糖質制限してもAGEは溜まります。
糖質制限でおなかいっぱいダイエットなど試そうものなら、糖質を食べない分、脂質やタンパク質を明らかに摂り過ぎる結果、コレステロール値が上がって心筋梗塞になったり、腎臓を悪くしたりする可能性が跳ね上がります。
AGE(終末糖化産物)測定器のTrūAgeスキャナー開発者である、
アンドレ・J・スミット医学博士が、
AGEのメカニズムについて紹介します。
AGEとは終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)、すなわち「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のこと。
強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされています。
老化というとすぐに思い浮かぶのはお肌のシミ・シワや認知症などかもしれませんが、それだけではありません。
AGEが血管に蓄積すると心筋梗塞や脳梗塞、骨に蓄積すると骨粗しょう症、目に蓄積すると白内障の一因となり、AGEは美容のみならず、全身の健康に影響を及ぼしていると言えます。
体のあちらこちらで深刻な疾病を引き起こすリスクとなるAGEを、体内に溜めない生活・減らす生活を送ることが大切です。
AGEは、2通りのしくみで体内に溜まっていきます。
一つ目は、体内でつくられるAGE。
血中のブドウ糖が過剰になってあふれ出すと、人間の体の細胞や組織を作っているタンパク質に糖が結びつき、体温で熱せられ「糖化」が起きます。
こうして「タンパク質と糖が加熱されてできた物質=AGE」ができるのです。
体内のタンパク質が糖化しても、初期の段階で糖の濃度が下がれば元の正常なタンパク質に戻ることができます。
しかし高濃度の糖がある程度の期間さらされると、毒性の強い物質に変わってしまい元には戻れなくなります。
もう一つは外から取り込むAGE。
「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」はいろいろな食べ物・飲み物の中にも含まれ、私たちは食事や間食として取り込んでいるのです。
わかりやすい例として、ホットケーキを挙げてみましょう。小麦粉(糖)と卵や牛乳(タンパク質)をミックスして加熱すると、ホットケーキが焼けます。
そして、ホットケーキ表面のこんがりキツネ色になっている部分こそが糖化した部分。ここにAGEが発生しているのです。
こうした飲食物に含まれるAGEの一部は消化の段階で分解されますが、約7%は排泄されずに体内に溜まってしまいます。
体内でできるAGEの量は、「血糖値×持続時間」で表すことができます。
血糖値が高いほど、体の中で糖とタンパク質が結びついて多くのAGEが発生します。そして糖にさらされる時間が5年、10年と長くなればなるほどAGEは溜まり続けるのです。
また、AGEを多く含む食べ物を頻繁に食べると、それだけ蓄積量が増えていきます。
内臓型肥満で、かつ高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの2つが当てはまる状態をメタボリックシンドローム、いわゆるメタボと呼びます。
AGEはメタボの早い時期から体の中でつくられると考えられています。
AGEは内臓脂肪を悪玉化させ、血糖値を上昇させます。そして血糖値が上昇すれば、AGEはそれだけ体内で多く発生する、という悪循環が生まれます。
肌のハリややわらかさを保っているのはコラーゲンなどのタンパク質です。
肌のコラーゲンは加齢により、長い歳月をかけてじわじわと体温で加熱されていきます。
そうすることでAGE化(糖化)が進み、太陽の紫外線も影響し、コラーゲンが変質すると弾力性を失いシワやたるみが出てきてしまいます。
またAGEは褐色のため、AGE化(糖化)が進むと、シワやたるみだけでなく、シミやくすみも発生してしまうのです。
コラーゲンは血管の内側の内皮細胞と外側の平滑筋細胞の間にも存在し、クッションのような役割を果たしています。
このコラーゲンがAGE化(糖化)すると血管の弾力が失われ厚く硬くなり、また血栓をつくりやすくし、全身の血管で動脈硬化を起こします。
動脈硬化が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞など深刻な病気に至ることもあります。
コラーゲンは骨にも多く存在しています。骨のコラーゲンがAGE化(糖化)すると骨の強度が下がり、骨粗しょう症になります。
