間欠的ファスティングは、古代からの健康の秘宝です。
歴史の中で繰り返し行われてきました。
ものすごい力を秘めているのですが、事実上忘れ去られているので秘宝なのです。
しかし、現代社会では多くの人がこの食への関与を見直し始めています。
もし、正しく行われれば、減量や2型糖尿病からの回復、カラダの代謝エネルギーを増加するなど、大きなメリットがあるからです。
この初心者ためのガイドだけでも、知りたいことすべてを学ぶことができるでしょう。
はじめに 生活の自然な一面
間欠的ファスティング 飢餓とは違うの 違います。
ファスティングはとても大事な一点で飢餓とは異なります。
それはコントロールできることです。
飢餓の場合、食事を自由にすることはできません。
コントロールどころか、どうするか考える余地すらありません。
一方ファスティングは、精神的、健康的、またはその他の理由で、自らの決断で食事を止めることなのです。
食べ物は簡単に手に入るのに、食べないことを選択します。
数時間から数日のものや、終了まで数週間に及ぶものまでありますが、あなたがその長さを自由に選ぶことができます。
自分で決めた時に、いつでもファスティングを始めることが出来ますし、自由に終わることもできます。
どんな理由でも、ファスティングを始めたり、止めたりできます。
ファスティングには決まり決まった期間はありません。
単に食事をしないだけだからです。
「食べない時間」は、いつでもファスティングしています。
たとえば、夕食から翌日の朝食の間の12時間から14時間はファスティングしています。
そういう意味では、ファスティングは日常生活の一部です。
おそらく、最も古く、想像絶するほどパワフルな食事への関与です。
「break fast」という言葉を考えて見てください。
これは毎日行われる「fast(ファスティング)」を「break(破る)」食事を意味します。
過酷で珍しい罰ではなく、この英単語の意味から、もし短い時間であったしても日々ファスティングを行っていることは暗黙の了解でしょう。
ファスティングは変わった、珍しいものではなく、日々の日常生活の一部なのです。
おそらく、最も古く、想像絶するほどパワフルな食事への関与と言えます。
しかし、どういうわけか我々はその素晴らしい力を忘れてしまい、治療への可能性を無視してきました。
正しいファスティングを学ぶことで、行うのか、行わないのかの選択権をあなたは得ることが出来るのです。
間欠的ファスティングはどのように作用するでしょう
とても重要なことです!
ファスティングで、簡単に余分な体脂肪を燃やすことができます。
これは普通のことなので、ヒトが健康に悪影響をもたらすことなくファスティングを行うことで進化してきたことを知ることが大切です。
体脂肪とは、単に貯蔵している場所を変えただけの食べ物から得たエネルギーなのです。
もしあなたが食べなければ、カラダは体脂肪をエネルギーとして単に「食べる」だけなのです。
生きるためにはバランスが必要です。
良いこと悪いこと。
陰と陽。同じことが「食べる」ことと「食べない(ファスティング)」ことにも当てはまります。
結局、ファスティングは単に「食べる」ことのコインの裏側です。
あなたが「食べない」のなら、それはファスティングしているのと同じことです。
ここでは、どのように作用するかをお話します。
食べるとすぐに使用する量よりも、よりたくさんのエネルギーを食ベ物から得ることになります。
このエネルギーの一部は、あとから使用できるように貯蔵しておきます。
インスリンは食べ物をエネルギーとして貯蔵するのに関係する重要なホルモンです。
食べる → インスリン増加 → 肝臓で糖質を貯蔵、肝臓で脂肪を合成
食べるとインスリンレベルは上昇し、余分なエネルギーを2つの別々の方法で貯蔵するために作用します。
ブドウ糖はグリコーゲンと呼ばれる長い鎖に連ねられ、肝臓に貯蔵されます。
ただし、その貯蔵スペースは限られているので、満タンになると肝臓は余分なブドウ糖を脂肪に変え始めます。
この手順は、脂肪合成(新しく脂肪を作ることを意味)と呼ばれています。
この新たに作られた脂肪の一部は肝臓に貯蔵されますが、そのほとんどは他の部位にある脂肪の貯蔵スペースに運ばれます。
これは、より複雑なプロセスとなりますが、合成可能な脂肪の量には制限はありません。
このようにカラダにはお互いに協力し合う食べ物から得たエネルギーを貯蔵する2つのシステムが存在します。
1つは簡単にアクセスできますが、貯蔵スペース(グリコーゲン)が限られており、もう1つはアクセスするのが難しいのですが、無限の貯蔵スペース(体脂肪)があるのです。
食べ物がない「ファスティング」 → インスリン減少 → 貯蔵された糖、脂肪を燃やす
食べない(ファスティング)と手順が逆になります。
インスリンレベルは下降し、カラダに貯蔵エネルギーを消費し始めるように指示します。
血糖値が下がるので、貯蔵スペースからすぐにブドウ糖を引っ張り出し、エネルギーとして燃焼させなければなりません。
グリコーゲンは、最も簡単に手に入るエネルギー源です。
ブドウ糖に分解され、肝臓から他の細胞にエネルギーを供給します。
これは、24時間から36時間カラダを動かすのに十分なエネルギーを供給できます。
その後、カラダはエネルギーとして脂肪を分解し始めます。
したがって、カラダには「食べる時間」(インスリン高値)と「食べない時間」(インスリン低値)の2つの状態しか存在しません。
食べ物をエネルギーとして蓄えるのか、それとも燃やすのか、どちらか片方しかありません。
もし「食べる時間」と「食べない時間(ファスティング)」のバランスが取れていれば、体重の増加は全くありません。
もしベッドから起き上がるやいなや食べ始め寝るまで食べ続けているのであれば、ほとんどの時間、餌付けされ生活しているようなものです。
時とともに体重は増えるでしょう。
