ナイアシン2~3gは、当院では統合失調症の標準的な治療。
最近では、躁うつ病(双極性障害)や慢性うつ病にも顕著な効果を確認している。
抗躁効果、抗うつ効果、両方あるのは確実。
特に、リチウム+バルプロ酸で躁うつ病相が予防できなかった人に効果がある。
上記の慢性疾患を持つ人には、ナイアシン500mg開始でも結構フラッシュを起こさない。
もう一つ、ナイアシンは睡眠障害に顕著な効果がある。
慢性の精神病患者の大多数は、睡眠障害があるため睡眠導入剤を服用している。
ナイアシンを投与することにより、睡眠導入剤を減量、中止できた人が多数。
投与方法としては、500mgの錠剤を朝1錠、昼1錠、就寝全2~4錠と就寝前を多めに服用。
L-トリプトファン→セロトニン→メラトニン
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ナイアシン
ナイアシンを投与することにより、L-トリプトファンからメラトニン合成が促されるのが作用機序。
この睡眠障害改善作用は、フラッシュタイプのナイアシンのみにあり、ナイアシンアミド、徐放型のナイアシン(イノシトールヘキサニコチネート、inositol nicotinate)にはないと推測している。
一時期、ホッファー博士と同じように、朝3錠、昼3錠、夜3錠服用していたが、過眠傾向となったので減量した。
不思議なことに、朝、昼、服用時には眠くならないが、夜服用すると途端に眠くなる。
睡眠導入剤断薬を希望されている方は、ナイアシンを服用すべきでしょう。
フラッシュが怖い健常人は、100mgで開始を。
*ナイアシン開始1週間前からCの大量服用を行っていれば、ヒスタミンが放出され、フラッシュが出にくくなる。
量は3~10g(腸耐性容量)。
*アスピリン100mg程度と併用すれば、フラッシュが出にくくなる。
例えば小児用バファリン。
*高タンパク/低糖質食併用は必須。
もしくは、精製糖質完全除去のオーソモレキュラー食。
*当然他のビタミン、ミネラルも併用することが望ましい。
A、B50、D、E、Fe、Zn、Mg。