①血糖値を上げない食事、 ②小食・不食、 この二大柱のみです。
あとは、ビタミン・ミネラルを取るとか、添加物・薬を摂らないとか、運動をするとか、ストレスをためないとか、睡眠をしっかり取るとか、健康に生きるための条件はいろいろとありますが、それらははっきり言って枝葉末節であって、この二つが出来ていたら大体は病気せずに長生き出来るはずだし、この二つが出来てなかったら、どれだけやってもその効果は半減されてしまうと思います。
今までいろいろと健康に関することを調べて来たけれど、この二つが一番重要だと思われます。
世の中、やれ、コンドロイチンだとか、ビタミンCのサプリだとか、いろいろいろいろ、ほんとにどれを選べば分からないほど、健康食品や情報で溢れているけど、結局は、『健康とは、足し算ではなくて、引き算』、 言い換えれば、
『何を食べるか、ではなくて、何を食べないか、どれだけ無駄に食べないか』
であると思っています。
(業界は、それでは商品が売れなくなるので、”健康とは足し算である”と我々を洗脳してきますが)
では、なぜそう思うか、についてこれから科学的に理由を説明しようと思います。
① 血糖値を上げない食事
人類の歴史から考えたら一番分かりやすいと思います。
人間が穀類を栽培し始めたのは、その長い歴史から見てごく最近のことであるということ(人類史のわずかに0.7%!)、しかもこのように精製穀類、精製砂糖が大量に出回るようになったのは、たかだかこの30~40年なのです。
ですから、我々は人類史上最も、毎回毎回血糖値を上げる食事をしていることになります。
人間の体が大量の糖質を取るのに適していないということは、血糖値を上げるホルモンはいくつもあるのに、逆に下げるホルモンはインスリンしかないということからも分かります。
糖は、体全体の血流中に、わずかに4gしか必要ないので、残りはこのインスリン君ががんばって、脂肪細胞に押し込むことで、とりあえず事なきを得ます。
しかし、そのインスリン君が出動して血中から細胞や肝臓に取り込む時に、なんと血管壁を傷つけていくのです。
それが、毎回血糖を上げるような食事をしていると、インスリン君を出動させていたすい臓のランゲルハンス島というところのベータ細胞も、もう無理、疲れたよと壊れていき、唯一の血糖値を下げるホルモンが出せなくなって、糖尿病、高血圧、動脈硬化、果ては心臓・血管関係の病気へとつながっていく所以です。
穀類・お米について
お百姓さんが汗水たらして一生懸命働いて、日本人の根幹、とも思われてきた米ですが、これが実は、かなり不自然な食べ物なのです。
農耕を始めるまでは、ヒトは狩りをしたり、木の実や貝、魚を取ったりして食べていたわけですが、農耕が始まって以来、ヒトは土地に縛り付けられ、来る日も来る日も労働をしないといけなくなりました。
そのせいで、人間社会には争い事が起き、縄張り意識が芽生え、身分格差も生まれました。
しかし一方、確かに穀類というものが安定した食糧の供給をもたらしてくれたお陰で、人口は狩りをしていた頃より安定して増えていくことが出来たし、穀類という”ドラッグ”があったから、脳がより大きく、発達もしたと思われます。
何が不自然かというと、そんなに大変な思いをして一年かかってお世話して育てないといけない植物を、毎日毎食私たちが口に入れている、ということが不自然なのです。
例えば、私たちがある日無人島に放り出されたとして、そんなものがその辺には転がっているわけではありませんよね。
とりあえず魚を取ったり、なっている果物を取ったりするわけです。
それが自然だからです。
ですから、『人類の努力の賜物=体に良い』とは限らないということです。
ともあれ、炭水化物と砂糖類は体の中に入ってしまえば、結局「ブドウ糖」という同じものになりますが、毎回血糖値を上げて肥満を増幅し、体の各部位に糖化という炎症を起こし(関節炎、腰痛など)、自己免疫疾患(アレルギー)も引き起こし、恐ろしい糖尿病やガン(ブドウ糖はガンのエサ)に繋がってもいくので、糖質を制限したらいいのは、なにも糖尿病の人に限らず、人類皆にとって有益だということです。
特に、このように糖質食品ばかりが溢れるようなおかしな世の中になってしまっては、制限をしてして、ちょうどぐらいの感があります。
糖質の害については本当は、これでもかというほどまだまだあるのですが、それは今回は端折るとして、その中でも最近私が知って驚いたのは、ビタミンCと糖質(グルコース)の関係です。