食べ物から得たエネルギーを燃やすことはありません。
そのバランスを取り戻すため、または体重を減らすために、単に食ベ物のエネルギーを燃やす時間を増やす必要があります(ファスティングする必要があります)。
ファスティングとはカラダに蓄えられたエネルギーを使用することです。
結局、これが真実なのです。
理解しておくべき重要なことは、それが「間違いない」ということです。
これがカラダを作っていく方法なのです。
これが犬、猫、ライオン、クマが行っている野生の生活なのです。
ヒトとしての生活なのです。
もし、欲求に負けて絶えず食べる生活をすると、単に入ってくる食べ物から得たエネルギーを使うだけで、体脂肪を燃やそうとはしないでしょう。
脂肪として貯蔵するだけです。
食べ物が無いときのために貯蔵をするのです。
これは著しくバランスを崩しています。
ファスティングしていないのですから。
間欠的ファスティングのメリット
ファスティングの最も素晴らしいメリットは体重を減らすことです。
しかし、他にも多くのメリットがあり、その多くは古代から広く知られたことでした。
ファスティングはしばしば「クレンズダイエット」や「デトックス」、「浄化」などと呼ばれてきましたが、健康上の理由からある一定の期間食べ物を食べないようにするという考え方は同じです。
人は、食ベ物を禁じるこの期間が毒素を浄化し、若返らせると考えてきましたが、想像していた以上にそれは正しかったのです。
ファスティングのカラダへのメリットは
・精神を研ぎ澄まし、集中力を向上させる
・体重と体脂肪の減少
・インスリンレベルと血糖値の低下
・2型糖尿病からの回復
・代謝エネルギーを増やす
・脂肪燃焼の改善
・成長ホルモンの増加
・血中コレステロール低下
・アルツハイマー病の予防(の可能性)
・より寿命を長くする(の可能性)
・オートファジーを刺激することによる細胞浄化の活性化(の可能性)
・慢性炎症の軽減
ファスティングは、普通の食事では得られない数多くの重要なメリットを与えてくれます。
食事は生活を複雑化しますが、ファスティングは単純化します。
食事はお金がかかりますが、ファスティングはタダです。
食事には時間がかかりますが、ファスティングは時間の節約になります。
食事は場所を選びますが、ファスティングはどこででもできます。
食事によって効果は変わりますが、ファスティングには疑いようのない効果があります。
インスリンを下げ、体重を減らすこれほどパワフルな方法は他にはありません。
ファスティング法いろいろ
短期間のファスティング(24時間以内)
ファスティングには無限の多様性があります。
好きなだけ長くもできますし、短くすることもできます。
ここでは人気のある方法を紹介します。
一般的には短期間のファスティングは数多く行う必要があります。
16:8
この方法は「食べない時間」を毎日16時間作ります。
そして「窓」と呼ばれる「食べる時間」は8時間です。
8時間以内にすべての食事を摂り、残りの16時間はファスティングするのです。
一般的に毎日かほぼ毎日行います。
たとえば、午前11時から午後7時までに食事を終わらせてしまえばよいのです。
一般的なこの方法では朝食を抜き、8時間のあいだなら2~3回の食事を食べることが出来ます。
20:4
この方法では、4時間の「食べる時間」と20時間の「食べない時間」を設けます。
たとえば、毎日午後2時から午後6時の間に食べ、残りの20時間ファスティングします。
一般的には、この間に1回または軽い食事を加えた2回の食事を食べることが出来ます。
長期間のファスティング(24時間以上)
24時間のファスティング
この方法では、夕食から夕食(または昼食から昼食)までの「食べない時間」を設けます。
1日目、夕食を食べたら、翌日は朝食と昼食を抜いて夕食だけを食べます。
毎日食べていると言うことが分かりますか。
一般的には1週間に2~3回行います。
週2日のファスティング
マイケル・モズレー(Michael Mosley)医師は著書「The Fast Diet」でこの方法を人気者にしました。
この方法は1週間のうち5日間は普通に食事を摂り、2日間のファスティングを行います。
しかし、この2日間のファスティングの日には、1日500カロリーを食べてもかまいません。
食事は1日に数回いつでもまたは1回でもいいのです。
36時間のファスティング
この方法はまる1日のファスティングのことです。
例えば、1日目に夕食を食べると、2日目はすべての食事を抜きます。
3日目の朝に食事を摂るのです。一般的には36時間のファスティングとなります。
この方法では、よりたくさんの減量効果が得られます。
もう1つの大きなメリットは、2日目の夕食を食べすぎてしまうという誘惑から逃れられることです。
ファスティングの延長
ほぼ無期限にファスティングすることができます。
一般的には48時間以上のファスティングでは、微量栄養素の欠乏を避けるために市販のマルチビタミンマルチミネラルサプリメントをおススメします。
ファスティングの世界記録は382日ですから、7日から14日間のファスティングは出来ると思います。
複食(ファスティング後、普通の食事に戻るまでの食事)を失敗するリスクが高いため、14日以上のファスティングはおススメしません。
ファスティングに関する一般的な質問とその答え
ファスティングをすべきではない人は
次のような方はファスティングすべきではありません。
・痩せすぎの方(BMI <18.5)
・妊娠中の方: 子供のためにより栄養が必要だからです
・授乳中の方: 子供のためにより栄養が必要だからです
・18歳未満の子供: 成長のためにより栄養が必要だからです
ファスティングできますが、次の条件では監督が必要な場合があります
・糖尿病の場合: 1型でも2型でも
・薬を服用している場合
・痛風や高尿酸血症の場合
ファスティングすると飢餓状態となり代謝が落ちますか?
