるために、細胞の働きが活性化されて、生命力が増すのです。 おまけに、副腎皮質から若返りホルモンが出るというのですから、私たちが連想する『空腹=生きることから遠ざかる』とは反対の作用ですね。
また、空腹になると、体のマクロファージ(貪食細胞)が、何か食べるものはないかと、体の中の老廃物や、血管中のゴミなどをあちこち探して食べて回ってくれます。体の中のお掃除をしてくれるから、いろいろな病気にもかかりにくくなります。
また、エネルギーとしてお手軽に使える糖が入ってないのですから、蓄積されていた脂肪は燃焼しはじめ、糖新生(体内で自ら糖を作りだす)という、眠っていた機能も呼び覚まされます。
ですから、お腹がぐぅ~となったら、それは生命力が呼び覚まされるサインです。その時にあー、食べなきゃ!と急いで食べずに、しばしその空腹感を楽しみましょう。
また、そういう空腹時にこそフルーツを食べると、血糖値は多少上がりますが、ビタミンなどの吸収がとても良いです。 フルーツは、食後に食べると、他の食べ物と混ざって腸の中で発酵・腐敗してしまい、折角のビタミンが活かされないから、食前か食間がいいようです。
これらにプラスして、ビタミン・ミネラルを取るということが効果的になってきます。 毎回たらふく好きなものを食べて、はい、私はサプリもしっかり摂っていますよ、というのは、あまり意味がないということです。
あと、添加物を取らない、(慢性用)薬・悪い油系を取らない、ストレスをためない、などは、もちろん大事です。
腸が良くなると、体全体が健康になってきます。糖質を控えているのに、思うように痩せない、という人は、腸環境を疑ってみたらいいかもしれません。 野菜や果物からの食物繊維も毒素を一緒に排出してくれるものとして大切です。
あと、睡眠は、寝ている間に、脳が脳内の老廃物(AGE)のクリーニングサイクルに入っていることが最近の研究で分かりました。ですから、しっかりとまとまった睡眠を摂る事は、脳の健康と長生きにもつながってくるのです。
*病気にならない生き方より