よく「水飲んでも太るのよ」という人がいます。
なかなか痩せない自分を揶揄した言葉とは思いますが、人にはまさしく「水で太った」ような体になることがあります。
それが、むくみです。
むくみとは、体が冷えて血流が滞ることで、体液などの水分が体外に排出されず、たまった状態を指します。
体は何らかの原因で水はけが悪くなります。
体内の過剰な水分を排出できないと、むくみが治らないばかりか、放置すれば痩せにくい体質になります。
漢方医学の視点から説明すると、むくみは「水の滞り」です。
漢方では、体は「気・血・水」の三要素から構成されていると捉えます。
「気」は生命のエネルギー。
気が十分に活動していると「正気」、気が不足したり活動できなくなる状態を「病気」といいます。
「血」は血液、「水」は体内の水分、体液を指します。
「血」「水」は体内を隅々までまわり、栄養を与えます。
冷えは「気・血・水」、3つのバランスが乱れることから生じると、漢方では考えます。
ですから「水の滞り」はまさに冷えの症状。
水はけをよくするためには、五臓がしっかりと働く、特に腎がしっかり働かなければなりません。
その五臓が働くためには、ある程度の熱が必要です。
要するに「気」・・・エネルギーがたくさんないと、水が外に出せないというのが漢方医学の考え方です。
一時的に見た目をスッキリさせたいのであれば、例えば足がむくんだら足を高くして寝ればいい。
ただし、水分ですから高い位置から低い位置に移動するのは容易に想像できますし、朝起きたら今度は顔がむくんでいた、という事態もあり得ます。
本質的にむくみをとろうと思ったら、やっぱり余剰な水分を外に出すべきです。
そしてやはり、「温めること」が有効なのです。
方法は、ぬるめのお風呂に10-30分、ゆっくり浸かるだけ。
すると、内臓や腎臓の血流が増え、尿の量も増え、スムーズに水分が外に排出されます。
お風呂から出た後も気を抜くことなかれ。
体が冷める前に、布団の中へ入ることもポイントです。