人は加齢とともに脱水傾向が進んで、汗をかきにくくなります。
皮膚には汗腺が分布し、汗を分泌して体温を下げる作用があります。
しかし、暑さを感じたり喉が渇く等の自覚症状が遅れるためか、高齢者の脱水症状は重症化しやすいようです。
若い人なら熱疲労で済むような場合でも、高齢者の場合は熱射病に移行しやすいことが知られています。
熱疲労は、暑さによって体の塩分と水分が過剰に失われた状態です。
血液量が減少するため、失神や虚脱を含む様々な症状が生じます。
例えば、めまい・ふらつき・脱力感・疲労・頭痛・眼のかすみ・筋肉の痛み・吐き気・嘔吐・・・大量の発汗がみられ、軽い錯乱も生じます。
心拍数や呼吸数は上昇し、血圧は下がります。
熱疲労を放置すると、熱射病に移行することがありますから、高齢者は強制的に水分を取る習慣をつけたり、快適な環境で過ごすことが必要であると言われます。
人は発汗しなければなりません。
発汗によって、以下の効果が得られると言われます。
・腸が活発になる。
・脂肪が付きにくくなる。
・基礎代謝が向上して、体温が上がる。
・風邪をひきにくくなる。
・身体が軽くなり、浮腫も解消する。
・毛穴が浄化され、肌がキレイになる。
・ニキビの改善につながる。
・皮膚で作られる毒素(アンモニア)が排泄される。
・血液循環が良くなる。
私たちの体内には、乳酸・尿酸・分解しきれず残ってしまった老廃物・排泄が難しい重金属などが溜まります。
これらが原因で疲れやすくなりますが、汗をかくことによって排出できます。
汗腺機能が弱いと自律神経失調症にも関係し、ニキビや脂性肌トラブルを招くことがありますから、注意が必要です。
フィットネストレーニング場にはサウナがあります。
筋トレで発汗したら、その分をミネラルウォーターのペットボトル等から水分を補給します。
その後、ドライサウナやミストサウナに10分以上入って更に発汗を促し、筋トレの皮膚代謝で生じた毒素のアンモニアを排泄します。
日本の高齢者は汗をかかない日々を過ごしていますが、これは人為的に無汗症になっているようなものですから、健康寿命を短くしかねません。
サウナ浴や温浴によって発汗をすることにより、自然治癒力を維持し健康寿命を延ばすことができます。
肥満症の人は健常人が発汗しない室温でも大量に発汗します。
汗をかいて体温を下げるように、身体の自律神経系が働いて恒常性を保とうとするからです。
従って、室内をクーラー等で冷やして発汗を止めることは、自然治癒力を自ら低下させ、病気を引き寄せかねません。
発汗を止めるような生活習慣を続けると、数年後には遺伝子が後天的に変異して、肥満症の合併症として、高血圧症、糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドローム、脳血管疾患、心疾患、動脈硬化症、がん、歯周病、慢性疲労、アトピー、アレルギー疾患、精神疾患などに罹患すると言われます。
なお、睡眠中の発汗は自然治癒力が維持されていると判断されるそうですから、毎朝の起床時に発汗を記録しておくことによって、自然治癒力が維持されていることを確認できるのではないでしょうか。