木の実、種子類には酵素も多く、非常に良質なタンパク質と脂肪が含まれていますが、同時に酵素の働きを抑え込む抑制物質(アブジシン)も一緒に存在しています。
いくら生食がいいとはいっても、おいしいナッツ類、種子類、豆類などは、抑制物質を壊してから食べないと、健康に悪影響をもたらすことになりかねません。
玄米もそうです。
食べ方をまちがえると毒にもなります。
これらの抑制物質は熱を加えることで壊れますが、同時にそこに含まれている豊富な酵素も壊れてしまいます。
こうしたことから、スプラウティングといって、自分で発芽させて食べる方法を用います。
おなじみの、貝割れ大根はまさにスプラウト(発芽)した野菜です。
最近では、ブロッコリースプラウトをはじめ、いろいろな種 類のものが出回っています。
種子類、豆類、ナッツ類などは発芽させることにより、酵素の作用とともに 栄養価がグーンとアッ プします。
発芽が始まると、分解酵素が増え、大事にしまい込まれているタンパク質は、アミノ酸やペプチド(アミノ酸2個以上が結合した化合物)にどんどん分解されていきます。
実際、発芽中には、酵素活性が何倍にもなるのです。
麦の場合、タンパク質分解酵素活性は発芽させない状態と比べ15倍にもなります。
また、食材に含まれるビタミン・ミネラルも増え、体内に吸収されやすくなります。
ナッツ類でも、種子類でも、豆でも、スプラウティングできない場合は、熱を加えて阻害物質を壊してから食べるようにしてください 。