心臓のように常に動き続けている臓器は寿命も短いと思われがちですが、意外にもそうでもありません。
また、脳はすべての臓器の機能を支配して疲れが早いように思われていますが、臓器寿命という点では決して短くはないのです。
心臓は、高効率のポンプ機能の為、たった5%しか血液を消費しておりません。
人類はすごいですね、自然とエコしながら生きております。
それでは第2位から発表です。
腎臓です。
体内の血液の20%を消費しております。
腎臓は、いらないものを捨てる臓器と思われがちですが、実は、一日当たり百リットルも生産される原尿(汚くなった血液が濾過されてできる尿の素)から、尿として最終的に排泄される1~2リットルを除いたほぼすべてを再び吸収しています。
異物を体内に取り込む作業は、大量にエネルギーを消費し、臓器に大きな負担をかけるのです。
第1位は・・・
腸です。
なんと血液の30%を消費しております。
①それぞれの臓器にも「寿命」があり、その寿命は臓器ごとに格差がある。
②すべての臓器が「砂時計」を持っていると考えて下さい。時計の砂は生まれた瞬間から落ち始め、すべてが落ち切った時に、その臓器の寿命は尽きます。
腸の本来の仕事は大きく二つあります。
一つは「食物の消化吸収」、もう一つは食物と一緒に体内に侵入しようとする外敵の排除、つまり「腸管免疫機能」です。
腸の老化が進めば、腸の免疫力が落ち、様々なバイ菌ななどの外敵が侵入しやすい環境ができます。
暴飲暴食をするとそれだけ多くの外敵が体への侵入を試みることになるのです。
その結果、体内では様々な臓器で炎症が発生し、軽いけれどもだらだらと慢性的に続き、様々な臓器にて障害が起こります。
すると、体は栄養素をうまく利用して消費することができなくなって、どんどん肥満、メタボの病態が進んでいくのです。
腸の老化スピードが速まりメタボが進むと血管が障害されて、各臓器で酸素不足となります。
この段階で最初にダメージを受けるのが、酸素不足に最も敏感な腎臓です。
腎臓は心臓と密接な関係があります。
腎臓に不具合が生じると、その情報は腎臓神経によって脳に伝えられます。
すると脳から心臓に行く神経がその変化を感じ取り、興奮することで心臓をフル回転させるようになり過剰な負担がかかります。
もともと、この仕組みは、腎臓が弱って水分や塩分を排泄しにくくなっている時、そのことを脳に知らせ、心臓を頑張らせることで、ポンプ機能を高めて水分と塩分を何とか排泄させようとする調節システムで、生体にとっての防衛反応です。
ただ、それが過剰になると心臓を疲れさせてしまうのです。
こうして、腎臓病の人は心筋梗塞、心不全の発症リスクが高まることが、最近の研究でわかってきました。
はじめは内臓脂肪が溜まる肥満だけだったのが、高血圧を呼び、脂質代謝異常症、糖尿病、動脈硬化などと拡大していきます。
関係する他の臓器にも機能の低下が起こっていく関係は「臓器連関」と言われています。
または、ドミノ倒しという表現も間違いでは御座いません。
さらに腎臓がダメージを負うと肝臓にもリンクします。
腎臓が負荷を負った分、肝臓も頑張ります。
しかしながら、人生をフルマラソンで例えると誰でもフルマラソンの様な長い距離を全力疾走は出来ません。
少し休憩などを行い、臓器寿命の短い選手を休ませることも必要です。
どの臓器が短命で大事にすべきかは、体の総責任者であるあなた自身が判断し、短命な臓器を思いやり健康寿命をできるだけ長く過ごして下さい。