なかなか取れない肩こり。仕方ないことと諦めていませんか。 その肩こり、原因は冷えかも
夕方になると肩がガチガチ、ゴリゴリになっている。 朝起きると肩が凝っている。
そんな辛い肩こりを、もう仕方ないことと思って、放置していませんか。
特に冬になると、体がぎゅっと寒くて縮こまってしまうので、肩こりを起こしやすいのです。
最近、異常に肩が凝るなあ。 という方は寒さ、冷えが原因かもしれません。
肩こりは西洋医学的には、筋肉の疲労による痛み、血行不良が原因と考えられていて、病院にいくと湿布薬、筋弛緩剤、ビタミン剤が投与されたり、牽引治療、電気療法などが行われることもあります。
しかし、なかなかひどい肩こりはそのような治療を受けても治りません。 多くの患者さんが痛みと付き合いながら暮らすことになります。
肩こりは現代病
リンパに疲労物質などがたまりやすくなった結果、肩こりのような不調が起こってきます。普段、あまり感じることはありませんが、実は頭部は5〜6kgの重さがあり、首と肩で支えています。 5kgといえば、お米の袋5kgと同じ。かなり重たいことがわかりますよね。
重たい頭を支えつつ、常に腕をPCのキーボートにおいて、緊張状態が一日中続いている。 目はPC、スマホ、テレビなどで常に使いっぱなし。
そんな1日を送っていれば、肩が凝って当然です。
肩こりが起こる原因をチェック
肩こりを引き起こす原因は、人によって様々です。肩が凝りやすい体質というのもあるでしょう。 次のような原因に心当たりはありませんか。
・PC作業でずっと同じ姿勢をしている
・ストレスがあって常に体が緊張している
・姿勢が悪い
・眼の使いすぎ
・運動不足
などなど、原因は数十種類ともいわれていますが、何らかの思い当たる原因があるはずです。
特に、「姿勢、眼精疲労、ストレスおよび運動不足」が、4大原因ともいわれています。
東洋医学的に考えると、肩こりはなぜ起こるのでしょうか。
肩こりは、血流の滞りである「瘀血」があるため起こるとされています。 瘀血は、「古血」、「汚ない血」とも言われる状態です。
血液の流れが悪くなることによって、血が部分的に滞りやすくなってしまうのです。 女性の場合、「瘀血」があると「血の道症」といわれる生理不順や、生理痛などに悩まされることもあります。
瘀血がある場合に見られる症状として次のような症状があります。
・肩こりがある
・しみが多い
・顔がくすんでいる
・頭痛が慢性的にある
・傷跡が治りにくい
・あざができやすい
・目の下のクマが気になる
・体がいつもなんとなく重い
・生理の時にどろっとした経血が出る
・生理痛が強い
・経血の色が黒っぽい
など。すべてに当てはまらなくても、2つ、3つと当てはまるものがあれば、「瘀血」状態になっている可能性が高いのです。
ではどうして、瘀血は引き起こされるのでしょう。 瘀血になる原因は、
・環境の六因 : 風・寒・暑・湿・燥・火
・感情の七情 : 怒・喜・思・悲・恐・うつ・りょう
・食事 : 食べすぎ、欠食や過度なダイエット、偏食、添加物の取りすぎ
怪我、加齢、過労、ストレス、電磁波、環境ホルモン、そして冷え なども関わってくると言われています。
瘀血は、リンパが通っている部分に問題を引き起こす
リンパ管は血管と一緒に並走しています。 血液は心臓のポンプの働きによって全身に送り出されます。 しかしリンパには心臓のような大きなポンプがありません。 流れをつくるのは内臓からの刺激や、筋肉の収縮などで、流れがもともとゆっくりなのです。
リンパは、血管から不要物を回収していくのですが、瘀血で血液の質が悪く、流れが滞っていれば、リンパ液にも不要物がたまりやすくなっていくのです。
瘀血の次に考えられる原因が、「気滞」です。 気滞とは 「気」のエネルギーが滞っている状態 = ストレスと言い換えることができます。
「気」はそもそも軽い性質。自由に動き回って、上昇する性質があります。 しかし、ストレスが強くなって気の巡りが悪くなったり、運動不足などがあると「気滞」が引き起こされます。
気滞があると、体は緊張状態になってしまいます。
ストレスのあるときに痛みやハリが強くなったり、運動すれば解消されるような肩こりならば「気滞」が関係しているでしょう。
「気」は陽の性質があり、上に上がりやすいので、肩こりやのぼせなどの症状を起こしやすくなります。 これを気逆といいます。
気滞による肩こりは、気分転換のために公園や森の中を歩いたり、軽く運動をする、肩をかるくもんだり、シャワーをあてることで改善できるでしょう。
肩こりにも陰陽があると言われています。
肩こりにも2種類あって、肩がガチゴチになっているタイプと、肩は柔らかいのに痛みを感じるタイプがあります。
ガチガチになっているのは「陽」
肩もみするときに、強くもんで欲しいと思う人は「陽」のタイプといえます。 この場合には、マッサージが有効です。
マッサージを痛いと感じるなら「陰」
触っても柔らかく肩があまり張っていないのに、肩がこると感じるのは「陰」のタイプで、冷えが原因になっているかもしれません。
しかし、マッサージすると痛がる「陰」の肩こりの場合は、強くもみすぎるのは逆効果になることも。
かるくさすってあげるだけでも十分です。
肩までお湯につかる全身浴、肩にあずき枕などをのせて温めるのも有効です。