またAGEによって破壊された骨はカルシウムとして血の中に溶け出し、血管の中で石灰化し、動脈硬化のリスクにもなります。
黒目の奥で光を調節するレンズの役割を果たしている水晶体は、クリスタリンというタンパク質でできています。
クリスタリンがAGE化(糖化)すると、紫外線による酸化とあいまって水晶体が白く濁り、白内障を起こします。
28日サイクルでターンオーバーする肌のコラーゲンや2~10年周期で入れ替わる骨のコラーゲンとは違い、クリスタリンは一生、新陳代謝されないタンパク質。それだけに、時間の経過とともにAGEが蓄積していきます。
脳内のタンパク質がAGE化(糖化)すると、その中にβアミロイドというタンパク質に変質するものが出てきます。
立体構造に変質したβアミロイドは組織に沈着しやすく、老人班と呼ばれる班点をつくります。
この班点が広がると神経細胞を死滅させ、アルツハイマー型の認知症を引き起こします。
糖尿病患者さんは、高血糖状態が続いているためAGEが大量に蓄積されています。
糖尿病の診断基準に用いられる「ヘモグロビンA1c」も実は、赤血球のタンパク質であるヘモグロビンが糖化してAGEに変化する一歩手前の中間糖化物質です。
そしてAGEは糖尿病の3大合併症と呼ばれる神経障害、網膜症、腎不全などにも悪影響を及ぼします。
短時間に一気に食べる早食いは、急激に血糖値を上げてしまいます。一口30回程度を目安に良く噛んで、ゆっくり食べましょう。
食物繊維を多く含む野菜やきのこ、海藻類を最初に食べることで糖質の吸収を抑えることができます。
ご飯やパンなどの炭水化物は後に回して、サラダや酢の物などから食べるようにしましょう。
食事は単品メニューではなく、主菜に副菜がつく定食スタイルがお勧めです。
血糖値の上昇によって満腹中枢が刺激されると、人は満腹だと感じます。
つまりお腹いっぱい食べたときは血液の中に糖があふれ出し、AGEがつくられているということです。食事の量は腹八分目に抑えましょう。
砂糖や果糖は体内に吸収されやすく、血糖値を異常に上昇させ、AGEを作り出します。
甘いものをどうしても食べたいときは、間食ではなく、食後のデザートとして食べるようにしましょう。
血糖値は食後1時間にもっとも上昇しますから、そのタイミングで軽い運動をすると血糖値の上昇を抑えられます。
食後20~30分後から、20~30分程度のウォーキングをするのが理想的です。ただし毎日続けることが大切ですから、ウォーキングに限らず掃除、買物、ストレッチなど、食後に体を動かすことを習慣づけましょう。
激しい運動は逆に血糖値を上げてしまうため、食後にはお勧めできません。
過度のストレスがあるとホルモンバランスが崩れ、血糖値を上げるホルモンが分泌されます。
つまりストレスはAGEを増やす原因になるのです。入浴、スポーツ、アロマテラピーなど自分なりのストレス解消法で、ストレスを溜めないようにしましょう。
AGEの多い食品
AGEは加熱してこんがり焼けたキツネ色の部分に発生します。このため「焼き目のついた食品はAGEが多い」ことを目安に覚えてください。
トンカツ、唐揚げ、ステーキ、焼き鳥など、揚げたり、焼いたり、炒めたりした動物性脂肪食品には特にAGEが多く含まれます。
また、ポテトチップスやフライドポテト、タバコもAGEが非常に多いため、できれば避けたいものです。
AGEの少ない食品
AGEは「タンパク質と糖が“加熱されて”できた物質」です。ですから、生野菜や刺身など生の食品はAGEの少ない食品と言えます。
AGEは、「加熱する温度が高いほどより多く発生する」という特徴があります。
揚げ物や炒め物は油の温度が170℃~200℃、オーブン焼きは200℃~240℃と高いため、AGEが大量に発生します。一方、ゆでる、蒸す、煮るといった調理法は水分を使うため100℃までの加熱に抑えられ、発生するAGEも少なくなります。
たとえば同じ鶏肉料理でも、焼き鳥は水炊きの6倍、唐揚げは10倍ものAGEが発生するのです。
揚げ物や炒め物ばかりを好んで食べると、AGEが体内に溜まっていきます。バランス良く食べることが大切です。
ジュースや炭酸飲料、お菓子、缶詰などの甘味づけに使われる人工甘味料は、ブドウ糖の10倍の速さでAGEをつくるため、とり過ぎないようにしましょう。成分表示に「果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「異性化糖」などと書かれている場合は、注意が必要です。
食品名(調理法) AGE値(ku/100g) 通常量(g)
