食事は1日1食、夕食だけにしています。年齢とともに、基礎代謝は落ちてくる。ベストな体重を維持するには、食べる量を減らすしかない。そう考えて、40代で朝食をやめ、50代になる頃には昼食もやめました。1日1食なので、量はとくに制限せず、好きなものを好きなだけ、バランス良く食べます。甘いデザートも食べますし、お酒も飲みます。ただ、体質的に量はそれほど飲みませんね。
空腹の状態が長く続き、そこへカロリーをとると消化吸収のスピードが早くなって太りやすいという話を聞くことがあります。それはその通りなのかもしれませんが、言い換えれば、朝・昼・夜と3食食べていると、消化吸収の効率が落ちていると考えることもできます。3食食べてそのたびに消化吸収しなければならない状態は、内臓を疲れさせるようにも思えます。だから私は、1日3食は食べ過ぎで、むしろ1食の方が内臓の働きにとってもいいと信じています。消化吸収の効率が高まって太ることを気にするよりも、1日の総摂取カロリーを減らすことの方が大事だと思うんです。
もちろん、空腹をまったく感じないわけではありません。14時から16時頃はやはり、空腹感がありますね。でも、この空腹感は「ハングリーハイ」を経験することで乗り越えられるようになります。
空腹を感じるのは血糖値が下がってきて、脳が「そろそろ食事をして補給しなさい」と信号を出しているからだといわれています。だから、空腹感を克服するには、その信号をコントロールすれば良いと考え、いろいろなことを試してみました。
その経験上、最も効果があるのは、重要な考え事をするということ。難しい話題で議論するのもいいですね。要するに、ほかのことに集中していると、脳の信号が発信するのをあきらめるのか、空腹感がおさまるのです。そうなると、脳がセービングモードに入ったような感じで、頭がスッキリとします。私はその状態を「ハングリーハイ」と呼んでいます。だいたい17時から19時くらいまでがハングリーハイになる時間帯ですね。
ハングリーハイのときは空腹を感じないし、思考もクリア。一種の快感状態なんですね。このハングリーハイの快感を知ってしまえば、空腹はある程度コントールできるようになりますよ。空腹を乗り越えてハングリーハイになれたときは、「自分の脳の信号に勝った!」みたいな達成感を味わえます。これが完全にコントールできるようになれば、仙人になれるんじゃないかなと思っています(笑)。
私は食事、睡眠、運動のほかに、ストレスのコントロールも健康管理には欠かせないと思っています。そのために掲げているのが「3ない主義」です。
3ない主義とは「出たくない会議には出ない」「会いたくない人には会わない」「行きたくない会食には行かない」の、3つの「ない」をできるだけ実践するというもの。とくに会食は、自分が楽しいと思えるもの以外はほとんど断っています。
年を重ねるごとにどんどんわがままになっていて、周りにも迷惑をかけていると思いますが、ストレスマネジメントはそうしてでもやらねばならない重要な課題なので、割り切って自分のしたいようにしています。
何かを犠牲にしないと、心身の健康は得られない。それぐらいの気持ちでね。
40代で不整脈があったのも、ストレスの影響が大きかったのではないかと思います。3ない主義で自分にとって意味のない我慢をするのをやめてからは、ほとんど出なくなりました。