様々な脳疾患を栄養とサプリメントで治療してきた。
老衰、脳卒中、脳器質疾患、頭部外傷後遺症、アルツハイマー、てんかん、ハンチントン病、など。
全ての患者が回復したわけではないが、多くの患者が回復し、QOLが改善した。
これらの疾患を遺伝性だと決めつけるのは間違い。
遺伝と細胞環境が相互に関与している。
環境要因を改善させれば遺伝的な弱点を克服できる。
細胞を取り巻く栄養状態が悪いと加齢を促進させる。
ナイアシンは抗加齢物質である。
栄養失調などのストレスや飢餓は、B3依存症を生じ、B3依存症は老衰を引き起こす。
加齢現象はフリーラジカルの集積により生じる。
フェニルアラニン、チロシンが酸化されると、メラニンによる色素沈着を引き起こす。
メラニンには2つのタイプがあり、脳に見られる神経メラニンと、皮膚のメラニン。
メラニンはフリーラジカルを捕捉して中和する作用がある。
また、日焼けから守る作用がある。
古い細胞のメラニン集積は、リポフスチン。
つまり、酸化されたアミンの集積。
血中銅濃度の上昇と老衰とは明らかな関連がある。
銅の配管、水中の銅が加齢とともに蓄積する。
銅濃度が高齢者では120以上となっている(理想値は100以下)。
予防と治療、
オーソモレキュラー食、つまり、精製糖質除去、脳アレルギーの原因となる小麦(グルテン)、牛乳(カゼイン)を除去する。
ビタミン、
加齢とともにビタミンの必要量は増加する。
加齢は多くのビタミンにおいて、特にB群の、依存症となる。
Aは加齢とガンを予防する効果がある。10000~50000IU。
B1はアルコールと砂糖摂取により不足する。100mg。
B2は依存症を生じにくい。100mg以下。
B3は老衰を防ぐために最も重要な役割を持つ。
記憶力保持、活動性の回復、睡眠の改善、敏捷性の改善に効果がある。
コレステロールを低下、中性脂肪を低下、LDLの低下、HDLの上昇により血管、血流を守る。
3000~6000mg。
B6は免役システムの回復、B12吸収の亢進、アミノ酸の吸収、消化液の分泌に必要であり、加齢ととものその機能は低下する。依存症を生じやすい。
セロトニン合成、ヘモグロビン合成に必要で、DNA,RNA代謝に必要。
1000mg以内。
B5は1000mg以内。
B12と葉酸血中濃度は加齢とともに低下する。
B12は1mg。
Eは400~600IU。
Dはカルシウム代謝にとって最重要、マグネシウムとアルミニウムのバランスを取る。4000IUもしくはそれ以上必要。
ミネラル、
加齢によりミネラルの吸収能力が低下するためミネラルサプリメントが必要。
Ca、Mg、Zn、Mn、Se。
アルツハイマーと重金属蓄積
カール・ファイファーは、アルツハイマーには重金属毒が蓄積していると言った。
つまり、アルミニウム、銅、鉛、水銀、カドミウム、銀。
アルミニウムは神経毒であり、アルツハイマー、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を引き起こす。
銅に暴露される職業の人は、通常の3~4倍アルツハイマーになりやすい。
CaとMgはアルミニウム吸収を抑制する。
アルツハイマーの治療
B12が加齢により吸収能力が低下して不足する。
筋注、静注で100~1000mcg。
コリン、コリン不足は神経伝達物質アセチルコリン不足を引き起こす。
レシチンとして服用。
抗酸化物質、E800~2000IU、βカロチン。
Cとチロシン、フェニルアラニン→チロシン→ノルアドレナリン。
その変換には補酵素C3000~6000mgが必要。
遅発性ジスキネジア
ジスキネジアは抗精神病薬(統合失調症治療薬)による副作用で、口唇筋や顔面筋の不随意運動。
リチャード・カニンはこのものはMn不足により生じることを明らかにした。
抗精神病薬がMnをキレートして体外に排泄させる。
Mnの投与で改善する。
カニンはジスキネジア患者15症例にMn+B3を投与した。
4例は直ちに劇的に改善した。
9例は2~5日でかなり改善した。
つまり、93%の患者で改善をみた。
抗精神病薬はMnだけでなく他の金属もキレートして排泄させる。
抗精神病薬の副作用は、Zn、Cu、Cr(クロム)不足により生じている。
1)日本人ではタンパク不足がある
欧米人は日本人の3倍の肉を食べるので、タンパク不足の記載は少ない。
バランス良い日本食では全員タンパク不足。
2)日本人では鉄不足がある
欧米では小麦粉に鉄を入れているので、鉄不足の記載は少ない。
