冷え性、肩こり、疲れやすい・・・こんな不調の影には、「血流」の悪さが隠れています。
血流が悪くなる要因は、生活習慣や病気など様々なことが考えられますが、血流が悪いと全身の細胞に酸素を送ることができず、「不調」どころか、病気を引き起こすことも。
そこでご紹介したいのが「アルギニン」という成分。準必須アミノ酸の一種で体内でも合成され、血流正常化を担う重要なアミノ酸です。
しかし体内の生成能力は、40代で半減してしまうとか。食生活でも補うことのできる「アルギニン」に着目し、その5つの健康効果を探っていきます。
アルギニンを効率よく摂取して血流改善し免疫力を高めるメリット5つ
1.強くしなやかな血管を作るアルギニン
私たちは、誰しも歳をとります。
しわが増えたり、白髪になったりと見た目の老化には、すぐ気が付きますが、血管も同時に老化しています。
血管の老化とは、血管壁が厚く、硬くなり、また、血管を拡げる効果のある一酸化窒素(NO)が減少すること。
それにより、動脈硬化や高血圧など怖い病気を引き起こします。
そこで、力を発揮するのが「アルギニン」。
「アルギニン」は、体内で一酸化窒素に変換されます。
一酸化窒素は、血管を拡張し、血流の流れを良くする物質です。
また、血球の血管壁への接着を妨げ、血管壁が厚くなるのを抑制するため、動脈硬化の予防に重要な働きをします。
「アルギニン」を摂取することで血圧低下も望めるというのは、この血管拡張、血流改善に依るものです。
強くしなやかな血管が健康をもたらすと言っても過言ではありません。
日頃から、アルギニンを含む食品を意識してとりたいものです。
2.疲労回復にも効果
疲労には、「筋肉疲労」「内臓疲労」「脳疲労」と大きく3つに分けられますが、アルギニンは、それらの疲労を生み出すメカニズムに作用し、疲労軽減、疲れにくい身体作りにも力を発揮します。
生物は、運動やストレスなどにより体内の酸性とアルカリ性の均衡が崩れ、筋肉疲労を起こしたり、エネルギーが不足することで内臓疲労を起こしたりします。
代謝活動によって発生する「アンモニア」は、強い毒性があり、通常は、体外に排出されますが、大量に生成されると、体内で処理しきれなくなり、脳まで到達、身体がだるくなったり、集中力が低下するなどの「脳内疲労起こします。
アルギニンは、体内で一酸化窒素に変換されますが、その一酸化窒素が肝臓内の尿素回路の働きを高め、アンモニアを尿素に変えて体外に上手く排出することで、体内のエネルギー代謝促進システムを正常化。
エネルギーを効率よく生み出し疲労を回復させます。
3.大人も大事!成長ホルモンの分泌を増やす
「成長ホルモン」というと、思春期に身長を伸ばす役割ばかり、クローズアップされますが、年齢に関わらず分泌量の減っている人は、疲れを感じやすい、やる気が起きないなどの症状が現れます。
成長ホルモンの分泌を促す要素として「質の良い睡眠」、「無酸素・加圧運動」「空腹・低血糖」等が挙げられますが、実は「アルギニン」もその分泌を促すと言われています。
アルギニンは、成長ホルモンの阻害要因となるソマトスタチンの放出を抑制する効果があり、またアルギニンから変換される一酸化窒素は、成長ホルモンの合成の元となります。
成長ホルモンが不足すると、疲労感だけではなく、中性脂肪の増加や、お肌の老化にもつながっていきますので、積極的に「成長ホルモン」が増える活動をしていきたいものです。
4.免疫力を高める
「アルギニン」は、「病気を寄せ付けない力」=免疫力を上げることも期待できます。
アルギニンは、免疫細胞とも言われるリンパ球のT細胞・NK細胞の分泌を促進します。
また、前述の「成長ホルモン」は、病気の抵抗力を高めたり、創傷を早く治癒させるタンパク質合成を促進させるなどの効果があります。
5.アルギニンを効率よく摂るには
強い血管を作り、疲れにくく免疫力を高めるアルギニンですが、体内で合成されるアミノ酸の中でも「条件付き」の「準必須アミノ酸」と言われています。
というのも、加齢に伴い分泌量が減少したり、大きなケガや高いストレスにさられた時、体内で不足するからです。
では、アルギニンを効率よく摂るにはどんな食品があるのでしょうか。
アルギニンは、様々な食品に含まれていますが、大豆製品に多く含まれていることが分かっています。
納豆や味噌、豆腐など、色々ありますが、中でも高野豆腐に最も多くのアルギニンが含まれており、効率的にアルギニンを吸収することができます。
また、肉類では、豚ゼラチンが100gあたり7900mgと食品の中でトップクラスの含有量です。
コトコト煮込んだ角煮など美味しいですよね。
アルギニン以外のアミノ酸もバランスよく摂取できるのでお勧めです。
魚介類では、エビやマグロ。エビは、肉類の1.5倍ものアルギニンを含むというから驚きです。
マグロは、アルギニンの吸収率をアップさせるビタミンB6も豊富なので相乗効果も期待できそうです。