漢方医学では、夜10時から身体を修復する時間が始まるとされています。
そしてメラトニンや成長ホルモンをはじめとする、さまざまなホルモンの分泌がもっとも高まる夜10時から夜中の2時は、眠っているのが理想です。
メラトニンは活性酸素を中和し、細胞が酸化によるダメージを受けるのを防ぐ抗酸化ホルモンです。
わかりやすくいうと、老化防止作用、抗がん作用があるのです。
一方、成長ホルモンは、骨や筋肉を成長させるだけではなく、代謝を促進します。
この2つのホルモンが作用すれば、「体に必要なものはどんどんつくり、悪いものはどんどん壊す」という身体の修復機能が上手に働くわけです。
そして、メラトニンの分泌が促進されるのは夜、暗くなったとき、
成長ホルモンが多く分泌されるのは夜間睡眠中です。
つまり、夜、きちんと睡眠をとらなければホルモンは分泌されず、修復機能は十分に働かないのです。
自律神経の面から見ても、夜寝ることは大切です。
夜中に起きていると、その時間に優位になるはずの副交感神経が劣位になり、交感神経が優位になるので自律神経のバランスが崩れます。
自律神経のバランスが崩れれば、体にも心にも悪い影響が出るのはいうまでもありません。
そもそも人間は日の出とともに起きて、日の入りとともに寝るという生活を送っていました。
自然のリズムに合うよう、人間の体内時計がつくられているのは当然でしょう。
健康を維持するためには人間本来の体内時計に合わせた生活を、心がけることが大切なのです。
体調が少し気になるという人は12時前、実際に病気の人は10時前に寝ましょう。