風邪薬や対症療法薬はダメ、発熱、吐き気、下痢、じんましん、頭痛など、治すために出ているモノであり、抑えてはいけないのです。
一言で表現するなら「食うな、動くな、寝てろ」になるのですが、これだと不安に思う人もいるようですね。不安=学んでないだけなのです。
まずこのような感染症になった時重要なのは食べないことです。
動物もそうしますが食べることは体に負担にもなります。食べていない時に体は免疫を高め酵素を活用し治そうとします。病院で胃腸炎の時に絶食にするのも理屈は同じです。
ただしここで重要なのは水とミネラルはしっかり摂ることを勧めたいということです。
老人でも子どもでもそうですが、感染症の時に困るのは脱水とミネラル不足、それに続発する意識障害などです。よってしっかり温まりながら水とミネラル(具体的には天然塩)をとって様子を見るのが一番良い。
梅干し、レモン、生姜、味噌などをうまく使うのもありです。解熱薬は体温が42度に達するまでは使う必要はありません。咳止めや吐き気止めや下痢止めはもちろん悪くなったり治癒期間が延長するので、吐くときは吐く、下痢はしっかり出して、その分の水分やミネラルを補充するのが重要です。
この治癒期間を短くしたいときは自然療法、栄養療法、ホメオパシー、漢方などをうまく使えばよいでしょう。
お風呂については私は勧めませんので、汗をかいてもしっかり汗を出し切り汚いとか考えないのも重要です。
回復期になると食欲が出てきますから、直接糖を避け、揚げ物や植物油を避け、野菜も避けてください。野菜が意外と思う人がいるかもしれませんが、もともと野菜が消化に悪いのは常識的なことです。
回復期をすぎたら、雑食で偏った食事をせず栄養豊富なものを食べてください。
最後にどのタイミングで西洋医学を使うのかをご紹介します。
一番は意識障害がみられるときでこれは脱水の危険があります。
また長引いて痰などが変調し呼吸障害が出てきたときは、当然肺炎などの可能性があるので病院に行っていいでしょう。
あとは吐下血などがある時ももちろん病院に行っていいですし、急に途中で腹痛が強くなったり、便などが逆に出なくなっているとき(腸閉塞など別の要因の可能性がある)も病院を利用するのは構いません。
西洋医学の利点は救急であり重症時の対症療法であることを忘れないようにしましょう。
*NPO法人 薬害研究センター 理事長、Tokyo DD Clinic 院長、NPO法人 薬害研究センター 理事長
「風邪」=病気ではなく、体の不調の9割を治してくれる貴重な存在! 「風邪は病気ではなく治療行為」
風邪は、からだの重心のバランスが偏ってきたとき、それを整えようとしてひくものだからです。
「風邪は治すものではなく、経過させるもの」
この考え方は整体の基本だそうですが、自然療法や冷えとり健康法の考え方も同じですね。風邪ひき上手になると、蛇が皮を脱いだようにサッパリし、新鮮な顔つきになります。
風邪の効用はまた、すでに病気がある人はそれを機会に治ってしまいます。
自然療法を研究している私も、この本を読んで風邪の引き方が変わりました。
「風邪を途中で中断させてはいけない」と言います。中断させるというのは、薬を飲んで症状をおさえることです。
そうはいっても、風邪で発熱した時、からだがとても痛みますし頭痛が起こることもあります。咳や鼻水などの症状がつらくて眠れないこともあります。
大人なら我慢できても、子供が熱でつらそうな姿を見るのは親もつらいものです。
風邪を引いた時、薬はほんとうに必要ないのでしょうか。
せきにしろ、頭痛にしろ、とてもつらそうだったら薬を与えることもやむを得ませんが、頭痛にはいくらか効果があるものの、せきや鼻水に対しては薬もあまり効かないのです。
薬を飲まないで、水分は十分にとってからだを休め、かぜが通り過ぎるのを辛抱強く待つというのが、かぜに対する最良の治療法といえるでしょう。
気になるのは発熱した時の解熱剤の使い方ですが、解熱剤を使って体温を下げると病気が長引くかどうかを調べた研究があります。
水痘(水ぼうそう)にかかった子どもがアセトアミノフェンを飲むと、偽薬(砂糖でできた錠剤)を飲んだ子どもより、治るのは平均して約1日かかったという研究があります。