ビタミンCは、白血球が体に侵入したばい菌やバクテリアと戦う時に必要とする栄養素です。
そのため白血球は普通の細胞の50倍もビタミンCを取り込むことを必要としますが、なんとこのビタミンCとグルコースの生化学的構造がとても似通っているために、この二つが競争して、最終的にはグルコースが競り勝ってビタミンCが細胞に入るのを阻害してしまうというものです。
お互い、細胞に入り込むためにはすい臓のホルモンであるインスリンとその出される信号に頼っているのですが、グルコースの方がこのインスリン受容体と”仲よし”なため、循環する血糖が多ければ多いほど、細胞に入れるビタミンCは少なくなるのです。
つまり、『血糖値の高い食事をしていると、免疫系システムが弱くなる』ということです。
例えば、お菓子ばかり食べて、栄養のないものを食べていると風邪を引きやすくなります。
風邪というと軽く聞こえますが、実はすべての免疫系の病気にも抵抗力が弱まっている、ということを表しています。
② 小食・不食
病気にならないで長生きするためのもう一つの柱が、この小食・不食です。
いつもいつも、お腹いっぱい食べていると、体が食べ物の消化で忙しいあまり、自分の細胞のメインテナンスまではどうしても手が回らなくなります。
そうなると、どこかで遺伝子が傷ついてもその修復がおろそかになる、修復間違いも起こってくる。それが癌の発生です。
また、体のあちこちに老廃物もたまります。血管も詰まってきます。
それから、食べるという行為には、必ず活性酸素の発生が伴います。
活性酸素は、体の細胞を傷つけ、老化の元となります。
ですから、身も蓋もない言い方をすれば、食べれば食べるほど、ヒトは早く老化して死に近づく、ということです。
この反対が、小食・不食です。
その効能を一言で言えば、お腹が空くと長寿遺伝子(サーチュイン)がオンになります。
体が飢餓状態になると、体にとっては一大事であるために、細胞の働きが活性化されて、生命力が増すのです。
おまけに、副腎皮質から若返りホルモンが出るというのですから、私たちが連想する『空腹=生きることから遠ざかる』とは反対の作用ですね。
また、空腹になると、体のマクロファージ(貪食細胞)が、何か食べるものはないかと、体の中の老廃物や、血管中のゴミなどをあちこち探して食べて回ってくれます。
体の中のお掃除をしてくれるから、いろいろな病気にもかかりにくくなります。
また、エネルギーとしてお手軽に使える糖が入ってないのですから、蓄積されていた脂肪は燃焼しはじめ、糖新生(体内で自ら糖を作りだす)という、眠っていた機能も呼び覚まされます。
ですから、お腹がぐぅ~となったら、それは生命力が呼び覚まされるサインです。
その時にあー、食べなきゃ!と急いで食べずに、しばしその空腹感を楽しみましょう。
私はそういう時にはお湯を飲んで、そのまま抜くか食べるのを出来るだけ遅らせます。
また、そういう空腹時にこそフルーツを食べると、血糖値は多少上がりますが、ビタミンなどの吸収がとても良いです。
フルーツは、食後に食べると、他の食べ物と混ざって腸の中で発酵・腐敗してしまい、折角のビタミンが活かされないから、食前か食間がいいようです。
これら①と②二つにプラスして、ビタミン・ミネラルを取るということがやっと効果的になってきます。
毎回たらふく好きなものを食べて、はい、私はサプリもしっかり摂っていますよ、というのは、あまり意味がないということです。
あと、添加物を取らない、(慢性用)薬・悪い油系を取らない、ストレスをためない、などは、もちろん大事ですが、これらは皆、実は「リーキーガットにならないための条件」なのです。
腸が良くなると、体全体が健康になってきます。糖質を控えているのに、思うように痩せない、という人は、腸環境を疑ってみたらいいかもしれません。
腸環境をよくするためには、引き算だけではなく足し算として出来ることは、オメガ3とプロバイオティクスの摂取です。
野菜や果物からの食物繊維も毒素を一緒に排出してくれるものとして大切です。
あと、睡眠は、寝ている間に、脳が脳内の老廃物(AGE)のクリーニングサイクルに入っていることが最近の研究で分かりました。
ですから、しっかりとまとまった睡眠を摂る事は、脳の健康と長生きにもつながってくるのです。
最後に、卑近な例としてですが、うちの犬の話―。