肩こりといっても両側が同じように痛むのではなく、いつも右だけ、左だけという方はいませんか。
荷物をいつも同じ側で持っているとか、姿勢のアンバランスということも関係していますが、実は、右と左のどちらの肩が痛むのかは、食べ物との関係が深いのです。
右肩の痛み : 胆のう、肝臓にダメージがかかる食生活をしている
・お酒の飲み過ぎ
・お肉など動物性食品の食べすぎ
・野菜不足
・添加物の摂りすぎ
・イライラしすぎ
このようにどちらかというと、「陽性」の力が強くなりすぎている傾向にあります。特に痛みが強い場合には、胆のう炎、胆石炎、肝臓疾患などの疑いもあるので軽視してはいけません。
左肩の痛み : 心臓やリンパに負担をかける食事が原因
左側の肩の痛みには、心臓の働きやリンパが関係しています。 リンパ管は小腸から左背骨のあたり、左肩を通って心臓の静脈角へ入っていきます。
つまり、小腸から吸収された栄養は、左肩のあたりに集中しやすいんです。
血液やリンパ液がドロドロになるような食事、つまり瘀血状態になると、左側の肩に痛みがでやすくなります。
・脂肪分、糖分など栄養を過剰に取りすぎている
・暴飲暴食
・食事が不規則で夜遅く食事を摂る
・欠食と過食を繰り返すなど極端な食生活
野菜を増やした食事を意識する、腹八分目を意識する、お腹が空いたら食べるようにするなど、普段の食べ方を見直すことで、左肩の痛みは和らいでいくかもしれませんね。
肩こり解消に良い食べ物
肩こりを食べ物で解決するという方法もあります。 でも、原因によってどんな食べ物が肩こりに効くかは違います。
また、食べる量を減らすだけで改善することもあるでしょう。
次に紹介する食べ物は、万人に効くわけではありませんが、少しずつ取り入れてみて、自分にあったものを探してみてください。
瘀血を改善する食品
くるみ
くるみには良質の脂質、ビタミンEが含まれています。ビタミンEは医薬品として末梢循環によるレイノー症状の改善などにも使われることがある成分であり、冷えを改善してくれます。
また、くるみは脳にも良い食品です。頭の使いすぎによる肩こりにもおすすめです。
ニラ
ニラには体を温めて、冷えやしびれを改善する作用があります。出血にも良いといわれていて、滞るものを発散し、気血を発散する作用があります。
黒きくらげ
黒きくらげには血を補って巡りをよくする作用があるので、瘀血による肩こりにおすすめです。
また冷えによってダメージを受けやすい「腎」を癒す作用もあるので、ホルモンバランスが崩れている方、冷えによって体力が低下している場合も。
シナモン
シナモンといえば最強のあたため食材、このシナモンには独特の香りがついていますが、気を巡らせたり、血行をよくしたり、血管を強くする作用があります。
好みのハーブティーにシナモンを一振りして、仕事のお供にすれば、オフィスでも肩こり対策できます。 冬の肩こりにはシナモン、おすすめです。
酒粕などの発酵食
納豆のように血をさらさらにしたり、酒粕、麹のように体を温めて、腸内環境を改善する作用が、発酵食にはあります。
発酵食を取り入れることは、免疫力の強化だけでなく、瘀血の改善にも効果的です。
青魚、オリーブオイル、アボカドなどの良質の油
痛みの原因物質を作るアラキドン酸を生成してしまう、リノール酸を中心に含むコーン油、大豆油、ひまわり油などの取りすぎは炎症を強くしてしまいます。
血流が悪い瘀血の場合には、青魚に含まれるEPA、DHAのような良質の油がおすすめです。また、オリーブオイルやアボカドなどの植物性の油にも、 血行を良くする作用があります。
気滞を改善する食品
香味野菜(大葉、パクチー、ねぎ、セロリ、しそ)
よい香りの薬味につかうような野菜はイライラしたり、気持ちがふさがっているような時に取り入れたい食品です。
ちょっとお味噌汁を飲む時に、お鍋を食べる時には薬味を忘れずに。
柑橘系果物(温州みかん、ゆず、いよかんなど)
すっぱい味、そして柑橘系の香りには、気を巡らせる作用があります。 匂いを嗅ぐだけでも良いですが、もちろん食べたり、お風呂にいれたりして柑橘のパワーを活用しましょう。
ハーブティー、ジャスミン茶など好きな香りのお茶
香りのあるカモミール、レモングラス、ミントティー、ジャスミン茶などのハーブティーには気を巡らせる作用があります。 普段飲んでいる飲み物を香り
高いハーブティーなどに変えてみましょう。
老廃物を出す食品として、ハトムギ、大根の葉、モリンガ、玄米などもおすすめです。 食生活を工夫することで肩こりの解消を目指しましょう。
シャワーで済ませずにお風呂につかろう
肩こりで悩んでいるならば、お風呂に入ることが一番簡単で早く効果が現れます。 ゆったりと肩までつかる全身浴で、血の流れを良くしていきましょう。
肩にホットタオルを乗せながら入浴するのもおすすめです。
食事から、肩こり知らずの血流の良い体を作っていこう
肩こりは同じ姿勢、目の使いすぎなどが原因となりやすいですが案外、食事も原因になってしまうことがあります。
でも逆に、食事で肩こりを癒していくこともできます。
自分の体の声に耳を傾け、日々の生活を見直していくこと。 肩こりはひとつの体のサイン。
肩こりを甘く見ず、放置せずに早めに対処することが、病気を予防することにも繋がるでしょう。
食事を変えて、肩こり知らずなもっと身軽な体になりませんか。