(1)人は何故病気になるのか。
適応能力を超えるような無理な生き方をしたからではないのか。
無理な生き方から生まれるストレスが、病気の誘因になっているのではないのか。
そうであれば、がんをはじめとする様々な病気にかかっている人々は自分の生き方を見直すべきである。
それこそが免疫の仕組みによる病気予防や治癒への道ではないのだろうか。
そんなことが言われるようになりました。
(2)上記の観点から、がんと診断された際に実施すべきとされる4ケ条が挙げられています。
①生活パターンを見直す。
がんとわかったら、生き方を変える。
内視鏡で早期胃がんが取れたとか、部分切除でがんが取れたとか言っても、同じような生き方をしていれば、いずれ再発します。
②がんの恐怖から逃れる。
がんの恐怖から、発がんしたときより更にリンパ球が減り、結果として免疫力が更に減ることがわかりました。
がんに恐怖して絶望的になった人のリンパ球の割合は、がんが暴れ出す数値とされる20%を割っていると言われます。
③消耗する治療は受けない、あるいは延々と続けない。
食べることができるとか、歩けるとかの基本的な体力がなければ、がんには勝てないという言葉には説得力があります。
④副交感神経を優位にして免疫力を高める。
私達の免疫系は副交感神経によって支配されており、軽い運動や笑いや入浴は副交感神経を刺激し、免疫強化に役立つと言われています。
(3)ストレスを緩和して、副交感神経を優位にし、心身をコントロールする。
心を平穏な状態に保てれば、リンパ球が活発化して免疫力が発動し、さまざまな病気が治癒へと向かう。
プラセボによる暗示にしろ、宗教による安らぎにしろ、心をポジティブにすることで身体の機能にプラス効果がもたらされ、実際に病気が癒されるといった症例は数多く報告されている。
そんな自然治癒プログラムが人間の身体に内在しているのにもかかわらず、その発動を抑えてきたのは、精神領域の作用を軽視した西洋医学ではないのだろうか。
そんな批判が聞こえてくるようになりました。
(4)精神領域からのアプローチを重視する代替医療は、総じて副交感神経を優位にしてリンパ球を活性化させ、自然治癒力を発動させるものではないだろうか。
ところが、代替医療で患者が快方に向かう症例がどれほど報告されても、治癒に至るエビデンスが希薄であるとか、未解明な領域であるとかの理由によって、西洋医療から一蹴されてきた。
しかし、西洋医療から一蹴されてきた代替医療が病気を快方へと向かわせるのは何故だろうか。
免疫学的な見地から新しいアプローチが検討されても良いのではないのか。
最近、そんな提言がなされるようになりました。