Dr. ナターシャ・キャンベル-マクブライドは正式な教育を受けたロシアの神経科医で、お子さんが自閉症になりました。
自分で自閉症について研究した結果、自閉症にとどまらず、神経系、生理的、自己免疫性の障害を癒せる可能性がある、最も奥行きのある基幹的処置戦略の1つもいえそうな方策を生み出しました。
私は同氏いわく腸・生理症候群というものを信じます。
この腸・生理症候群(GAPS)栄養プログラムはほとんどの人にとって重要です。多くの人は貧粗な食生活や毒素への暴露によって腸の健康がさえないからです。
GAPSプログラムは自閉症をはじめ、次のような神経系疾患や精神病の方を助けます:
失読症と統合運動障害
抑うつ症状
強迫障害
双極性障害
癲癇
腸・生理症候群とは何か
このインタビューで、腸と免疫系の間に深淵でダイナミックな相互作用が存在するので、腸が免疫系にいかに影響するかについて話し合いました。
Dr.マクブライドは腸・生理症候群と同名の表題の著書で腸・生理症候群関連の問題を取り上げています。
2作目は神経系ではなく次のような身体の他の部位に発生する疾患との腸・生理症候群の関連性を取り上げています。
関節炎
ぜんそくとアレルギー
皮膚の異常
腎臓の異常
消化不良
自己免疫障害
免疫系異常はGAPSによく見られる症状で、こうした免疫異常はほぼ全ての萎縮性疾患の原因になっています。
「なぜそうなっているのでしょうか?免疫系の約85%が腸壁に存在するからです」と、同医師は説明しています。
「この事実は1930年代から1940年代の生理学的基礎研究で実証済みのことです。
腸、つまり消化壁は体内で最大かつ最も重要な免疫器官です。
消化器官にいる腸内細菌叢と免疫系の間に常時緊密な交信と関係が維持されています。
腸内細菌叢(腸内細菌叢の状態と腸内細菌叢にいる微生物の組成)はある日にどんな形の免疫細胞が生み出されるか、その機能や免疫系全体の平衡に大きな影響を及ぼします。」
腸内細菌叢が定める免疫系の組成
免疫系には主要な2本の「腕」があります:
1. Th1免疫性は花粉をはじめ動物のフケ、埃に潜むダニ、化学物資、食品、体と接触するありとあらゆるものといった環境から来る全ての物質に対して正常は反応を司っています。
Th1は腸内細菌叢によって頑丈で健全に維持されています。
腸内細菌叢が正常である限り、こうした環境からの影響に晒されても重篤な症状はでません。
しかし、腸内細菌叢に異常があると、Th1の無効化が進行します。
2. Th2免疫性は体内の免疫機能を担っており、外界の影響に対応するようにはできていません。
しかし、Th1が無効になると補償しようとします。
残念ながらこの機能がもともとないので、花粉や食品などの環境からの影響にはうまく対処できず、その結果アレルギーや不耐性に帰結します。
食品アレルギーと不耐性がアナフィラキシー性アレルギーとは全く異なるアレルギー群であることを認識してください。
無効なTh1 (腸内細菌叢の異常が原因)による食物不耐性は真性アレルギーと同じ免疫グロブリンによっては媒介されません。
食物不耐性は数時間後や数日後の発症をはじめ、数週間後でさえ発現する場合があり、食品アレルギーの特定が極めて困難です。
食品アレルギーと不耐性は頭痛、くしゃみ、吹き出物、腹痛、関節の腫れ等あらゆる反応に帰結していることで問題がさらに複雑になります。
さらに、乾癬をはじめ湿疹の炎症が突発することもあります
同時に、腸内細菌叢が異常になると、腸内細菌叢の活性により保全されている腸内壁が劣化し始めます。
(善玉腸内バクテリアは消化管全体の内壁細胞が健康で、正常な栄養を受け続け、化学物質や微生物による攻撃から保護するようにしています。)
腸内壁の劣化に伴い、細胞間の連結部分が開き始め、腸が多孔性になるすなわち「漏れ」始めます。
それで、正解は
こうした健康上の問題を解決するための鍵は反応している食物が何かを見極めてこれを食べないようにすることではありません。
腸内壁の癒しに注目してください。ここが問題の原因である可能性が最もあります。
アレルギー検査は高価なのでこの方法が最も費用対効果のある戦略でもあります。
GAPSと自己免疫障害
自己免疫障害はGAPSの最もよく見られる副作用です。
伝統医学は200種類程の自己免疫障害を識別しており、この数はさらに増え続けています。
消化管内の細菌叢異常による異常な増殖が見られるもの:
病原菌
病原ウィルス
真菌
寄生虫
原虫
腸内壁が悪化し始めると、これらの病原体は血流に容易に侵入し、体内を循環し始めます。
その一部は特定のタンパク質との親和性があり、癒着します。
このため、タンパク質分子の3D形状が変化します。
免疫系がこうした異物に見えるタンパク質を検出すると、攻撃し始め、抗体を生産し始めます。
GAPSと多発性硬化症
興味深い事実として、身体が特定の毒素を自分で除去できなくなると、こうした毒素を除くために外界から微生物を呼び寄せて利用するようになります。
残念ながら今日ではこうした仕組みが機能していません。
痒み、感覚マヒその他の症状が出るや否や、医者に診てもらうのが通常で、医者は何らかの薬を直ちに処方します。
しかしこれが免疫系を鈍らせます。
