感動して泣く、悲しくて泣くなど、感情の表現として涙を流すことができるのは人間だけにある行為。
泣くことでストレスが無くなる、眠りやすくなるという。
涙を流すことがうつ病の予防や緩和に役立つと考えています。
うつ気味の人は、自律神経の切り替えがうまくいかず、前頭前野の機能が低下していると考えられます。
涙には、3種類があると言われています。
眼の角膜が乾燥しないために出る「基礎分泌の涙」、ゴミやタマネギの汁で角膜が傷むのを防護するために出る「反射の涙」があり、これらの涙はストレス解消には効きません。
もうひとつの悲しいときや感動したときに流れる「情動の涙」に高い抗ストレス効果があります。
中でも他者への共感から生まれる「感動の涙」には、緊張、不安、敵意などのネガティブな気分を解消させる効果があることが分かっています。
人は何かに感動し涙を流すとき、内側前頭前野で血流増加が起こります。それが自律神経に働きかけ、緊張やストレスに関係する交感神経から脳がリラックスした状態の副交感神経へとスイッチが切り替わります。
もう少し専門的に言うと、前頭前野が激しく興奮し、その信号が下行性の司令となって脳幹の上唾液核に入力され、その際に副交感神経の活動亢進(こうしん)が起こるのです。それが涙腺から大量の涙を分泌させます。
交感神経と副交感神経が、一定のバランスを保ちながら働くことで精神的な健康が保たれるのですが、ストレス社会に生きる私たちの体内では、交感神経の働きが過度に高まり、その状態が持続しがちです。
心身がリラックスするべき時間帯や場所でも、うまく切り替えができず、ストレスを受け続けている。この状態が不眠や抑うつ状態などを招く要因につながることは多くの人が指摘しています。
涙には、睡眠と同じ副交感神経への切り替え作用がありますので、動画や音楽による「涙活」により短時間で泣くことができたら、それで副交感神経への切り替えができ、スピーディーにストレス解消効果が得られます。