ガン治療として高濃度ビタミンC点滴治療は健康保険が適応されなく治療・検査・処方の全てが自費診療となるのが負担ですが、現状の治療が無効の方や食事療法しても時間が掛かる方に推奨します。
先にビタミンC大量投与の歴史ですが、今から48年前にノーべル化学賞・平和賞受賞者のライナス・ポーリング博士らが、末期がん患者にビタミンCの大量投与が有効であると発表しました。(アメリカ)
しかし、経口投与の高用量ビタミンC内服投与による試験では有効性が立証できませんでした。
彼の死後10年以上を経た2008年、高用量ビタミンCを点滴投与することで、抗ガン作用が出る血中濃度にまで上げることができ、ガン細胞の成長を抑制させる効果が認められました。
つまり経口投与では、たとえ高用量でも満足な血中濃度に至らない、ということです。
逆に言えば高濃度ビタミンCの有効性は点滴しかないというものでした。
現在世界中の大学での研究で点滴された高濃度のビタミンCは、
作用①として体内で大量の過酸化水素を発生させ、ガン細胞だけを攻撃し、正常な細胞はカタラーゼという酵素により、水と酸素に分解され、無害になる。
作用②はHif-1を阻害し、分子標的薬と全く同じ機序で腫瘍栄養血管を細らせてガンを叩くことがわかっています。
高濃度ビタミンC点滴は抗ガン効果が期待できるだけでなく、従来のガン医療に見られるような免疫力の低下や吐き気、食欲減退などのつらい副作用もありません。
国際人間機能改善センターでは15年間に3万件の治療が実施され、死亡例はなく、副作用は非常に少ないといわれています。
注目すべきは、体のだるさ、食欲低下、吐き気、痛み、不眠などが改善し生活の質(QOL)が良くなることです。
『実際の治療』
①「高濃度ビタミンC点滴療法」は主にアメリカで研究が進められているガン治療法です。
アメリカ国立衛生研究所が高濃度ビタミンC点滴療法の標準治療法と認可しているリオルダンクリニック(Riordan Clinic)のプロトコル(The Riordan IVC Protocol)を元に日本で実施が始まりました。
日本で最初に高濃度ビタミンC点滴療法を導入された、点滴療法の第一人者はFBFの柳澤厚生先生です。
②高濃度ビタミンC15gの点滴から開始し、増量して最終的に1回50~75グラム前後を点滴します。
週に2回、3ヶ月間を1クール(単位)とするのが基本です。
③「高濃度ビタミンC点滴療法」は代替医療のひとつで、研究段階の治療ですのでガン専門医の全てがこの治療方法を支持しているわけではなく、否定的な意見もあります。
④下記の場合に高濃度ビタミンC点滴が推奨になります。
●標準的ガン治療(手術・抗ガン剤・放射線治療など)が無効な場合に
●標準的ガン治療の効果をより高める方法として
●標準的ガン治療の副作用を少なくする方法として
●有効な治療法が確立されていないガン疾患に行う方法として
●副作用でガン治療が継続できない場合に行う方法として
●良好な体調を維持しながらガン治療を継続する方法として
●代替医療を希望される場合に
⑤禁忌(きんき)、以下の場合はこの治療ができません。
●末期の心不全、腎機能低下の方は水分やナトリウム過剰によって病状の悪化をきたすことがあります。
●G6PD欠損症の場合は溶血をおこすことがあります。治療開始まえにG6PD欠損症の検査をお受けになることをお勧めいたします。
最後に注意点
①高濃度ビタミンC点滴療法の認定医制度で基礎から学んだ先生を選ぶ事。
②ビタミンCは常温だと酸化します。日本製は室温保管が普通で、製造から点滴まで冷蔵保管の海外製でないとダメです。
*ビタミンCのはたらき
①抗腫瘍効果(副作用がない)
②免疫力が上がる(リンパ球の活性化)
③コラーゲンが増える(増殖・移転の抑制)
④活性酸素を抑える(抗酸化作用)
⑤毒を体外に出す(キレート作用)
⑥アレルギーを抑える
⑦ウイルスを抑える
⑧炎症を抑える
⑨生活の質が改善