加齢による身体の衰えは目の下のたるみを引き起こします。
しかし、加齢のせい諦めるのではなく、その対策を意識した生活を心がけましょう。
目の下のたるみの対策方法について解説します。
目の下のたるみの原因とは
目の下のたるみにはさまざまな原因が考えられます。
たるみの原因を知ることは、自分の身体について知ることにもつながります。
目の下のたるみにつながる原因について見ていきましょう。
筋肉の衰え
人間の顔にはたくさんの筋肉が存在します。
加齢によって筋肉は徐々に衰えていきますが、それは顔の筋肉においても例外ではありません。
普段の生活を振り返ったとき、デスクワークが多くて慢性的に運動不足だという認識があったり、無表情で過ごすことが多いと感じたりする場合は、特に注意が必要です。
加齢による身体の変化
加齢により、皮膚内部のコラーゲンやヒアルロン酸が少なくなることも、目の下のたるみを引き起こす原因の1つと考えられています。
コラーゲンやヒアルロン酸は肌のハリや弾力を保つのに大切な役割を担っているので、これらが失われることは肌の見た目に大きく関わってきます。
目の下の脂肪
目の下の脂肪のことを眼窩脂肪(がんかしぼう)といい、加齢によって目の下に膨らみとして現れることがあります。
これが目の下のたるみとして顔を老けた印象に見せてしまいます。
また、眼窩脂肪の膨らみがあることによって、目の下のクマをより目立たせてしまう場合もあるようです。
目の下のたるみ対策
目の下のたるみ対策は、肌表面のケアだけに留まらず、身体全体の総合的なケアが必要です。
たるみ対策で気をつけること
目元の皮膚はとても薄くデリケートです。
目の下のたるみを解消させようと、自己流のマッサージなどで皮膚を無理に引っ張るとトラブルを引き起こしかねません。
また、顔の筋力アップのためにと、やみくもに顔を大きく動かしていると、シワの原因になることもあるので注意が必要です。
強い刺激を与えるマッサージや筋肉トレーニングは逆効果になる可能性もあることを覚えておきましょう。
スキンケアの際は手で強くこすらないようにし、触れるときは丁寧に優しくすることを心がけます。
どの世代においても紫外線対策は重要
たるみ対策として、アンチエイジングを意識した肌のケアを行うことが大切です。
特に、肌に与える紫外線の影響はとても大きいので、普段から日焼けには気をつましょう。
紫外線を浴びると、身体の中に活性酸素が発生しやすくなります。
活性酸素が増え過ぎると、体内に存在しているコラーゲンだけでなく、肌の弾力に関わるエラスチンという成分の働きにも悪影響をおよぼすといわれています。
紫外線対策は夏だけではなく、1年を通して行いましょう。
余分な老廃物を溜めない生活習慣を身に付ける
身体に余分な老廃物を溜め込んでいると、むくみの原因になり、目の下のたるみがより目立ってしまうことも考えられます。
また、新陳代謝の低下につながる可能性もあります。
塩分の過剰摂取は控えるとともに、アルコールやタバコの量には注意してください。
また、普段あまり身体を動かす習慣がない人は、無理のない範囲で意識的に運動しましょう。
目元のむくみが気になる場合は、冷えたタオルと温めたタオルを用意し、交互に目元に当てるとよいでしょう。
保湿をしっかり行う
歳を重ねるごとに重要性を増してくるのが、肌の保湿です。
身体は加齢によりさまざまな機能が低下していき、身体の水分量も加齢とともに低下します。
乾燥は肌のハリにも関わるので、保湿ケアには力を入れましょう。
基本的なスキンケアをおろそかにせず、丁寧に行うこよが大切です。
また、その時々で肌の欲していることに敏感になる臨機応変さを忘れないこともポイントです。
ふと鏡を見たら、目の下とまぶたがたるんでいるということはありませんか
そのようなとき、もしすぐに解消できる方法があれば、ぜひ実践したいですよね。
すぐに簡単にできる目の下とまぶたのたるみの解消法をご紹介します。
目の下やまぶたがたるむ原因
目の下やまぶたの周囲はもともと皮膚がうすく、たるみが目立ちやすい部位といえます。
まずは、目の下、上まぶたそれぞれがたるむ原因を見ていきます。