牛肉(生) 707 90
牛肉(ステーキ/超レア) 800 90
牛肉シチュー 2,657 90
牛肉(ステーキ/フライパン) 10,058 90
牛肉(直火焼き) 7,497 90
フランクフルト(直火焼き) 11,270 90
フランクフルト(ゆでる) 7,484 90
ミートローフ 1,862 90
ミートボール 2,852 90
ハンバーガー 5,418 90
鶏肉(バーベキュー) 8,802 90
鶏肉(水炊き) 957 90
鶏肉(焼く/フライパン) 4,938 90
鶏肉(唐揚げ) 9,732 90
鶏肉(蒸し焼き) 769 90
鶏肉(丸焼きバーベキュー/皮つき) 18,520 90
ベーコン 91,577 13
豚肉(スペアリブ) 4,430 90
ソーセージ(生) 1,861 90
ソーセージ(焼く/フライパン) 5,426 90
鮭(生) 528 90
鮭(スモーク) 572 90
鮭(焼く/フライパン) 3,084 90
魚(鍋) 761 90
鱒(生) 783 90
鱒(焼く/25分) 2,138 90
エビ(冷凍を電子レンジ調理) 4,399 90
エビ(フライ) 4,328 90
チーズ(プロセス) 4,470 30
バター(スイートクリーム) 23,340 5
マヨネーズ 9,400 5
豆腐(生) 488 90
豆腐(軽くソテー) 3,569 90
豆腐(ゆでる) 628 90
卵(目玉焼き) 2,749 45
卵(スクランブルエッグ/1分) 173 30
卵(オムレツ/低温12分) 223 30
パンケーキ 2,263 30
ベーグル 167 30
フレンチトースト 850 30
ビスケット 1,470 30
ドーナツ 1,407 30
クッキー(チョコチップ) 1,683 30
米(生) 9 100
パスタ(ゆでる/12分) 242 100
きゅうり(生) 31 100
玉ねぎ(生) 36 100
トマト(生) 23 100
野菜(にんじんなどグリル) 226 100
バナナ 9 100
りんご 13 100
りんご(焼き) 45 100
干しぶどう 120 30
牛乳(4%脂肪) 5 250
ヨーグルト(プレーン) 3 250
りんごジュース(100%) 2 250
オレンジジュース(100%) 6 250
はちみつ 7 15
アイスクリーム 34 250
ワイン 11.2 250
コーヒー(ミルクと砂糖入り) 2.4 250
紅茶 2 250
しょうゆ 60 15
ケチャップ 13.3 15
「AGE」とは「タンパク質」が「糖化」してできた最終産物で、老化の原因物質と考えられています。体を作っている細胞やタンパク質がさびつくことが「酸化」ならこげつきが「糖化」ということになります。
このAGEが皮膚に溜まってくると、コラーゲンのぷりぷり感が損なわれ、肌はハリを失い、たるみやしわの原因ともなります。
AGEとは・・・「タンパク質+糖化+熱=糖化」 AGEの蓄積量は「血糖値×持続時間」で決まります。
1、この「AGE」は体内で毎日少しづつ作られます。
それはひとの体の多くはタンパク質でできています。そこに糖分を摂り、ひとの体温36℃で温められているのです。
これが「糖化する」ということになります。
2、また「AGE」を含む食品を摂取することで、そのうちの約7%が体内に蓄積されます。
実際に「AGE」を多く含む食べ物を多く食べている人ほど、体に「AGE」が溜まっている事も最近の研究でわかってきました。
3、タバコの煙もAGEの増加につながります。
AGE対策をすれば、アンチエイジングとダイエットが同時にでき、さらに体が健康になります。そういいことだらけです。
毎日食事制限をする必要もありません。3回に1回もしくは2回食事を気をつけるだけで10年後は大きな差がついてきます。
『AGE』は終末糖化産物とも呼ばれ、糖とタンパク質が加熱されることによって結合した物質です。体内にたまると、内臓、筋肉、血管、脳など体中の タンパク質の働きを低下させます。
『AGE』には、肌や血管を硬化させる作用と、RAGEと呼ばれる受容体(receptor for AGE)と結合することで、酸化ストレスや炎症反応などを引き起こす2つの作用があることが確認されています。
『AGE』が蓄積すると、動脈硬化やアルツ ハイマー病、がんや骨粗しょう症などの老年疾患の発症や、肌のシミ、シワなどの見た目の老化にも関わることから、『AGE』は老化をすすめる物質というこ とになります。
