ガン、難病、重度疾患などは「何が効くか」よりも、まずは自分の体質を知ることが大切です。
ガン、難病、重度疾患、重い精神症状などの方は西洋医学だけでなく、代替医療やサプリメント、民間療法などを併用されていることが多いと思います。
例えば、最近ガンの治療について注目を集めているのが、体温を39℃以上にするとほとんどのガンは消える!
体内環境をアルカリ性にするとガンは消失する!
糖質を控えるとガンの増殖を防げると共に、ガン細胞が死滅する!
という情報。
もちろんどれにも真理が含まれており、上手く合えば大きな効果がえられると思います。
ただ、体質や個体差をしっかり診断する東洋医学の目から見ると、「これさえやれば大丈夫!」というものは存在しないだろうという結論に至ります。
何故なら、
「同じ病気でも人それぞれ原因が違うから」。
一番単純なところで「温める」ですが、これには「冷えがあり、免疫力が低下している」という前提があって成り立つ治療法ですね。
元々体温が高くて、アルコールもお好きで、赤ら顔で、血圧も高くて...このような方がガンを発症した場合、その原因は「冷え」ではなく「熱」ということであり、更に温めるために岩盤浴やサウナなどをお使いになると他の内臓に負担がかかり、ガンそのものも悪化しかねない...ということ。
もっとも、現代はストレス社会であり、ストレス→緊張→血管収縮→冷えという方が多いので、割合としては温めることが効を上げる確率が高いことは否めません。
でもトータルすると上のようなお話になるということで、これだけすれば良い!という単純なことではないはずなのです。体質や病の原因は皆さん違うのですから。
ではどうするか。
体質やその病の本当の原因を知って頂くために、是非東洋医学を利用して頂きたいのです。
東洋医学では脈診や望診(顔色、表情、その他諸々の体表面に現れている情報や声や話し方、動き方から診断する方法)でその方の状態を診断します。
例えば、
脈診で脈が速ければ熱を持っていると分かる、
脈が細く緊張していれば冷えていると分かる、
緩くダラっとした脈であれば倦怠感が強いとか精神的に覇気が出ていないのではと推測できる、
カチッと締まった脈であればストレスが多いとか緊張しているとか、
あるいは非常に行動的で少しイライラしやすいと推測できる、
また望診で顔色が青っぽい白であれば貧血や冷えがあると分かりますし、
顔色が赤ければ熱がこもっている、
エネルギーの摂取過多ではないかと推測できる、
話し方がゆったり論理的であれば症状は強くても比較的治りやすいと判断できますし、
せっかちでセカセカお話になるときには気が性急になっていると考えられるし、
話に一貫性がなく理解力の低下などがあれば気の虚や自律神経失調が推測できる、というように多くの情報から体質や病態を診断します。
体質や病態、病の本当の原因が分かれば、巷に溢れている情報やセラピー、民間療法やサプリメントのどれが自分に適しているのかも分かりますし、より的確に自分に合った治療の仕方が見つけられます。
例えば緊張や冷えが強いのであれば、温めながらリラックスできる療法や、「温める」「緩める」作用のある食材やサプリメントを選べばよい、
また脈がとても弛緩してユルユルと打っているようであれば、梅肉やレモンのエキスなど酸味で引き締めるモノを選べばよい、ということが分かります。
こんな風に自分に合うものを選択するために東洋医学を利用して頂きたいのです。
でも、このような本当の東洋医学を学んでおられる先生はとても少ないため、どこに行けばいいか分からない....というご相談も多いので、
ここはと思う東洋医学の治療院や医院、漢方薬局などがあれば、「脈診をされているか?」をお電話などでご確認頂ければよいと思います。
脈診は東洋医学の基礎的な診断法であり、これをしておられない場合には、東洋医学という言葉だけをお使いになっているかもしれません。