いいえ、違います。これはファスティングに関する最も多い都市伝説です。
実際は正反対です。
研究の結果、ファスティングでは基礎代謝率を増加させることが分かっています。
ファスティング中には運動してもいいですか
はい、構いません。
運動はもちろん通常の活動はすべてファスティング中にも続けなければなりません。
運動のためにエネルギー補給として食べる必要ありません。
この間、カラダはエネルギーとして体脂肪を燃やします。
副作用はありますか
起こりうる迷惑な副作用はたくさんあります。それを経験した場合対処法です。
・便秘は起こることが多い副作用です。
入るものが少ないということは、出るものも少ないということです。
不快に感じない限り、薬は必要ではありません。
市販の下剤を使用してもかまいません。
・頭痛もよく起きますが、ファスティングを始めて数回目には無くなることが多い副作用です。
少し多めに塩分を摂取するのが頭痛を和らげるのにはいいでしょう。
・胃がうずく時には、ミネラルウォーターを飲みましょう。
・他の副作用としては、めまい、胸やけ、足がつることなどです。
もっとも困る副作用は複食(ファスティング後、普通の食事に戻るまでの食事)を失敗することです。
幸いにもこれは稀にしか起こらず、長期間のファスティング(5日から10日以上)で栄養不足のときにのみ起こります。
私はファスティング中に血糖値が上がるのですがなぜですか
ファスティングを行った時にホルモンの変化がその原因です。
カラダは組織にエネルギーを供給するため糖新生(ブドウ糖を新たに作ること)します。
これは、暁現象と呼ばれる症状の一つです。
空腹感を感じた時はどうすればいいですか
最も重要なことは、空腹感は波のように過ぎ去るというに気が付くことです。
多くの人は、耐えられなくなるまで空腹感が続き、飢餓と感じることを心配しますが、これは起こりません。
空腹感は波のようなものです。
単にそれを無視して紅茶やコーヒーを飲むと多くの場合通り過ぎてしまいます。
長期間のファスティングでは、空腹感は2日目までに多くの場合起こります。
その後は徐々に感じなくなってしまいます。
多くの人々が3-4日までにこの空腹感を完全に無くなる言っています。
今あなたは太っているのでしょ。
カラダは朝食や昼食、夕食の代わりに体脂肪を「食べる」ので、これ以上は空腹感を感じることはありません。
ファスティング中、筋肉は減らないでしょうか
いいえ。
ファスティング中、エネルギーとしてグリコーゲンをブドウ糖に分解します。
その後は脂肪を分解してエネルギーを供給します。
余分なアミノ酸(タンパク質を作るための材料)もエネルギーのために使われますが、カラダはエネルギーとして自分の筋肉を燃やすことはありません。
カラダはエネルギーとしてグリコーゲンと脂肪の形でしっかりと蓄えているのであって、エネルギーが必要な時に筋肉を燃やすと考えるのは単なる想像にすぎません。
ファスティングは何千年もの間、難なく行われてきました。
いろいろなファスティングを行った患者は1000名以上いますが、著しく筋肉を失ったという患者はゼロです。
間欠的ファスティングのヒントはありますか
9つのヒントがあります
・水を飲むこと
・忙しくすること
・コーヒーまたは紅茶を飲むこと
・空腹感の波に乗ること
・ファスティングに賛成していない人は何も言わないこと
・1ヶ月を猶予すること
・ファスティング中はLCHF(低糖質高脂質)食を行うこと。これは空腹感を減らし、ファスティングをはるかに簡単にします。
・体重を減らすこと、2型糖尿病からの回復を助ける可能性があります。
・ファスティング後に暴飲暴食しないこと