太陽系のあらゆる生物のエネルギー源は、太陽エネルギーです。
しかし、動物は、この太陽エネルギーは直接、摂り込むことはできません。
そこで登場するのが「生産者」としての植物です。
つまり、葉緑素を持つ植物は、太陽エネルギーと二酸化炭素、そして水とで「光合成」を行い、有機物(複合炭水化物)と酸素とを生産いたします。
人間も生物ですから、太陽エネルギーを摂りこむためには、生産者である「植物」を摂取しなければなりません。
故に、人間を始めとする動物は「消費者」に過ぎません。
この「消費者」も二つに分かれます。
「植物」をいただく草食動物。
もう一つは、この草食動物を食べる肉食動物です。
これらの生物が出す排出物や死体を土壌中の「微生物」が「分解者」として分解作業をして、二酸化炭素や水、無機栄養塩を作り出します。
これが「植物」の土壌となります。
これらの「生産者」「消費者」「分解者」から、「大自然界における生産と消費、そして分解の循環」が成立いたします。
これが基本となり「食物連鎖」と呼ばれています。
つまり、葉緑素を持つ「植物」は、その「体内」に、太陽エネルギーを「転換」させた「複合炭水化物」を蓄積させています。
人間は、この「植物」「複合炭水化物」である「穀物や野菜」を食べることでしか、太陽エネルギーを摂りこむことはできません。
一般的には「炭水化物」と呼ばれていますが、正確に言いますと「複合炭水化物」です。
この「複合炭水化物」には、
・炭水化物
・粗たん白
・類脂肪
・各種ビタミン
・各種ミネラル などが含有されています。
「粗たん白」は、腸内で「腸内細菌」や「酵素」の作用を経て「たん白質」に転換され、
「類脂肪」は、同じような作用を経て「脂肪」に転換されます。
これで、人間に必要な栄養素が腸内で全部、揃います。
草食動物である「牛」が牧草だけから、あの大きな体躯を創り上げている「秘密」がここにあります。
牛は大型動物ですが、走る速度は遅く、足の爪も平爪ですから、動く動物を捕獲できません。
たとえ捕獲しても、あの平らな歯では捕食ができません。
獲物は、スルリと身をかわして逃げ去ります。
ですから、動かない草(植物)を食べます。
草だけで、あの大きな体(体たんぱく)を作ります。
さて、人間はどうでしょう。
走る速度、手の爪、咀嚼する歯、 すべて牛と同じです。
捕獲し捕食できるのは、昆虫くらいです。
人間も動かない「植物・草」を食べるしかありません。
牛と同じで、人間の「食性」は草食です。
更に、人間の歯の6割は臼歯で穀物を磨り潰すための歯です。
穀物を主食にするようにできています。
さて、脳が大きくなり過ぎた人間は、狩用道具を作り、罠を作り、動物を捕獲することができるようななりました。
これは文化(食文化)。
火を発見利用し、料理道具を作り、料理したものを食べるようになりました。
これは文化(食文化)。
植物が成らない寒帯に移動した人間は、代用食として、動物の肉を食べ、動物の乳を飲用するようになりました。
これも文化(食文化)。
自然 ( 食性 ) に回帰します。