甲状腺機能低下(LowT3)は、肝臓でなく骨格筋でのT4→T3変換不足が原因だった!
甲状腺ホルモンは今まで主に肝臓でT4→T3に変換され甲状腺機能が活性化されると考えられてきた。
私もそのつもりでいままで論じてきました。
しかし、この考えは改めないといけないかもしれません。
甲状腺ホルモンT4からT3に変換する酵素には、D1とD2という2種類のタイプがあります。
D1は肝臓と腎臓にあります、D2は骨格筋や脳にあります。
今までは主に肝臓でT4→T3に変換されると考えられてきた。
しかし、この論文(J Clin Invest. 2005 Sep;115(9):2524-33. Epub 2005 Aug 25.)によると、人において血中T3を規定するのは、肝臓ではなく骨格筋である。
すなわち骨格筋に存在する変換酵素D2が血中T3を維持していることを示唆しています。
糖質制限で高血糖を抑えることは必要です。
しかし、糖質を制限し過ぎると、糖質を少しでも摂った時に骨格筋での糖質の取り込みができなくなり、糖質を摂った時に食後高血糖をきたします。
そして、それが嫌でますます糖質が摂れなくなります。
その結果、LowT3やコレステロール上昇につながります。
LowT3は骨格筋での甲状腺変換酵素D2活性の低下が原因。
ということは、LowT3の改善には、適切な糖質を摂取し骨格筋での利用を促すため、筋肉を使う運動が良いことがわかります。