うちの犬の食事のメインは、生肉です。
しかも、100%牧草で育てた牛の肉を365日朝晩食べています。
それに、生卵を半個かけて生野菜か茹で野菜を少し混ぜたものをあげています。
それが出来るのは、まあ、うちが肉牛牧場もやっていて、たまに廃棄牛が出たりするので、お肉が有り余っているからですが(^^; 一般的なドライフードをやめて、このBARF(Bone and Raw Food)ダイエットに切り替えたのは3年前に肉牛を飼い始めて以来です。
なぜ変えたかというと、それが犬の本来食であると思ったからで、生の肉を食べていると、それに含まれる酵素もたっぷり摂れるので、結果的に病気にもかかりにくく、長生きするらしいです。
売られているような完全栄養食としてのドライフードは、栄養こそ完全に添加されているかもしれませんが、生きた酵素がない”加工食品”なので、犬はそれを消化するために自らの酵素を使わなくてはならず、それがだんだん枯渇してくるらしいです。
また、どうしても商品としての宿命で、いくらグレイン・フリー(穀物抜き)を謳っていても、たんぱく質だけでは高価なので、かさましさせるもの(フィラー)としてポテトが入っていたりします。
それも結局は炭水化物なので、本来犬には要らないものです。
もちろん、獣医にそれを言ったら、いい顔はせず、大概はドライフードを勧めます。
しかし、彼らは獣医大学にいる時から、ペットフード会社に多額の寄付をもらっており、大学を出る頃にはそれを勧めるようにどっぷりと洗脳されているのです。
肉の手作り食をあげている、というと、ちゃんと栄養素が取れているか分からない、カロリーもどれだけかわからないから良くない、と言ってきますが、野生動物がカロリー計算、栄養素計算して食べてますか、それに余分な脂肪は、体外に排出されるので、問題ないはずです。
ちなみに、うちの犬のおやつは生ナッツかクコの実(ドライ)、アボカド、チーズ(私と一緒^^;)で、よくその辺に生えている草、生ベリーなども食べてます。市販の小麦粉で作ったようなドッグビスケットはもちろんあげません。
多分この子は王様の犬よりいいものを食べてるのではないかと思うぐらいです。
今は5歳のキャバリアですが、キャバリアは歳を取ったら心臓に問題が出てきやすいので、これからどうなるか、壮大な実験です。
今のところ、骨も噛んでいるので歯もピカピカだし、とても健康です。
お宅も、毎日生肉、というのは難しいかもしれませんが、ドライフードと組み合わせてたまには手作り食や野菜もあげたり、いろいろと工夫されてみてはいかがでしょうか。
お隣の犬が、6歳で先日ガンで突然亡くなりました。
飼い主さんは、ずっと、良いと信じている高級ドライフードをあげていました。
うちが、肉が余っているからお宅のワンちゃんに要ると聞いた時に、彼は、「肉は太るから要らない」と言いました。
彼もまた、『脂肪=太る説』を信じている一人でした。 その犬のガンの直接の原因は断定できませんが、その他、腰が悪いとか目の炎症などしょっちゅう不調を抱えていたし、そういったことも関係あるのではないかな、と勝手に想像しています。
また、うちの義母も、信じられない話ですが、自分の愛猫が喜ぶからと言って、毎日ホイップクリーム(スプレー缶のやつね)をお皿に山盛りあげます。
確かに大好きでしょうが、それをあげ続けるとどうなるか。
今、その猫はもうだいぶん老猫ですが、たくさんの健康問題を抱えているようで(まず肥満、腎臓が悪かったり、腰が痛いのか立ったり座ったりが容易に出来なかったり)まるで、ジャンクフードを食べ続けた人の老後のようで、とてもかわいそうです。
なぜこんなことを述べたかというと、人間も動物も基本は一緒だと思うからです。
人間は、自分のこととなると、つい目が濁ってしまいますが、こうして動物から学ぶことも多いのではないかと思います。
分からなくなったら、自分を犬に置き換えてみて、これは犬が食べてもいいかどうかと自問してみて下さい。
その答えは案外正しいものでしょう。
ヒトの体は『神の宮』、神聖でもっとリスペクトされるべきです。
そう思ったら、変なもの(酒やたばこ、ドラッグなど)は入れられないし、暴飲暴食も出来ないはずです。
脳と相談せずに、腸と相談して食べましょう。
胃腸は、いつも文句も言わずに黙々と働いてくれるあなたの大切なシモベです。
そのシモベを常にいたわってあげていたら、あなたにきっと報えてくれますよ。