腎臓は、尿を作る器官で腰の少し上辺りに背骨を挟んで左右に各1つずつある臓器です。
昨今、腎臓病を発症する人が増加傾向にあるとか。
それは、ファストフードの横行から来る塩分の過剰摂取などが一因と言われています。
ここでは、腎臓の大切な役割とそれを脅かす病気、腎臓をいたわるにはどうしたら良いかなどを五つの観点から考えていきたいと思います。
血液クリーンアップして毒素排出。腎臓についての5つの基礎知識
1腎臓とはどのような臓器でしょうか
腎臓には、六つの役割があります。
まずは、「老廃物をろ過して体外に排出する働き」です。
腎臓は、血中にある老廃物や毒素をろ過し、排出することで、血液を浄化します。毒素や老廃物が排出されないと、体内に蓄積され、むくみや病気に繋がっていくのでとても重要な役割です。
二つ目は、尿の濃さや量を増減することで体内の水分量を一定に保つ「体液を調節する働き」です。
またその体液を調節することで、ナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウムといった「電解質」の濃度も調節しています。
三つ目は、元来人間の血液があるべき状態の「弱アルカリ性に保つ働き」です。
日々食事や生活習慣、ストレスでも身体は、酸性に傾いくのを日々食い止めるべく働いています。
四つ目は、造血刺激ホルモンを分泌して骨髄で行われている「赤血球生成を助ける働き」です。
赤血球の寿命は、120日程なので作り続けなければなりません。
五つ目は、「ビタミンD」を活性化させる働き」です。
活性化されたビタミンDは、腸に働きかけ、カルシウムの吸収を促してくれます。
六つ目は、「血圧を一定にする働き」です。
レニンというホルモンを分泌することで、低血圧にならないように血圧を押し上げ、また血圧が上がってくると血管を拡張するホルモンを分泌して、血流を一定にしていきます。
2腎機能を下げる食べ物
腎臓の健康にとって大敵なのは、何といっても「塩分」(ナトリウム)です。
一日における塩分摂取量の目安は、5~7g程度と言われています。
昨今は、塩分の過剰摂取が問題となり、塩分量が表示されるようになりましが、インスタント食品や外食等の塩分量を見るとギョッとする時があります。
意識して、酢や柑橘系の食品を組合すなど塩分以外の代替食品を利用して塩分量を減らしたいものです。
また、たんぱく質、糖分の過剰摂取も腎臓負担が大きいと言います。
どれも身体にとって必要不可欠な栄養分ではありますが、適量摂取を心がけましょう。
3腎機能を上げる食べもの
では、腎機能を上げるために、積極的に摂取したい食品にはどのようなものがあるでしょうか。
それは、「利尿作用が高い食品」です。
シジミ、ゴマ、キャベツ、スイカ、豆類、イモ類ハト麦などカリウムを多く含み、塩分の摂取量を抑え、塩分排出をサポートします。
また、昆布やひじきなどの海藻類は、運動やストレスで溜まる「尿酸」を体外に排出するのを促し、腎臓の負担を軽減します。
4過度のストレス、喫煙も腎機能低下に
近年、「ストレス社会」と呼ばれるほど日本人は、ストレスにさらされています。
体内では、ストレスを受けた時に「活性酸素」が増加します。
増えすぎた活性酸素は、血液をドロドロにし、血流を悪化させていきます。
ドロドロの血液をろ過しているのが、腎臓の役割ですから、そうなると腎臓はフル回転、疲弊し機能低下、最悪病気を引き起こすというわけです。
喫煙の腎臓における粗悪要素は、ニコチンが血管を収縮するため、血圧上昇を引き起こします。
血圧を正常化しようと腎臓がまたもやフル回転というわけです。
5腎臓の異変を早期に見つけるには
腎機能の初期の異変を知るには2つの方法があります。
一つ目は、血液検査の「クレアチン」の数値です。
クレアチンは、アミノ酸の一種で筋肉が運動した際にでる老廃物です。
腎機能が正常に働いていれば、クレアチンはろ過されて、体外に排出されますが腎機能が低下していると、血中に残ってしまうというわけです。
二つ目は、尿検査でわかる「蛋白」の数値です。
腎臓は、たんぱく質のような大きな物質は、尿に排出されないようにフィルターの役割を果たしています。
ところがそのフィルター機能に異常が起きると多くのたんぱく質が通過してしまい、「蛋白尿」として流出し、これが慢性腎炎の疑いありということになります。