つまり解熱剤を使った方が約1日長引くという結果だということです。
しかし、解熱剤には不快な症状を軽くしようという目的もあるわけです。そういう時は、熱が1日長引くのを覚悟して熱の下がり方がおだやかな薬は使ってもよい。
熱と汗を出し切ってくれる万能な第一大根湯 風邪をひくと、熱が出て、汗をかきます。
熱はからだのバランスを整え、汗は、いらないものの排泄です。
だから、風邪を上手にひけば、からだの大掃除となり、経過した後にすっきりします。無理にくすりで抑えたりせず、自然に経過するのを待つ、と考えるのです。
汗でも熱でも、必要があって出るのですから、その現象をまっとうさせるのです。
発熱した時に解熱・発汗をうながしてくれる第一大根湯という飲み物があるのをご存知でしょうか。
大根のしっぽの方をすりおろし、しょうがのすりおろし、醤油を熱々の番茶で割ったものです。第一大根湯を飲むと、体がゴゴゴゴゴー!と温まってくるのがわかります。
この第一大根湯を飲んで、熱が高い場合はそのあと40分ほど、頭まで布団をかぶって汗を出します。
汗が出ない場合はもう一度第一大根湯を飲み、同じことを繰り返してください。大根には消化を助ける作用が強く、さまざまな使い道があります。
血液を粘らせている過剰なタンパク質を分解・消化する酵素もありますので、腎臓の機能が正常に戻り、むくみが解消。病気を悪化させるウイルスや過剰タンパクを消してくれる効果も期待できます。
私はこの第一大根湯の効果のすごさを何度も体験していて、風邪で発熱した時以外にも、側頭部の頭痛がスーッと引いたり、耳鳴りが治ったり、便通が1日で10回くらいあったりとデトックス祭りが必ず開催されます。
ただ、夏場に風邪を引いた時に大根が手に入りにくいのが難点で、そういう時は大根以外のしょうが、しょうゆ、番茶に梅干しを入れたりしてあるものでなんとか作ってみます。
今まで薬に頼っていたり体が陰性に傾いている人は飲んでもすぐに効かない場合があります。
汗が出たり体がポカポカしてくるまで、朝昼晩と飲み続けることが自然療法では大切だと思います。
風邪をひいて高熱が出た後、いったん平熱以下に下がるときがあります。高熱が出ているときは入浴しても動いてもいいのですが、平熱以下に下がったときは安静にしていなければいけません。
平熱以下に下がった時に動くと、二次的な異常を起こします。いわゆる「風邪をこじらせた状態」になります。
平熱以下に下がった時をどのように計るかというと、体温計でもいいのですが、布団の中で脈をはかるという方法もあります。
正常な脈は1分間に78から80で、それ以下だったら平熱以下、80以上だったら平熱以上とみなします。人によって脈の数は変わってきますが、正常なときは1息4脈だそうです。私も熱が下がって朝を迎えたときには、いつも脈をはかります。
1分間に脈が78以下の時は、正常に戻るまでじっと布団の中で待ちます。脈を計ることで、体が安静を欲しがっているのもわかるようになりました。
風邪はからだがアップグレードをする良いチャンス
大事なのは風邪を自然に経過させること。風邪を薬を飲まずに経過させることができれば、からだの重心を整えてくれたり、古い病気を治してくれる「風邪自体が治療行為」となってくれます。
私自身、以前は頭痛、鼻づまり、体のかゆみ、じんましんなどの不調がありましたが、風邪をじょうずに経過させることができるようになって、ありとあらゆる痛みや不快な症状がない状態です。
風邪をひいてもパッと高熱が出て1日で治るようになりました。
今まで薬に頼っていたり、体が陰性に傾いている人は突然風邪を自然に経過させようとすると時間がかかるかもしれません。
もし土日などのお休みにかけて風邪をひいたら、ぜひ薬を飲まずに風邪を経過させてみることに挑戦して欲しいです。
風邪を厄介な、面倒なものと思わずに「そろそろアップグレードの時期か」と考えるのはどうでしょうか。風邪が憂鬱なものからちょっと楽しみになりませんか?
風邪を経過させた後の体のサッパリ感、ぜひあなたにも体験してほしいと思います。