(1)人は加齢とともに脱水傾向が進むため、汗をかきにくくなります。
皮膚に分布している汗腺が汗を分泌して体温を下げますが、暑さを感じたり喉が渇く等の自覚症状が遅れるためでしょうか。
若い人なら熱疲労で済むような場合でも、高齢者の場合は熱射病にまで移行することがあります。
暑さによって体の塩分と水分が過剰に失われた状態が熱疲労です。
血液量が減少するため、失神や虚脱を含む様々な症状が生じます。
例えば、めまい・ふらつき・脱力感・疲労・頭痛・眼のかすみ・筋肉の痛み・吐き気・嘔吐等々。
軽い錯乱も生じます。
心拍数や呼吸数が上昇して、血圧が下がります。
熱疲労を放置すると熱射病に移行しかねませんから、特に高齢者は強制的に水分を取る習慣を身につけ、快適な環境で過ごすことが大切です。
(2)汗をかくことによって、人は以下の効果が得られると言われています。
・腸が活発になる。
・脂肪が付きにくくなる。
・基礎代謝が向上して、体温が上がる。
・風邪をひきにくくなる。
・身体が軽くなり、浮腫も解消する。
・毛穴が浄化され、肌がキレイになる。
・ニキビの改善につながる。
・皮膚で作られる毒素(アンモニア)が排泄される。
・血液循環が良くなる。
・私たちの体内には乳酸・尿酸・分解しきれず残ってしまった老廃物・排泄が難しい重金属等が溜まっているため、これらが原因で疲れやすくなりますが、汗をかくことによって排出できます。
・更に、汗腺機能が弱いと自律神経失調症にも関係し、ニキビや脂性肌トラブルを招くこともありますから、要注意です。
(3)フィットネストレーニング場にはサウナがあります。
筋トレで発汗したら、その分をミネラルウォーターのペットボトル等から水分を補給します。
その後、ドライサウナやミストサウナに10分以上入って更に発汗を促し、筋トレの皮膚代謝で生じた毒素のアンモニアを排泄します。
日本の高齢者は汗をかかない日々を過ごしていると言われていますが、これは危険です。
人為的に無汗症になっているようなものですから、健康寿命を短くしかねません。
サウナ浴や温浴によって汗をかけば、自然治癒力が維持されます。
自然治癒力が維持されれば、健康寿命も延びると言われています。
(4)肥満症の人は健常人が発汗しない室温でも大量に発汗します。
身体の自律神経系が働いて、汗をかいて体温を下げることによって、恒常性を保とうとするからです。
そうであれば、室内をクーラー等で冷やして発汗を止めることは自然治癒力を自ら低下させ、病気を引き寄せていることになりかねません。
汗をかかない生活習慣を続けると、数年後には遺伝子が後天的に変異して、肥満症の合併症として、高血圧症・糖尿病・高脂血症・メタボリックシンドローム・脳血管疾患・心疾患・動脈硬化症・がん・歯周病・慢性疲労・アトピー・アレルギー疾患・精神疾患等に罹患しやすくなると言われています。
(5)なお、睡眠中の発汗は自然治癒力が維持されていると判断されるためでしょうか。
毎朝起床時に発汗を記録しておけば、自然治癒力が維持されているかどうかを簡単に確認できると言われています。