玄米の栄養成分は「米ぬか」に集中しています!
ガンの食事療法として注目されているのが玄米食。「昔から食養生といえば玄米です。特にガン患者さんにとって主食を玄米にすることは基本中の基本!」とガン患者さんの食事療法を指導する医師は語っています。
そのようなことからガン患者さんで玄米食を取り入れている方は多いですね。なぜ白米でなく玄米なのか?
それは、玄米には生命を育む栄養成分があるけれど、白米にはないからです。白米は発芽しませんが、玄米は発芽して新たな命を繋ぐことができます。
田を耕しコメという我が国の風土に適した主食を作ることに成功した先人は、収穫された玄米そのままの形で食してきました。
江戸時代の一般庶民は、アワやヒエなどの雑穀主体で、玄米を食べれるのはまだ良いほう。白米にいたっては、当時の一部の富裕層しか食べることができなかったようです。
ただし、白米を食べれなかった庶民には少なかった脚気(かっけ:ビタミン不足による心不全、末梢神経障害)という病気が、殿様や公家、豪商に多かったという記録があります。その後、精米技術が普及し白米が広く流通するようになった大正時代以降、脚気は一時国民病とまで言われるほどになりました。
白米は玄米を精製(精米・精白)して作られます。精製の際に捨てられてしまうのが、米ぬかや胚芽です。実はこの捨てられている米ぬか・胚芽にこそ、生命にとって貴重な、そして私たち人間の体にも必要不可欠な栄養成分が含まれています。
とくに米ぬかは、玄米が誇る栄養成分そのものといえます。玄米のうち米ぬかは重量にして約10%。残りの90%は白米として食されている「胚乳」です。
この1割ほどの米ぬかに、玄米全体に含まれる貴重な栄養素の95%が集中しています。つまり、玄米食の意義は、《米ぬか》にあるのです。
【米ぬかに含まれる主な栄養成分】
・フィチン酸 (イノシトール6リン酸:IP6)
ガン抑制作用・抗腫瘍作用、尿路結石や腎結石の予防、歯垢形成抑制など
・イノシトール
脂肪肝や高脂血症、セロトニン異常に起因するうつ病、パニック障害、強迫神経症の改善
・フェルラ酸
紫外線吸収、酸化防止機能など
・γ-オリザノール
コレステロールの吸収抑制、更年期障害の不定愁訴に効用があるとして医薬品にもなっている。
・食物繊維
・ビタミンB1
・ビタミンB6
・ビタミンE
・ミネラル
・鉄
・マグネシウム
・マンガン
米ぬか健康法は、お腹の調子を整え便通・便秘の解消、コレステロール・高血圧・糖尿などの生活習慣病、美肌、肥満解消などが期待できます。
*米ぬかに含まれる食物繊維の一種フィチン酸(イノシトール6リン酸:IP6)は、ラットを用いた動物実験でガン抑制効果が確認されています。
*フィチン酸(イノシトール6リン酸:IP6)の研究では、米国メリーランド医学部病理学教授 アブルカラム・M・シャムスディン博士が有名。
シャムスディン博士はエルンスト・グラーフ博士が1985年に発表したフィンランド人とデンマーク人の大腸ガン発症率の研究に刺激を受けました。
グラーフ博士の研究は、食生活においてフィンランド人より2倍量の食物繊維を摂取しているデンマーク人のほうがフィンランド人より2倍大腸ガン発症率が高いのはなぜか?というものです。
調査の結果、フィンランド人は穀物中心の食習慣によりフィチン酸(イノシトール6リン酸:IP6)を多く摂取していたことがわかりました。
その後シャムスディン博士は、フィチン酸(イノシトール6リン酸:IP6)の大腸ガン・肝臓ガン・乳ガン・肺ガンなどへの抗ガン効果や、心臓や血管疾患の予防効果を検証しています。