認知症予防のために肉食                                        池澤 孝夫


近年、高齢化の進展に伴う認知症患者の増加が懸念されています。病気は遺伝要因と環境要因が絡み合って発症すると考えられており、認知症も例外ではありません。

遺伝要因は克服できるものではありませんが、食事や運動、喫煙の習慣などの環境要因は、個人の努力である程度発症リスクを抑えることができます。

そこで今回は、食事の点から認知症発症リスクを下げるヒントをお話ししたいと思います。

 

脳にも栄養バランスの取れた食事が必要

私たちが健康に生きていくためには、5大栄養素として知られる炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルが必要です。

脳でも、これら全てが重要な役割を果たします。

 

炭水化物が分解されてできたブドウ糖は脳細胞のエネルギー源となります。

たんぱく質と脂質は脳細胞の構成成分になり、ビタミンとミネラルは脳での代謝を調整します。

 

最近、糖質制限ダイエットが流行し、炭水化物の摂取を減らそうとする人がいます。

でも、脳の健康を保つという観点からは炭水化物の過度な摂取制限は好ましくないことがお分かりいただけるでしょう。

 

認知機能低下リスクが2~3倍に

また、東京都健康長寿医療センター研究所のチームが、群馬県と新潟県に住む70歳以上の男女を4年間追跡した興味深い調査結果を報告しています。

4年間追跡できた682人について、追跡調査を行った時点で認知機能が低下していた人の要因を調べたのです。

すると、栄養状態と認知機能低下との関係が明らかになりました。

 

チームは、血中の

▽鉄分(ミネラルの一つ)の状態を示す赤血球数▽脂質の状態を示すコレステロール値

▽たんぱく質の状態を示すアルブミン値--

について、それぞれ「高い」「普通」「低い」の三つのグループに分けて分析しました。

その結果、全ての値について、「低い」グループの人は「高い」グループの人に比べ、認知機能低下のリスクが約2~3倍高くなることが分かったのです。

 

要は、栄養バランスの取れた食事が、認知症の予防につながるということです。

 

栄養三色運動と合言葉を生かす

では、バランスの良い食事とは何でしょうか。

第二次世界大戦後の食料不足の時代から飽食の現代まで、国民の食生活改善の指導を実践してきた、一般社団法人栄養改善普及会の近藤とし子さん(故人)らが推進した「栄養三色運動」が参考になります。

 

これは栄養素を大きく三つに分類し、信号の赤、黄、緑の3色でグループ分けする考え方です。毎食3色を食べるとバランス良く栄養が摂取できます。

赤色は血や肉になるたんぱく質、黄色はエネルギーとなる炭水化物や脂肪、緑色が体の調子を整えるビタミンとミネラルです。

 

栄養改善普及会は、具体的にはどのような食材を食べたらいいのかを表す合言葉も作っています。

それは「マゴタチワヤサシイ」です。

食材の頭文字を取ったもので、

「マ」は豆類・大豆製品、

「ゴ」はごま・種実類、

「タ」は卵、

「チ」は牛乳・乳製品、

「ワ」はわかめなどの海藻類、

「ヤ」は野菜・果物、

「サ」は魚などの魚介類と肉類、

「シ」はしいたけなどきのこ類、

「イ」はいも類を意味します。

 

前述の3色分類では赤色が「マ」「タ」「チ」「サ」、黄色が「ゴ」「イ」、緑色が「ワ」「ヤ」「シ」です。

主食+「マゴタチワヤサシイ」がバランスの取れた食事になるのです。

 

「ニ」を加えて脳が喜ぶ食事に

脳のことを考えて、私はこれに肉類の「ニ」を加えて「マゴタチニワヤサシイ」を勧めたいと考えています。

「サ」には魚介類と肉類が含まれますが、あえて分けて「ニ」を加えたいと思う理由は二つあります。

 

一つは栄養面からです。生物の体を作るたんぱく質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできています。

このうち脳内で神経伝達物質を作るために使われるメチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンを含む9種類はヒトの体内で作ることができません。