日本ではそのような対策は全く取られていないため鉄不足がある。
特に、15~50歳女性の99%は鉄不足。
3)日本人ではB1不足がある
米を主食にする日本人は、小麦を食べる欧米人よりB1不足になりやすい。
欧米では小麦粉に、B1、B2、B3(ナイアシン)を付加している。
米を食べている日本人は全員B1不足。
4)日本人ではω3不足は少ない
魚介類を食べるとω3が補給される。
魚介類を食べない欧米人では。ω3不足になる。
ω3/ω6=EPA/AAは、日本人では0.3前後、欧米人では0.01~0.1。
すなわち、ω3サプリの効果は日本人より欧米人により顕著。
オーソモレキュラー治療前に、鉄タンパク不足の改善、B1不足の改善が必要。
それを行わないで、オーソモレキュラー治療を行っても効果はない。
目標はアルブミン4.5、BUN15。
フェリチンは最低50、目標100。
なお、鉄サプリ関して、ヘム鉄は値段が高いばかりでなく効果が乏しいので推奨しない。
ヘム鉄は海外では全く使われていないローカルサプリ。
「高タンパク食のメリットは」
人間のからだはタンパク質でできているといってよい。
体重50キロの成人では、27~33キロが水、12~18キロがタンパク質である。
そのタンパク質のうち、半分以上が「酵素」で、残りのうちの大部分が結合組織という見当でよかろう。
数字に幅をつけるのがわずらわしければ、平均値をとることになる。
そうすると、50キロのうち30キロが水、15キロがタンパク質ということだ。
残りは5キロになるが、その大部分は脂質ということになるだろう。
そして、糖質がちょっぴりということだ。
生体ではつねに異化がおきているので、タンパク質の一日必要量が割りだされる。
それは、ストレスがあまりないとき、成人では体重の1,000分の1、子どもや妊婦ではこれの50%増しという数字になる。
ただし、プロテインスコ-ア100のものとしてである。
この必要量をみたす食事内容に対して、私は「高タンパク食」ということにしている。
平均的日本人の食事は、まちがいなしに「低タンパク食」であるからだ。
高タンパク食だと、感染症、動脈硬化、胃下垂、貧血、リューマチなどになりにくい。
原則として、プロテインスコーアの低いタンパク食品が主流になると、高タンパク食は困難になる。
「卵を食べるべきか」
卵はコレステロールのもとだから、敬遠するのが賢明、という常識がどこかにあるようで、私が卵をすすめると、無知をなじられるのが通例である。
それならそれで、卵を敬遠していただいて、私はいっこうにいたくもかゆくもない。
私が卵を評価する根拠は、そのタンパク質が飛び切り良質であって、しかも値段が安い点にある。
卵が、含硫アミノ酸、つまりイオウを含むアミノ酸に富むことは、大きな魅力としなければなるまい。
イオウは硫酸に変わるから、卵は酸性の食品だといって、また敬遠する向きがある。
硫酸が、粘膜の正常化に、解毒に、かけがえのない役割をもつことを忘れては、それこそ無知ということだ。
卵は生で食うべきものではない。
加熱して少なくとも卵白を固まらせるがよい。
その第一の理由は、単細胞動物トキソプラズマの寄生がよく見られることだ。
第二の理由は、卵黄のビタミンHと結合して、それを不溶性の物質に変え、腸における吸収を不可能にするアビジンというタンパク質が卵白に存在することである。
第三の理由は、卵白のオボムコイドという糖タンパクが、タンパク消化酵素トリプシンの作用を阻害することである。
古い医学パラダイムと新しい医学パラダイム
古い医学パラダイム、
1)一部の捏造論文を除くと現在の医学理論は正しい。
医学部では正しいことを教えている。
2)先進国では栄養失調はない。
3)慢性疾患は原因不明。
原因遺伝子が調べられている。
4)慢性疾患は完治は不可能。
薬物投与で寛解を目指す。
新しい医学パラダイム、
1)医学部ではウソばかり教えている。
2)バランスの良い食事をしている人は全員「質的な栄養失調」。
「質的な栄養失調」=糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足。
3)慢性疾患の原因は「質的な栄養失調」により生じる。
原因は、栄養失調>>遺伝子。
つまり、遺伝子的弱点はメガビタミンで克服可能。
4)「質的な栄養失調」を改善させれば投薬量を大幅に減らせ、完治も可能。
統合失調症治療薬エビリファイ18mg→1.5mg。
こんな単純なことなのに、脳みそが炭水化物で出来ているワカランチン医者には理解不可能なのだろう。