目の下がたるむ原因
目の下がたるんでしまう原因はさまざまありますが、ここでは代表的な3つから、たるみのメカニズムを考えていきます。
老化による皮膚のたるみ
加齢とともに目の周囲の筋肉が衰え、脂肪がたまって皮膚が下がったり、皮膚内のコラーゲンやヒアルロン酸が減少することで肌のハリや弾力を失い、たるんでしまいます。
眼窩脂肪のふくらみ
目の下の脂肪を「眼窩脂肪(がんかしぼう)」と言いますが、年齢を重ねるうちに次第にこの眼窩脂肪が飛び出すようにふくらみ、目の下の皮膚がたるんでしまうことがあります。
眼窩脂肪があることで、目の下にくまがあるように見えることもあります。
まばたきの減少
オフィスワークやゲームなどにより、毎日長時間パソコンやスマートフォンの画面を見ていると、いつのまにかまばたきの回数が減り、目の周囲の筋肉が衰えてたるみになることがあります。
このほか、若い頃はチャームポイントだった涙袋が、加齢とともにシワやたるみとして目立ってしまうケースも考えられます。
涙袋は筋肉ですので、加齢やまばたきの減少にともなって衰えてしまうことがあります。
まぶたがたるむ原因
まぶたのたるみは、上まぶたの皮膚が垂れ下がってくることによって起こります。
若いうちははっきりとした二重まぶただった方も、たるみにより皮膚がかぶさってきてしまい、二重のようになってしまうことがあります。
老化による皮膚のたるみ
まぶたのたるみの原因は、加齢によるものがほとんどです。
年齢を重ねることで皮膚のハリが失われ、目の周りの筋肉(眼輪筋)も衰えてきます。
そのほかの原因
毎日長時間パソコンやスマートフォンの画面を見続けることで無表情で過ごすことが増え、表情の筋肉が衰え、眼輪筋が衰えてしまうこともあります。
また、普段から目をこするクセがあったり、毎日のスキンケアやメイクで目元を刺激してしまうことで、まぶたのたるみを引き起こしているケースもあります。
目元の状態が気になる人は、目元のダメージチェックで現状をチェックしてみてください。
上まぶたのたるみが進むと、視界が狭く感じられることもあります。
目を見開こうとして額の筋肉を使おうとすると、今度は額のシワが増えてしまい、さらに老けて見えてしまうことも。
たるみによって老けて見えるだけでなく、頭痛や肩こりをともなう「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という症状にまでなってしまうと、治療が必要となることも。
目の下のたるみを解消するツボ
目の下のたるみをとる方法として、ツボ押しマッサージがあります。
方法は簡単ですので、オフィスや自宅のリビングなどでぜひ試してみてください。
また、記事内の動画もぜひ参考にしてください。
球後(きゅうご)
目頭に人差し指の腹を当てます。
目尻の斜め下の骨のくぼみにある「球後(きゅうご)」というツボを通って、目尻に向かい軽くはじくように押します。
1~2を5回くらいくり返します。
このほか、目の下の骨のすぐ上にある「承泣(しょうきゅう)」というツボも、目の下のたるみを取るのに効果的なツボといわれています。
まぶたのたるみを解消するツボ
まぶたのたるみを解消するツボ押しマッサージとしては、「魚腰(ぎょよう)」や、「瞳子りょう(どうしりょう)」がおすすめです。
魚腰(ぎょよう)
眉の中央下ほどにある「魚腰(ぎょよう)」というツボに親指の腹を押し当てます。
心地よいと思えるくらいの強さで軽く押さえます。
眉を下から押し上げるように20回ほど揉みます。
瞳子りょう(どうしりょう)
目尻の1cmほど外側にあるくぼみの位置にある「瞳子りょう(どうしりょう)」を見つけます。
人差し指の腹を使って、軽く押します。
「瞳子りょう」は、まぶたのたるみだけでなく、目の周りのたるみや目尻の小ジワ、肌の乾燥や肌荒れにもよいといわれています。
ツボを刺激するときの注意点
ツボの位置は人によって異なります。
目安となる部位を中心に、押した時にズンと響くような痛みや気持ちよさを感じる場所を探しましょう。
