農薬や化学肥料を使い続けると、土の中の微生物が減少し、ミネラルバランスも崩れ、そこで育った野菜は人間の目にはわかりませんが、非常に弱いものが出来てしまいます。
その弱い野菜に病原菌がはいったり、虫が食べにきたりするわけです。
その状況を、現代農業では、菌が悪い、菌のせいだと決めつけ、さらに土壌消毒を行います。
土壌消毒を行うと、病原菌と一緒に、有用な微生物や細菌までもがいなくなり、植物は微生物による代謝物質をもらえませんので、さらに弱くなっていきます。
(抗生物質などの薬づけになった人間も同じ原理ですね)
これらが何年も続くと、有用な微生物がいなくなり、病原菌だけが増殖します。
そうすると、土は死に、生産者はさらに肥料を施し、予備的に農薬を撒きはじめるという、悪循環に陥ります。
このことについて、大地といのちを守る会の吉田俊道さんが、著書の中でとてもわかりやすい例えをしています。
以下要約。
映画「もののけ姫」の中の「しし神」は菌を象徴している。
しし神が触れると、ある時はそこは生命の泉になり、ある時は死の山になる。
「しし神は命を与えもするが奪いもする。」
つまり、可能性のない命は食べつくし、可能性がある命は助ける。
すべての菌には意味があり、それは感情でも正しいも誤りでもない。
命はすべて循環している。見込みのない命は速やかに新しい命の材料にする。
しし神とつながっていない植物や人はいつかしし神に命を奪われる。
共に生きることをやめ、現代のほとんどのもののように、しし神(菌)を敵にまわしてしまった生命は、いったいどうなるか。
生命である以上、微生物や菌とつながっていく必要があります。
共生こそ、私たちが選ぶべき道なのです。