これらは「必須アミノ酸」と呼ばれ、食品から摂取しなければならないのです。

また、必須アミノ酸以外のアミノ酸の中のアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンは、そのものが神経伝達物質として働きます。

 

この必須アミノ酸やアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンは、牛や豚の赤身肉、鶏のモモ肉、ムネ肉の方が、日本でよく食べられている魚であるサケ、マグロ、サンマ、ブリ、アジより可食部100g当たりの含有量が多い傾向にあることが分かっています。

 

つまり肉は脳にとって非常に重要な栄養源なのです。

 

肉食への誤解

もう一つの理由は、「肉食は避けた方が良い」という誤解が少なからず広がっているためです。

 

日本では、1951~80年までの30年間、脳血管疾患が死亡原因の第1位でした。

その中で、肉食中心の「食の欧米化」を戒める風潮が広がりました。

確かに、脂質の多い肉食が中心になり過ぎると、体内で悪玉コレステロールが増えて動脈硬化につながり、これが脳血管疾患の発症を招きます。

また、認知症予防の観点からは、過ぎた肉食が認知症発症のリスクを高めるとの報告もあります。

 

そこで、「肉食中心になり過ぎてはいけない」という警告を専門家が発したのです。

しかし、これが「肉はなるべく食べない方が良い」という誤ったメッセージに変換されて、なんとなく一般に浸透してしまっているように思えます。

 

私は1日1食、なるべく脂質の少ない肉を食べることをお勧めします。量は手のひら大程度がいいでしょう。

 

肉が大好きな日野原重明さん

脂質の少ない肉食の良さを実感した出来事があります。

 

みなさんは、今年7月に105歳で亡くなった聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生をご存じだと思います。

100歳を超えても精力的に講演などの活動を続けていらっしゃいました。

 

私が以前、ある場所で日野原先生にお会いした際に「そこまでお元気でいられるコツは何ですか」と尋ねたことがあります。

日野原先生は「私はお肉が大好きだからでしょうか」と笑いながらおっしゃっていました。

ちなみにこの時は「ただし、お肉の脂身は食べませんけどね」と付け加えていました。

 

楽しみながらバランスの取れた食事を

「マゴタチニワヤサシイ」を実践するのは難しいと考える方は少なくないはずです。

もちろんこれら全ての食品を1回の食事で取ることはかなり大変です。

私は3日ぐらいでこれらをまんべんなく食べられれば良いと思っています。

 

ですから、食事を作る人も食べる人も、変に肩に力を入れず楽しみながら実践しましょう。

「昨日の夕食は『マ』『ニ』『ヤ』を使ったから、今日の夕食は『ゴ』『サ』『ワ』で作ろうかな」とか、外食時でも「この食材は『タ』だ」とか、食べた食品と食べていない食品の両方を探し出す遊びと考えれば良いのです。

 

栄養バランスの取れた食事は認知症予防だけでなく、健康のためにも多くのメリットがあります。

今日から早速始めてみてはいかがでしょう。

 

*工藤千秋 / くどうちあき脳神経外科クリニック院長

 








          たきがみ博士の想い

 

誰でも、自分の中に伝統がある。自分が経験したすべての過去の累積、それが”いま”のわたし。

過去とは思いだすこと、現在(いま)は過去の必然、そして、未来は想い、選択すること。

いまは、変えられない。

しかし、人には明日があり、未来がある。明日は、こうありたいと想いを持つことができる。

 

すてきな明日に向かって、”これからへの想い”を具体化するJourney、しっかり楽しみたいと思います。

そして、”いま、ここ”を丁寧に活きる。

みずからの人生の軌跡を、すてきな笑顔でみつめるために。

 

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  との付き合い方を学ぶ機会なり 

☆自分の短所を受け入れるとき、

  自分らしさという魅力が生まれる 

☆最も空しい人生とは、

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☆樹木は、上に伸びる前に下に伸びる 

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  自分の心の中の対立に過ぎない 

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