この『AGE』はちょっとした食生活の工夫で対策が可能です。例えば、『AGE』値の低い食品や調理法を選ぶ、また『AGE』を抑制する ものや排出してくれる食品をできる限り意識して取り入れるなどがあげられます。
10年後、20年後のため、今日から老化のスピードを抑える『AGE』対策 をはじめませんか。
『AGE』をためない食べ方と調理のコツ
コツ1
血糖値を上げない“GI値”の低い食品を選ぶ。
GI値とは、血糖値の上昇度合いを数値化したもので、数値が高いほど血糖値が上がりやすい食品ということ。
コツ2
食物繊維の多い食品から先に食べる。
食物繊維には食べ物の消化と吸収をゆるやかにして、食後血糖値の上昇スピードを抑える働きがある。
「食物繊維→タンパク質→糖質」の順番で。
コツ3
酢やレモンを使って、血糖値の上昇を抑える。
近年の研究により、酢にはダイエットや血圧低下効果のほか、食後血糖値の上昇抑制効果が示されている。
コツ4
ファーストフードはなるべくさける。
ハンバーガー、フライドポテト、清涼飲料水のセットメニューは、『AGE』制限の観点からすると最悪の組み合わせ。
どうしても食べたいときは、野菜サラダも一緒に注文して、先に食べよう。
コツ5
『AGE』を多く含む食品を食べ過ぎない。
高『AGE』食品を毎日食べ続けない、一度にたくさん食べ過ぎないように。
コツ6
“人工甘味料”の入った清涼飲料水はなるべくさける。
成分欄に「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」という表示があれば、『AGE』をためこむ元凶。
コツ7
箸置きを使い、時間をかけてゆっくり食べる。
早食いをすると、血糖値が跳ね上がる。食後の血糖値を急激に上げる食べ方をすると体内で『AGE』化が促進される。
コツ8
“蒸す・ゆでる・煮る”など、水を使って調理する。
『AGE』を増やさない理想的な調理法は、“生→蒸す→煮る→炒める→焼く→揚げる”の順になる。
コツ9
アンチ『AGE』食品を活用する。
食物繊維を豊富に含む、野菜や果物、ネバネバ食品を意識的に摂ろう。
特に、スルフォラファン、ビタミンC、E群、βカロテン、カルシウム、カリウム、鉄などが豊富なブロッコリーは、「アンチAGE食品」のエース的な存在。
他にはケルセチン、キチン・キトサン、イリドイド等が挙げられます。
コツ10
電子レンジを使った調理、温め直しは控える。
電子レンジはマイクロ波で食品の分子を振動させ高温状態になる。またタンパク質を変性させAGEをつくりやすくなる。
電子レンジによる長時間の加熱や温め直しはなるべく控えよう。
ヒトの体はほとんどがタンパク質でできています。また糖はヒトにとって必要な栄養素です。つまりヒトは『AGE』の蓄積をゼロにはできません。
『AGE』は一度できたら15年くらい体内にとどまり続けることがわかっています。
また、食べ物に含まれる『AGE』の7%は体内にとどまり、食事から 摂っている『AGE』は体内の『AGE』の3分の1にも相当するといわれています。
つまり『AGE』をコントロールするためには食生活の改善が必要不可欠なのです。
食生活を中心とした生活習慣の改善で、『AGE』の蓄積量を抑えることが老化のスピードを緩やかにすることにつながります。
特に40歳を過ぎると老化のスピードに差が出ます。
老化のスピードが早まる人は、若い頃の食生活の影響で『AGE』を体内にため込んできたと考えられま す。
40歳頃からメタボ、糖尿病、高血圧といった生活習慣病にかかる人が多くなるのも『AGE』の影響です。
病気と縁のない中年期を過ごし、健康的な老後 を送るために、AGEについて勉強して下さい。
現在センテナリアン(100歳以上)と呼ばれる人たちがなんと日本で6万5千人。 世界では45万人もいらっしゃいます。
100年前まで「人生50年」と言われていた言葉がそろそろ人生「人生100年」に変わりそうな勢いです。
このセンテナリアンの研究が進んでいます。 センテナリアンの人は「慢性炎症」の値が低いということが分かっています。
血液検査のCRPというでわかります。この値が低い程生存率が高いのです。
この「慢性炎症」を起こす原因の一つがAGEです。
他の研究ではセンテナリアンの糖尿病の罹患率は6%と低く、(70代の平均は約20%)糖尿病にかかると長生きできる確率も下がることになります。
最近話題の血糖値スパイクも血糖値のコントロールができれば恐くありません。
『AGE』を意識した食生活を実践することで、老化のスピードを抑え、健康寿命を延ばすことも可能になります。