背骨ねじりは「腰痛」「肩こり」「胃痛」にも効く!
自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあり、この二つの自律神経のバランスが悪くなってしまうと、心と体に様々な不調が生じます。これが「自律神経失調症」のメカニズムの基本です。
また、自律神経失調症は男性よりも女性に多くみられる病気で、免疫力が低下しやすい冬は注意しなければなりません。気温や気候などの急激な変化は、大きな身体的ストレスになるからです。
ですので、季節の変わり目には自律神経失調症が起こりやすいといわれています。しかし、現時点でも自律神経失調症の決定打となる原因が明らかになっていないので、自律神経失調症を放置してしまうのは大変危険です。
その一方で自律神経失調症の予防方法や改善方法沢山ありますが、個人的には「腸活」が一番自律神経を整える効果が高い健康法だと思っていました。しかし、腸活でさえも万能というわけにはいきません。
そこで色々と調べたところ、今回ご紹介させていただく、背骨を動かしながら自律神経失調症を治療する「ウォールツイスト」にたどり着きました。背骨をねじって簡単な呼吸法を行うだけなのですが、しっかり自律神経を整えてくれます。
■ 体のさまざまな不調のサインが出現しやすい背骨
自律神経失調症によくみられる症状としては冷え、めまい、耳鳴り、頭痛、立ちくらみ、吐き気、動悸、情緒不安定、うつ状態、冷や汗、下痢・便秘などがあるにもかかわらず、検査では体に異常がないと診断される。
このため“ドクターショッピング”を繰り返してしまうケースも少なくない。
来院する方で多いのは肩こりや、腰痛、首や足の痛みなど。
しかしほとんどの不調はその部位だけではなく、他に問題があったりメンタルや内臓の働きを含むトータルなバランスが崩れていたりする。
そうした不調のサインが出現しやすいのが「背骨」です。なかでも背骨の胸椎を含む〝胸郭〟に特に注目しています。
この部分をケアすることで多くの不調が改善される症例を多く見てきたのだという。
ここで背骨についての少し説明が必要だ。
背骨は一つ一つの骨「椎骨」が26個積み重なって一本の柱(脊柱)を形成している。首の後ろにある「頸椎」が7個、胸の後ろの「胸椎」が12個、腰周辺の「腰椎」は5個、その下の「仙骨」、「尾骨」を加えて26個になる。
そして、椎骨と椎骨の間にあるのが背骨をスムーズに動かし、衝撃を吸収してくれる「椎間板」という軟骨。
背骨のうち胸の後ろにある胸椎とぐるりと囲む肋骨でできる鳥かごのような部分全体が胸郭だ。さらにこの部分の背中側に肩甲骨が位置する。
胸郭は心臓や肺、肝臓など重要な臓器を守っている部分。
自律神経のうち交感神経の主要な中継所が連なる幹が胸椎の前から肋骨のつなぎ目あたりを通っていることは一般的にあまり注目されていないように思います。
また、胸郭の動きの制限や姿勢の問題が、内臓のはたらきというものを通して自律神経に影響していくということも考えられます。
つまり、どこか内臓に問題があると、自律神経の反射を介して、背中やその周辺に反応が現れやすいのです。