その結果、ウィルスが広がり、治療前よりも根をしっかり張り始め、病気が慢性化して定着します。
ほぼ全ての自己免疫障害に対する自然な抗体は体内にある
全ては子宮から始まります。
胎児の胸腺が発生し始めるや否や、母体と共有されている血中に浮遊するタンパク質が胎児の免疫系に信号を送り始め、全ての検出されたタンパク質に対する固有の反応素子を割当てます。
自己免疫障害は免疫系が毒素やその他外界からの影響によって汚染された体内の特定の組織やタンパク質を攻撃することで発生します。
念頭に置いておきたいこととして、この不均衡、こうした毒素の影響は消化器系すなわち腸からも発生することです。
残念ながら、伝統医学ではこうした研究は全く無視されており、自己免疫障害を消化系障害としてとらえていません。
これこそDr.マクブライドが確信していることです。
発酵食品の重要性
体内のバクテリア数が全身の細胞数より10対1の割合で断然多いことはご存知でしたか
これらの細菌には善玉と悪玉がいます。
理想的なバランスは善玉85%悪玉15%です。
プロバイオティクスの重要性について語るときに、この理想的構成比を維持することです。
プロバイオティクスが新しいコンセプトではないことを理解しておいてください。
新たなことは、錠剤として得られるようになったことだけです。
しかし歴史的に人類は大量のプロバイオティクスを発酵食品や培養食品の形で摂取してきました。
これは冷蔵その他形態の食品保存方法の黎明期よりはるか前に発明されたものです。
発酵食品は種類豊富な善玉バクテリアを含むばかりではなく、その数量もはるかに多く、他の方法よりはるかに費用対効果が高い代替手段です。
議論の焦点はここにあります:
100億を超すコロニー形成単位を含むプロバイオティックサプリメントはまず見つかりません。
しかし私たちチームがプロバイオティック開始培地から生産した発酵野菜を試験したところ、バクテリアからなる10兆ものコロニー形成単位がありました。
文字通り、1回の食事分の野菜が高い効能を唄うプロバイオティックサプリ1瓶全部に等しいことがわかりました!
従って、発酵食品を使う方がはるかに得です。
発酵プロセスのしくみ
「母なる自然は極めて賢くあまりにも親切です。
全ての有機フルーツや野菜、地表の埃、全ての植物には乳酸菌が含まれています。
新鮮なキャベツの葉は有機栽培されている限り(化学肥料や薬品で育てたものではなく)は乳酸発酵細菌である乳酸菌が覆っています。
何も添加する必要がありません。
ぶつ切りにするだけですみます。
塩を少々最初の内は加えてください。
(初期段階では腐敗菌の増殖を阻止するためです。)
乳酸菌が機能を止めて増殖し始めると、乳酸を生産します。
これが乳酸菌と呼ばれる起源です。
それは乳酸であるにすぎません。
「癒しの危機的状況」を発生しにくくする方法
ここで説明しておく必要がある1つの注意事項として、いわゆる癒し段階での危機が生じる可能性があります。
これはDr. マクブライドが死滅反応と呼んでいる現象で、病原菌が膨大なプロバイオティクスを再度導入することによって病原菌、ウイルス、真菌その他有害な病原体が一度に大量に死滅することが原因で発生します。
どんな健康上の問題でも現在ある場合にかなり悪化する可能性があり、治るのに時間がかかります。
そのわけは、プロバイオティクスが病原菌を全滅する際に病原体である微生物が毒素を放出するからです。
毒素は鬱や意気消沈、パニック発作(不安発作)、リューマチ性関節炎、多発性硬化症その他の症状を起こします。
大量の毒素が一気に放出されると、症状も突然重くなります。
「発酵食品をまだ食べたことがなければ、最初はよく注意して段階的に食べることです」と、Dr. マクブライドは注意しています。
同氏の推奨によると最初はザウアークラウト等の発酵野菜をティースプーンに1杯だけ1回の食事に含めて、自分の身体がどのように反応するかを数日待ちます。
身体がこれを受け付けるようであれば、もう1さじ食べ、だんだんと1回の量を増やしていきます。
「しかし悪玉細菌の死滅が極端であれば、止める必要があります。
死滅を軽減させ、少量のザウアークラウトを食べるか、最初はザウアークラウトのキャベツではなく、その汁をティースプーンに1杯だけでもよいのです。
次の段階は1日にティースプーン2杯分等として増やしていきます。
こうして体内でじゅうぶんなだけ死滅させます。
その頃には腸内細菌叢が改善されてキャベツ自体を食べる準備ができています。」
善玉バクテリアを大量に含むばかりではなく、発酵食品は極めて効能の高い解毒物質である多くの活性酵素も含んでいます。
「癒しは二歩前進一歩後退、また二歩前進一歩後退といったぐあいに進行します」と、Dr. マクブライドは説明してくれました。
「しかし次の段階では規模が小さくなることがわかります。
死滅と解毒は前回ほどには継続しなくなります。
私たちは有毒な世界で生活しており、私たちの多くは体内に何層もの毒素を蓄積してきました。
身体はこれを排出して清浄化しますが、各層は継続時間が短くなり、それほど重大でなくなっていくのがわかります。
最終的には完全な活力みなぎる健康状態になります。
以前はいかに病気であっても100%健康だと実感するようになります。