高熱を伴う風邪や激しい運動後にもたんぱく質が流出することがあるので、一概には言えないですが、定期的な健康診断で気にしたい数値です。
6身体を温めて腎機能アップ
病気になっていない限り、腎機能は向上できます。
それには、「身体を冷やさないこと」を意識した生活を送ることが肝心と言います。
クーラーなど物理的なものや冬場だけではありません。
身体を冷やす食べ物や飲み物は、腎機能を低下させます。
甘いもの、アルコール類、コーヒー、白砂糖などの精製食品は、よく挙げられますが、一般的に夏が旬なものは身体を冷やし、冬が旬なものは身体を温めます。
農業技術の進歩で一年中季節の変わりなく色々な野菜が食べられるので、旬のものを過食になり過ぎず頂くという「基本」がとても大切です。
また、意識して、発酵食品や根菜類、生姜など身体を温める食材を摂ることで、腎機能の向上を計りましょう。
7腎機能アップのために習慣にしたいこと
腎機能アップのために習慣にしたいこと、それは「朝コップ一杯の水を飲むこと」です。
私たちは、寝ている間に汗をかきます。
そうすると体液が減ることで血中濃度が高まり血液がドロドロになります。
そこで水分補給をしてあげることで腎臓の機能をサポートしてあげましょう。
内臓も覚醒して朝食も美味しく食べられます。
もう一つは、「ふくらはぎマッサージ」です。
毎日5~10分程度お風呂上りにでも足首から膝にかけて「心臓に血液よ、戻れ!」と思いながら揉んでみてください。
ふくらはぎには大量の血液がたまっています。
ふくらはぎを揉むことで、全身の血流が良くなり、腎臓もサポートします。
【腎臓をケアするためにとても大事な生活習慣とは】
腎臓は握りこぶし大のとても重要な臓器で、全身をめぐる血液から老廃物や毒素を取り除き尿として排出することで血液をきれいにします。
これ以外にも体の水分やナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウムなどの電解質の量を調節したり、赤血球をつくるエリスロポエチンや血圧を調節するレニン、プロスタグランジンなどのホルモンを分泌するほか、ビタミンDを活性化させてカルシウムの吸収を助けるなど、健康を維持するための重要な働きをしています。
腎臓は普通その能力の20%くらいしか使っていないので、多少のダメージを受けても特に何も感じない事が多く、症状が出てからは手遅れというケースも多くありません。
だから腎臓の健康を保つ日頃のケアがとても大事なのです。
そんな腎臓の健康を維持するため普段気を付けて欲しい最初のことは、十分な水分の補給です。
腎臓の最も重要な仕事は血液の浄化ですが、血液中の毒素や老廃物は水と共に排出するので水分が不足すると毒素や老廃物の排出が十分にできなくなり体に重大なダメージを与えてしまいます。
1日1から1.5リットルといわれるくらいで、十分な水分補給は腎臓はもとより人の健康維持には欠かすことができないのです。
しかしながら、いくら水分が必要といっても多すぎてはいけません。
また、いっぺんに飲むのではなく、少しずつ分けて飲むことも大事です。
さらに、塩分の摂り過ぎを問題にする事が多いですが、水分をたくさん摂り、体内のミネラルの濃度が低くなるとそれもまた問題です。
1日3グラム程度の適度な塩分補給も大事です。
また、尿を排出したい時に我慢してしまうと尿の圧力が上昇し、腎不全、腎結石などの原因にもなってしまいますので定期的な排尿を心掛けてください。
そして、水分を補給する時は、砂糖の入っている清涼飲料ではなく、普通の水を飲むようにして下さい。
水分の補給とはいえ砂糖の摂り過ぎは返って腎臓にダメージを与えてしまいます。
次は十分な栄養補給です。
ビタミン・ミネラルの不足は腎臓結石や腎不全のリスクを増加させます。
また、赤身の肉などタンパク質を多く摂ると腎臓への負担が増して、同様に腎臓の損傷または機能不全の危険性が増えるのです。
新鮮でオーガニックの野菜を十分摂ることがこれらのリスクを軽減してくれます。
そして、普段の食生活を見直してコーヒーや鎮痛剤、アルコールなどを控え、十分な睡眠を摂り、ストレスのない生活を心掛けること。
食事で水分は摂っているからと、食後の水分補給を怠る人も多いです。
水を飲む。こんな簡単な事で腎臓のケアができるのですから、これからはちょっと気にして水を飲む習慣を付けてください。