この問題は「末梢のインスリン抵抗性」の存在を考えた時に「筋肉量」が多ければ「抵抗性は低く」少なければ「抵抗性は高い」と考え「食事前に運動をすることはグリコーゲンの空き容量を作ることで一時的に抵抗性が下がる」としました。
しかし、現在では「筋肉量」や「空き容量」は「末梢のインスリン抵抗性」とは関係ないとの結論に達しています。
この理由は「非筋肉質・やせ型」で「運動量も少ない女性」の「糖負荷試験」があまりにも「正常」であった方が存在したからです。
このような方が1名でも存在すれば「耐糖能低下」を「筋肉量」や「食前の運動量」で説明することに「矛盾」が生じてしまいます。
「末梢のインスリン抵抗性」が「崎谷理論」による「細胞内のブドウ糖の飽和」による「バックフロー」を押しとどめるための「インスリン需要」と考えることで、矛盾なくすべての「耐糖能異常」のメカニズムが説明できることができます。
「バックフロー」の結果としての「追加インスリン分泌」の考え方は「耐糖能異常」を改善する「糖質リハビリ」の方法論に「新しいメソッド」をもたらしました。
それは「インスリン毒」を過度に恐れず「低血糖対策」にまず重点をおくべきという方針を新たに加えるきっかけとなりました。
「低血糖」があれば「グリコーゲンを満タンにできない」だけでなく、これが「血糖値の安定化を妨げる因子」であったかからです。
「糖は毒」ではないと同様に「インスリンは猛毒」ではない。
こう言い切れるようになったのも「良き正の乖離」が「糖質リハビリ」によって私自身にもたらされたからなのです。
「低血糖対策」を放置して「筋トレ」で「筋肉量を増やす」ことなどはできません。
このことに気づかないで「筋トレ」を勧めることをしてしまうとまた新たな「副作用」を生むことになるのです。
「エネルギー代謝」の改善なくして「物質代謝の改善」はありません。
「末梢のインスリン抵抗性」は「糖質負荷」でしか改善できないことにはやく気づく必要があります。
末梢の血糖値が「100㎎/dl」急上昇して何が怖いのでしょう。
高血糖ではそう簡単には死にません。
循環血液量が「40dl」の方にとって「たった4グラムのブドウ糖が血液中に増えただけ」に過ぎないのです。
「低血糖」が続くこと自体が、「末梢のインスリン抵抗性」を高める。