納豆菌・乳酸菌・ビフィズス菌の整腸作用を最大化する食べ方
納豆とヨーグルトは、もはや健康によい食べ物の両横綱といってもいいだろう。
ともに発酵食品で、美肌、整腸、血圧降下、免疫力アップ、風邪予防、便秘解消などたくさんの健康効果が知られている。
ところが、その効果を台無しにしている「もったいない食べ方」をしている人が意外に多い。
横浜市立大学附属病院・消化器内科の日暮琢磨医師と小泉名誉教授に、納豆とヨーグルトの「もったいない食べ方」「正しい食べ方」を指摘してもらった。
(1)朝イチのヨーグルトはもったいない:
ビフィズス菌や乳酸菌は胃酸に弱いので、朝一番で空腹時に食べると多くが胃酸にやられてしまう可能性がある。
胃酸にやられても(死がいが)善玉菌のエサになるので少しは効果はあるが、少しでも多く生きた菌を腸に届けるためには胃酸が薄まった食後に食べる方がいい。
(2)ヨーグルトは開封後すぐに食べきる:
乳酸菌やビフィズス菌は空気に触れると、活性度が落ちてしまう。
開封後は早く食べないともったいない。
よく大きなパックで買い、毎日少しずつ食べる人がいるが、小さなパックで一度にたべたほうがいい。
(3)ヨーグルトは毎日食べよう:
加齢とともに腸内のビフィズス菌は減ってくるので毎日食べないともったいない。
エサとなる水溶性食物繊維(キウイやリンゴ)やオリゴ糖(バナナやはちみつ、きな粉)をとって、腸内で菌を育てることも大事。
(4)納豆は夜食べよう:
納豆と言えば朝食の定番だが、納豆にはナットウキナーゼという血液をサラサラにして血栓を予防する成分がある。
心筋梗塞は夜中から明け方に発生することが多い。
ナットウキナーゼの血液サラサラ効果は食後12時間程度なので中性脂肪やコレステロール値が高い人の場合は夕方以降に食べるといい。
(5)納豆は食べすぎないように:
いくら健康にいいからといって、納豆には尿酸値を上げる原因であるプリン体が多く含まれている。
痛風のリスクが高くなるので、1日1パックくらいが理想だ。
(6)納豆はアツアツのご飯では食べない:
アツアツの炊きたてご飯に納豆を乗せる人は非常に多い。
しかし、ナットウキナーゼは熱に弱いので、熱いご飯の上に乗せると成分が壊れる可能性がある。
また、納豆菌が作るビタミン群には肝臓の炎症を抑える効果があるが、ビタミンB群は熱に弱い。
特に肝機能の数値が高い人は「冷やご飯」で食べよう。
(7)卵納豆は黄身だけがベター:
納豆に卵を混ぜる卵納豆は、トッピングの定番だが、卵白をのぞいた黄身だけを混ぜるとよい。
卵の卵白に含まれるアビジンという成分が、納豆に含まれる美肌成分ビオチンと結合して美肌成分の吸収を阻害してしまうからだ。
納豆との食べ合わせは卵黄だけがよい。
(8)粒納豆よりひき割り納豆の方が栄養価は高い:
納豆は発酵によって、元の大豆より栄養価を高めている。
ひきわり納豆は砕いた大豆を使用し、表面積が大きいので納豆菌による分解が進み、発酵時のビタミンなどが粒納豆より増える。
たとえば、ビタミンKは1.6倍、パントテン酸(ビタミンB5)は1.2倍多い。
納豆+キムチ+オリーブオイルの組み合わせが最強
(1)「納豆+ネギ」だ。ネギの辛味成分「アリシン」が、納豆に含まれる疲労回復効果のあるビタミンB1の吸収を上げてくれるという。
(2)さらに強力なのが「納豆+キムチ+オリーブオイル」の組み合わせ。
キムチも発酵食品だが、キムチの植物性乳酸菌はヨーグルトの動物性乳酸菌より生きて腸まで届きやすいので、善玉菌を増やす納豆と合わせると整腸パワーがアップする。
また、オリーブオイルのオレイン酸には腸のぜん動運動を促す効果がある。
便が油分を含むので腸内でのすべりがよくなり、便秘解消が期待できる。
オリーブオイルの目安は納豆1パックに小さじ1杯程度だ。