安保氏は長いこと高血圧を患っておられたということです。
また、私が彼の著書を読んでいて気になったのが、彼がガンをはじめとする病の原因はたった二つ、「ストレス」と「低体温(&低酸素)」だとしていること。
食生活は実は第一義的原因にはない、と言われていました。
また、食生活に気を使い過ぎて体を「甘やかした」生活をしていると、逆に免疫が下がるので、あえてケーキなどの「悪いもの」を食べたり、時に「暴飲暴食をして」体を鍛える方が良い、現に私もそうしている、とおっしゃられていました
(実際彼を間近で観察していた人の話によると、彼は連日の懇親会で寿司や揚げ物を食べたり、コーヒーに砂糖をたっぷり入れたりしていたそうです。また、内診させてもらうと、動脈の内膜糖化が三ヶ所あったそうです。)
そうかとその時私は思っていたのですが・・ストレスや低体温が病気につながるのは確かですが、食事が二の次なのはおかしいと思いました。
実際、糖質過多の食事を慢性的にしていると、
血糖値が上がり、インスリン・ホルモンが出動する
➡ 糖を脂肪細胞に貯蔵する際に、インスリンが血管の内側を傷つけていく、ということが毎回起こります。
それが続くとーー
血管の糖化(=血管がどんどん柔軟性を失って硬く、脆くなること)が進み、心血管系の疾患(動脈硬化、高血圧、血栓、心筋梗塞、そしてこの大動脈解離など)につながっていくというわけです。
高血糖の食事が招くのは、糖尿病やガンだけではないのです。
ここで、高血糖の食事、と言いましたが、全ての糖質を避けろと言ってるわけではありません。
食物繊維を含んだイモ類、根菜類、果物は、食物繊維が血糖値の上がり方を緩やかにしてくれますので、すでに糖尿病、がん患者などでない限り、食べても良い糖質です。
避けるべきは、糖がむき出しにされて繊維質のほとんどないもの(ジュース、ビール、砂糖菓子、白米、小麦粉食品など)です。
これらは、血糖値を急激に上げて血管を毎回もろに傷つけていきます。
そこで起こった高血圧、高コレステロールを、医者は薬で下げようとしますが、この食生活を改めないで、それだけを下げても不自然なことは、これを見てお判りでしょう。
原因があるから体はそう対応しているのに、結果だけを無理やり変えて原因を変えなければ、もっとおかしなことになるのは自明の理です。
例えば、コレステロールは傷んだ血管の絆創膏として駆けつけてその場にいるのに、それを無理やり引っぺがすようなスタチンを投入しているわけです。
これから年末年始、ごちそうを食べる機会も増えると思いますが、皆さんには、そういうことも踏まえた上で、臨んでいただきたいと思います。