「種子は人間よりももっと賢い。40億年も前から植物は生きている。
DNAは、太陽や月、宇宙ともつながりを持っている。
どのタイミングで芽を出すべきなのか、ベストなタイミングを知っている。
それを邪魔しているのが人間なのだ。」
【種子は誰のもの 今こそ変革の時 本物の農業取り戻そう】
種子は誰のものなのか?
種子は空気と同じ、雨水と同じ。
企業や国のものではない。
しかし、日本の主要農作物種子法は廃止になり、多国籍企業が日本の種子の権利を奪い、遺伝子組み換え作物が市場へ出回る‥‥
これはモンサントをはじめとする種苗会社が問題なのではない。
もう一度、日本の農業について考えてみよう。
‥私は植物にもコンパニオンプランツという仲間があることを知った。
植物同士が助け合い、豊かな土壌を築く自然の力の奥深さに魅了された。
しかし、今の畑はどうだろう。
単一の作物が一面を埋め尽くし、農薬や肥料が撒かれ、土はどんどん痩せていく。
この70年で地球上の畑の生態系は悪化の一途をたどっている。
これは、誰の責任なのだろうか?
‥500年から600年前に伝わったと言われる種子がその村にはある。
しかし、村でこの種子を守るのは一人のおばあさんだけ。
このおばあさんがいなくなれば、この種子の命も消えてしまう。
これは、私の村だけの話ではない。
日本各地で起こっている現実だ。
‥‥50年後、日本には日本の食が残っているだろうか。
‥‥世界でも群を抜いて高い農薬の散布率。
添加物が大量に使われたインスタント食品。
多様性が失われ、限られた品種しか市場にでない野菜。
96%を輸入に頼る大豆...。
日本人の食事情は非常に危険な状態である。
そして今、世界ではその危険性ゆえ廃止されている、遺伝子組み換え作物と農薬が日本の市場を狙っている。
いつから、日本の食を支えてきた農業はここまで弱くなってしまったのであろうか。
‥‥人間によってつくられたF1種や遺伝子組み換え作物は、同じことを繰り返す人生をたどる。
それは、アップデートできないことを示す。
‥‥しかし、企業による侵略を案ずる前に、我々はまず自分たちの農業をもっと強くすべきである。
そして、種子を守る仕組みと新しい経済システムをつくらなければならない。