食や健康の発信をしていると、必ず会って言われるのが「そんなこと言ってたら食べるものがない」、「家族が多いからお金が続かない」というような内容です。
確かに、我が家も食費は家計を圧迫してきました。
しかし、私がいつも疑問に思うのは、そういう人に限って少しでも体調が悪いときには病院代や薬代にはいともたやすくお金をかけることです。
ちょっと熱が出た、頭痛がする、ここが痛い、調子が悪いなどで、原因は何かを追及する前に、すぐに病院に出かけ、薬をもらい、それなりのお金を払います。
そして、運が悪ければ、晩年は現代病を患い、多額の費用を病院に貢ぐことになるかもしれません。
私は、日々の生活スタイルはすべて未来への投資だと考えています。
本を買って読む、服を選んで買う、質にこだわった食事をする、自然に近い育て方をした食材を買う(=農家さんへの投資)、寝る、笑う、排泄をする、人に会うなど、これらすべて投資だと思えば、多少の足が出ても自分に納得ができます。
近代社会・文明は、便利さ・技術・効率の良さなどにより、私たちに豊かな生活を与えてくれました。
その十分すぎるほどの恩恵の中で、時に私たちは考えることや本質的なことを忘れてしまいがちです。
私たちの身体(體)は今まで食べてきたものから出来ています。
文明は人間を物質主義に偏らせてしまうことがあり、中身よりも見た目を重視し、食費を削って物欲の方を満たそうとします。
極端な話、食費を削るために、昼ご飯は上手にやれば1個100円のパンで済ませることができるのです。
しかし、おそらくこれではいつの間にか体に異変が起きることでしょう。
毎回物欲を抑えて食費にお金をかけろと言っているのではありません。
食事を投資と考えることで、余計な食品を避け、必要なものや良質なものを選ぶようになり、最終的に体の燃費が良くなれば将来食費も浮くかもしれません。
かりに足が出たとしても、ある程度将来の健康が保障されるのなら、安い買い物かもしれません。
私たちの身体は遠い先祖から引き継いだ賜物であり、将来の子孫への良き見本になる必要があるのです。