昔から「冷えは万病のもと」と言われるように、身体を冷やすことは健康にとって好ましくありません。
逆に、身体を温めることは、血流促進による冷え症改善、心身のリラックス、発汗による新陳代謝アップなど、様々なメリットがあります。
そんな中、注目を集めているのが、ヒートショックプロテイン(HSP)の存在。
ヒートショックプロテインとは、細胞内の傷ついたタンパク質を修復してくれる成分を言い、別名「ストレス防御たんぱく」とも言われています。
また、免疫細胞の働きを強化したり、乳酸の発生を遅らせるなどの力も持っています。
つまり、カラダにとってはとてもありがたい存在で、HSPが増えることは、「カラダを元気にする」ことにつながっているのです。
ヒートショックプロテイン(HSP)とは、傷ついた細胞を修復するタンパク質のこと。
免疫力を高めて病気を未然に防いだり、コラーゲンの減少を抑制したり、代謝を活発にして脂肪を燃やしたりと様々な効果があり、美容はもちろん医療の分野でも注目されています。
そもそも、人間の身体のあらゆる組織や細胞がタンパク質で構成されています。
しかし、タンパク質は傷つきやすい性質であり、過度なストレスを受けると正常な働きができなくなってしまうのです。
一方で、タンパク質が傷つくと、それを修復するタンパク質が生まれます。
それが、HSP。 自己回復力を高めるこのタンパク質が増えれば、美容にも健康にも好ましい効果が見込めるというワケです。
ヒートショックプロテインは年齢とともに減少する
ヒートショックプロテインは、もともと私たちの体内にも存在しています。
しかし、年齢とともに体内のヒートショックプロテインは減少していきます。
年齢ともにケガが治りにくかったり、体調を崩すとなかなか治らないのは、ヒートショックプロテインが減少していることが関係しています。
ヒートショックプロテインは代謝にも関係しているため、年齢とともに太りやすくなるというのもこの減少が影響していると言われています。
ヒートショックプロテインは熱ストレスで増える
HSPは、体温が38度くらいまで上げ保温することによって体内で作られますが、もともと平熱が低い人が、いきなり38度まで体温を上げるのは難しいですし、身体にも余計な負担がかかってしまいます。
ですからまずは自分の平熱を知り、平熱プラス1.5度アップを目差しましょう。
増加したHSPは1週間ほど体内に残り、その力を発揮します。
HSPのパワーがピークを迎えるのは、2日後といわれているので、「元気になりたい日」から逆算して試してみるのもいいでしょう。
ちなみにHSPを増やすのは、週に2回の割合でOK。
免疫力がアップするため病気の予防になる
体が温まると、血行やリンパの流れが良くなります。
リンパの流れがくなると、リンパ球が増加し体内に入った細菌などを退治してくれます。
その働きによって、免疫力もアップします。
代謝がアップして痩せやすい体になる
ヒートショックプロテインが増えると代謝がアップします。
ヒートショックプロテインは、傷ついた細胞を修復する働きがあります。
筋肉や各器官などの細胞も修復してくれるため、基礎代謝自体が上がり痩せやすい体に繋がります。
特に、筋肉は「傷つく→修復する」を繰り返すことによって発達していくので、ヒートショックプロテインがないと筋肉は発達しません。
また、各器官もヒートショックプロテインで修復されることで活発に動くことができます。
各器官や筋肉がしっかりと働くことで、代謝も上がり痩せやすい体になります。
疲れにくい体を作ってくれる
年齢とともに、疲れを感じやすくなったり疲れが抜けにくくなったりします。
これは、ヒートショックプロテインが減り細胞の修復が遅くなるためです。
ヒートショックプロテインは、細胞の修復だけではなく疲労があると分泌される乳酸の産生を遅らせる働きもあります。
ヒートショックプロテインが減少していると、筋肉の修復が遅くなるだけではなく疲れの物質である乳酸も出てくるため、疲れやすい体になってしまいます。
◇HSPの効果 病気の予防
HSPは免疫細胞の一種であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化させる働きがあります。
NK細胞はがん細胞や病原菌を発見し退治する細胞ですから、体内にウイルスが侵入しても病気が発症しにくくなるのです。
また、HSPそのものも、がん細胞と結合して自身ががん細胞であることを指標(専門的には提示抗原と言います)するのだとか。
これにより、小さながん細胞をNK細胞が発見できるようになり、より効率的に駆逐することができるそうです。
◇HSPの効果 美肌効果
HSPは、肌を若返らせる効果もあります。 具体的には、メラニンの生成を抑える。
紫外線による細胞へのダメージや炎症を抑制する。 紫外線によって傷ついた皮膚のDNAの修復を促進する。
コラーゲンの質の向上、産生量を増加させる。 コラーゲンの分解酵素を抑制する、などなど。
HSPには種類があり、HSP47はコラーゲンと結合して変異を修復し、HSP70は紫外線ダメージによるシミ・シワを予防・修復します。