「ファスティングは絶対にしてはいけない」という意見をよく聞く。
「痩せるときに筋肉を削るので。リバウンドする際には筋肉ではなく体脂肪で体重を戻してしまう」
「筋肉を削っては体脂肪で戻すウェイトサイクリングという現象を起こしていると、心臓病の既往のある方にとっては死亡率を高めるという説がある」
「ファスティング後に糖質の多い食事をすると血糖値が上昇しやすくなることで、血糖変動幅が大きくなり死亡率を上げたかもしれない」
「三食のうちどこかを抜くと、その次の食事で血糖値が急上昇してしまう」
「筋肉の合成は食後に起こるので、一食でも抜かすと筋肉が衰える懸念がある」
このような理由から血糖値のコントロールは「三食」の方がしやすいと考え。
ファスティング後の「血糖変動が大きく」なることで「エネルギー代謝の低下」が起こり、さらには「肥満」につながると主張しているのだ。
確かに「インスリン分泌能亢進型」で「インスリン抵抗性」が増大している場合にはそうかもしれないが、先に「糖質制限」を行うよう指導しておけば事情は変わってくるだろう。
また「インスリン分泌能低下型」では、そもそも「普通の糖質量」でも「追加インスリン分泌」が「長時間」出るような体質なので「三食」摂ることで「高インスリン状態」になってしまう。
「低糖質食・高脂質食」で「ケトジェニックモード」にして「ファスティング」をするのであれば「血糖変動」を気にする必要がなくなる。
問題はファスティング中に「筋肉を削る」という懸念が、実際起こるかということだが、ほとんどが「思い込み」で「痩せると筋肉も減る」と考えてしまう。
「カロリー制限」で「痩せる」と筋肉は削られ」、基礎代謝が下がって、低カロリーに対応してしまい「リバウンドしやすくなる」のだが、普段はしっかり栄養を摂って、週2回くらい朝食と昼食を抜く「間欠的ファスティング」の手法をとると、逆に「筋肉は増加」するのである。
もちろん「ファスティング」といっても「全くの絶食」というわけではない。
「たんぱく質と脂質」を必要に応じて補いながら行う。
そこには「追加インスリン」をできるだけ出さないように配慮しているのだ。
そもそも、間欠的ファスティングは、「肥満」や「病気」の原因になる「インスリン抵抗性」を改善し「たんぱく質の再生機能」をも改善する有効な手段である。
「血糖値の安定」ではなく「低インスリン状態の維持」が「重要」であることを改めて強調しておく。
これらは、これから「間欠的ファスティング」を始めようとしている方への「助言」でもある。
「ファスティング」をするための「必要条件」が揃っていることを確かめてから行うようにしたいものだ。