また、目の周りは皮膚が薄く、非常にデリケートな部位ですので、やさしくなでるように行うことが大切です。
ツボ押しは身体の状態によっては刺激が強すぎることもあります。
体調がすぐれないときや飲酒をしているとき、妊娠中などは避けたほうがよいでしょう。
目の下とまぶたのたるみを解消する方法
目の下や上まぶたのたるみを解消するツボ押しをご紹介してきましたが、たるみの予防や改善には、以下のような方法もあります。
日常的なスキンケア
表情筋トレーニング
マッサージ
クリニックでの治療
日常的なスキンケア
目の周りはとてもデリケートです。
スキンケアの際は、「塗る」というより「載せる」という感じで、やさしく行いましょう。
化粧水をやさしくなじませたあとは、水分を保持する役割を持つセラミド入りの美容液やクリーム、目の周りの専用パックなどでたっぷりうるおいを与えましょう。
ホットアイマスクなどを使用して、ゆっくりと温めてあげるのもよいでしょう。
まぶたの血流をよくすれば、むくみなども解消できます。
「目が疲れたな」というときはこまめに目を閉じたり、目薬をさしたりしましょう。
目の下には冷やした牛乳やお茶をコットンに浸して、目の下をパッティングするのも効果的だといわれています。
表情筋トレーニング
目元のたるみを解消するには、目の周りを取り囲む「眼輪筋」を中心に、表情筋を鍛えるのもおすすめです。
<眼輪筋全体を鍛えるトレーニングの一例>
軽く目を閉じる
ゆっくりと目をギューっと閉じていき、5秒間キープ
少しずつ目の力を抜いていく
眉を上げ、目をパッと開く
5秒間キープしてから、ゆっくりと自然な状態に戻す
マッサージ
目元をマッサージするという方法もあります。
ただし、目元の皮膚はとてもデリケートなので、肌に摩擦を与えるような方法はたるみだけでなく、シミやシワを招く原因にもなってしまいます。
専用のクリームなどを使って、滑りをよくしてからやさしく行いましょう。
目元マッサージのやり方については、『老け、疲れ顔を撃退!目のくま&たるみマッサージ』をご覧ください。
目の下のくまなどにも効果的です。
クリニックでの治療
目袋や目の下のたるみを解消するには、美容皮膚科や美容外科で施術を受けるという方法もあります。
クリニックでの治療の代表例は以下の通りです。
経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう):余分な眼窩脂肪を除去する方法
下眼瞼形成術(下眼瞼リフト):余った皮膚を切除する手術の総称
ミッドフェイスリフト:目の下のたるみに加えて、頬のたるみやほうれい線の改善を行う手術
注入治療:目袋のくぼんだ部分にヒアルロン酸や脂肪、PRP(多血小板血漿)を注入し、凹凸を目立たなくする方法
普段の生活においては、十分な睡眠を取ったり、魚やレバー、ニンジン、ジャガイモ、大豆などの、目によいといわれている食品を意識して摂ったりすることも、たるみの改善につながるでしょう。
目の下や上まぶたのたるみの原因を知るとともに、ツボ押しマッサージや、その他の方法を見てきました。
目元は顔の印象を左右するパーツです。
オフィスや自宅で簡単にできるツボ押しで、すっきりとした目元をキープしましょう。
ただし、まぶたはとてもデリケートな部位ですので、毎日のお手入れやツボ押しは、やさしく行うことが大切です。
ご自身・ご家庭でいわゆるマッサージや指圧(ツボ押し)などをする際の注意点
1.マッサージや指圧などは身体に影響を及ぼす行為です。
ご自身・ご家庭で行う場合は、部位の把握や力の加減が難しく、身体への影響には個人差があります。
2.病気やケガ、痛みがある場合は、マッサージや指圧などをするまえに医師の診断やアドバイスを受けましょう。
3.食後、飲酒時、妊娠中など、普段と異なる体調の際は、自己判断によるマッサージや指圧などは避けましょう。
4.マッサージや指圧などをしたことで体調が悪くなったり、痛みなどが出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。
また、症状が改善しなかったり悪化したりするようなら、医療機関を受診しましょう。