私たちが、この50年余りの間に、身体に良いと信じて口にしてきた「植物油」で代謝をかく乱されていたのだ。
抗生物質などの乱用が腸内フローラを悪化させ、その他の薬でも代謝を乱すような治療が横行している。
その結果、ブドウ糖を完全燃焼することが出来なくなり、インスリンレベルの上昇やエネルギー不足から糖質摂取を欲する身体になってしまったのだ。
しかし「糖質過多」になってしまった食生活だけを見て、相手を責めてはいけない。これは結果であって原因ではないからだ。
時を同じくして、世の中には小麦粉の仮面をかぶった「現代小麦粉」を原料とした食べ物が席巻し、私たちの胃腸を蝕むだけでなく、インスリンの過剰分泌をも促している。
「小麦粉+植物油」これなくして、現在の食生活が成り立たないような錯覚に陥ってしまっているが、多くの加工食品がそれだけでなく「食品添加物」まみれになってしまっている。
このような「不自然な食べ物」を私たちは「普通の食べ物」と思い込まされ、無警戒で口にしてきたのだ。
その結果が、生活習慣病だけでなく、がんやアレルギー疾患などの増加につながってしまったのだ。
さて、インスリンの過剰分泌による私たちの身体への悪影響で、体調を崩し、病気が増えてきているのだが、依然として高血糖による悪影響だけしか世の中には認知されていないようだ。
余剰のブドウ糖や過剰に分泌されたインスリンの害を知った人たちが「糖質制限」に取り組み始め、一定の効果が認められ、世の中も静かに「低糖質ブーム」が広がりつつあるが、インスリンの害まで踏み込んでいるわけではない。
その一方で「ブドウ糖代謝」を悪者にして「脂肪酸代謝」が本来の姿と主張して「ケトン体」が救世主になるような考え方まで披露される先生方がおられる。
逆に、私たち日本人の非糖尿人で特に非筋肉質の方にとっては、その考え方を信じ切ってしまうと、大きな過ちを犯す危険性を指摘する声もある。
これによって、特に「ケトーシス」を是としてきて、いわゆる「スーパー糖質制限」以上の糖質制限を続けている方に「混乱」が生じていると言われている。
「糖質制限」のメリットディメリットを十分理解し、なぜ「糖質選択」をしなければならないのか、また自分はそれが可能なのかを、まず検討する必要があります。
そもそも「糖質制限」を始める前には「血液検査」「体質診断」は必要なことは以前から申し上げていましたが、そのようなことにっ助言を与えてくれる医療機関もないことから「体感重視」で「糖質制限」を行っている方が大半だと思われます。
その中で「糖質制限」が自分の体質に合っていないことで脱落された方も多いでしょう。
それは、それでいいとして、むしろストイックに糖質制限を行い、非糖尿人が「ケトーシス」を維持し続け、それによる「副作用」があることがわかり、自身にも副作用を経験したことから、事の是非を考えるようになっています。
自身の「インスリン分泌能」「細胞膜の抵抗性」「末梢の抵抗性」の状態を知らずして「糖質摂取」を増やすことは「危険」です。血糖値やケトン体の数値を見ながら、私自身の実験結果を示しながら「糖質選択」をする過程も示しています。
闇雲に「糖質」を増やして行くようなことはしておりません。「
糖質制限」を始める前も「糖質選択」をする前も、現在の状態を把握し、またその過程では常に自分の代謝状態がどのように変化しているかを考えながら行うものです。
残念ながら、そこまでを一般の方に求めることは不可能なのかもしれませんが、逆回転させようとして「大変な事態」になっていることこそが「ケトーシスを長期に維持した副作用」という見方もできるのです。
「糖質」には様々なものがあり、自身でも「小麦粉」は選択肢に極力いれないようにしていますし「米」は外食以外では摂取しなようにしています。
これら穀物は「糖質を増やそうとする初期には」避けるように述べていますが、そこまで皆さんが注意されていたかどうかはわかりません。
特に「インスリン分泌能低下」「末梢の抵抗性の増大」が「糖質制限」をしなければならない理由だったとしたら、ケトーシスでさらに悪化している可能性があるので、このような方は安易に始めてはならないのですが、そのあたりも理解されずに始めてしまった方も多くいらっしゃるかもしれません。
「中間人」を維持することの意味を理解せず「糖質再開」だけをしても失敗してしまう確率は高くなります。
また、副作用の問題は糖質再開とは別個の問題として提起しており。これから糖質制限を新規に始めるにあたって、どのようなことに注意しなければならないかに重きを置いていますが、すでに「ケトーシス」で発生した「低T3症候群」が見逃されている可能性を指摘し「異常な高コレステロール血症」を放置している方、また「痩せ」が強くなっている方などには、このままの食事法を継続していくことの危険性については触れないわけにはいきません。
このような食事法を長期にわたって継続することの危険性について、可能性があるならば発信していかなければならなかった。
まして「ケトン体至上主義」があたかも真実であるかの如く広がりを見せる中だからこそ、批判は覚悟の上で発信しているのです。
「対症療法」や「細胞膜の抵抗性の改善目的」としての糖質制限を否定しているわけではありません。
むしろ「本当の原因」について「植物油」「腸内フローラ」なども考慮しなければならないと考えています。
そして、何よりも日本人の体質を考えなければならないということです。