日本の中枢は、いまなおメルトダウンを続けている               黒川 清


 

 

志が低く、責任感がない。

 

自分たちの問題であるにもかかわらず、他人事のようなことばかり言う。

普段は威張っているのに、困難に遭うと我が身かわいさからすぐ逃げる。

 

これが日本の中枢にいる「リーダーたち」だ。

 

政治、行政、銀行、大企業、大学、どこにいる「リーダー」も同じである。日本人は全体としては優れているが、大局観をもって「身を賭しても」という真のリーダーがいない。国民にとって、なんと不幸なことか。

 

福島第一原子力発電所事故から5年が過ぎた今、私は、改めてこの思いを強くしている。

 

日本人は福島第一原発事故から何を学んだのかー?

 

続々進む原発の再稼働、遅々として進まぬ安全対策。このままでは、日本人はまた同じ災いを経験することになるかもしれない。

 

 

そんな状況に警鐘を鳴らすのが、国会事故調元委員長の黒川清氏だ。

 

原発事故を「エリートたちによる人災」と暴いた黒川氏はいま、「揺り戻しが起きている原発政策をみていると、日本の未来に著しい危機を感じている」という。

 

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震から9ヵ月後の12月、福島第一原発事故の根本的な原因を調査するために、国会に調査委員会が設置された。「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」、通称「国会事故調」だ。

 

国民の代表である国会(立法府)に、行政府から独立し、国政調査権を背景に法的調査権を付与された、民間人からなる調査委員会が設置されたのは、我が国の憲政史上初めてのことである。

 

私は、この委員会の委員長を務めた。冒頭に記した嘆きは、国会事故調委員長としての、また、一人の国民としての、偽らざる思いだ。

 

国会事故調は、私を含めて10人の委員から構成された。それぞれの専門分野で調査を進め、その結果を、マッキンゼー出身で郵政民営化等にも関わったコンサルティング経験豊かなプロジェクトマネージャーが統括し、ほぼ6ヵ月で、本編だけでも600ページ近い調査報告書にまとめ上げた。

 

2012年7月に国会に提出した報告書では、福島第一原発事故は地震と津波による自然災害ではなく、「規制の虜」に陥った「人災」であると明確に結論付けた。

 

「規制の虜」とは、規制する側(経済産業省原子力安全・保安院や原子力安全委員会など)が、規制される側(東京電力などの電力会社)に取り込まれ、本来の役割を果たさなくなってしまうことを意味する。

その結果、「日本の原発ではシビアアクシデント(過酷事故)は起こらない」という虚構が罷り通ることになったのである。

 

たとえば、2001年の9・11アメリカ同時多発テロの後、燃料を満載したジャンボジェット機が原発に突っ込んできたらどうなるかについて、アメリカやフランス等の原発先進国では真剣に論じられた。

 

その防御策を、アメリカ側は日本の原子力規制機関に2度も伝えたが、日本は何の対策も取らなかった。

もし、その対策を実行していたら、福島第一原発事故はギリギリのところで防げた可能性もあるのだ。

 

また、日本がIAEA(国際原子力機関)の指摘する「深層防護」(原子力施設の安全対策を多段的に設ける考え方。

IAEAでは5層まで考慮されている)をしていなかったことは、国内外の関係者の間では広く知られているし、今もってその備えのない原発が幾つもあることも指摘されている。

 

IAEAの日本の担当者は、経産省の役人に「どうして深層防護をやらないのか」と聞いたところ、「日本では原発事故は起こらないことになっている」と言われ、まったく納得できなかった、と語っていた。

 

こうしたことは国民にはほとんど知らされていなかったが、世界の関係者の間では以前から知られていた。

卑近な言い方をすれば、日本の脆弱さは世界中にバレていたのだ。

 

しかし、日本の「リーダーたち」にとっては、「不都合な真実」は「存在しない」か「記録等がなくて確認できない」ことが多い。

「国民を欺いている」と海外で言われても、しかたのないことであろう。

 

国会事故調は報告書の中で、規制当局に対する国会の監視、政府の危機管理体制の見直し、電気事業者の監視など「7つの提言」をした。

調査結果から導き出された「7つの提言」は、本来、国会で充分に討議された上で、「実施計画」が策定され、その進捗状況は国民と共有されるべきものだ。

ところが、事故から5年が経った今も、国会では「実施計画」の討議すら満足に行われていない。

 

にもかかわらず、九州電力川内原子力発電所(鹿児島県)の再稼働、関西電力高浜原発(福井県)と四国電力伊方原発(愛媛県)の再稼働計画、安倍晋三首相が推進する原発の輸出などが進められている。

日本は3・11以前の原発政策に戻りつつある。

 

なかでも、2015年8月に再稼働した川内原発をめぐっては、九州電力が、原発事故時の対策拠点となる免震重要棟の建設計画を、再稼働後に撤回したことが問題となっている。

 

九州電力は、川内原発の免震重要棟新設計画の撤回の理由を、「免震重要棟を新設するよりも、現在ある代替施設に加えて、新たな支援施設を建設するほうが、早く安全性を向上できる」としている。

 

これに対して原子力規制委員会は、「どれだけ早く安全性を向上できるのか、具体的な説明がなく、最も重要な根拠を欠いている。

撤回の理由は納得できるものではない」と指摘した。

 

しかし、九州電力は撤回の方針を変えていない(2016年2月現在)。

さらに、規制委で再稼働の適否を審査中の玄海原発(佐賀県)に関しても、免震重要棟の新設計画を見直す考えを明らかにしている。

 

免震重要棟は、免震装置で地震の揺れを大幅に低減する構造で、被曝対策となる放射能管理機能と、自家発電機や通信情報施設等を備えている。原子力事故時の緊急対策所として、極めて重要な役割を果たす設備だ。

 

実は、国会事故調第18回委員会の参考人質疑において、福島第一原発事故当時に東京電力社長であった清水正孝氏は、免震重要棟の重要性について、次のように明言しているのである。

 

「今回の私どもの一つの教訓だと思いますが、免震重要棟、発電所の緊急対策室、あれは御案内のとおり、中越沖地震(2007年・新潟県)によって柏崎刈羽が被災したあの(事務棟が使えなくなった)教訓を生かして実は福島第一・第二にも造ったものでございます。

あそこはまさに、緊急対策室としての機能を果たしているわけです。

もし、あれがなかったらと思いますと、ゾッとするくらいのことでございます」

 

この発言は、2時間以上に及んだ第18回委員会参考人質疑の、最後のほうにある。

今もウェブサイトで視聴することができるので、ぜひ確認していただきたい。(http://www.ustream.tv/recorded/23159673)

 

福島第一原発事故の当事者である東京電力のトップだった清水氏が、「もしあれがなかったらと思うとゾッとする」とまで明言した免震重要棟を、九州電力は「重要な根拠」も示さずに、「不要」と判断した。

 

福島第一原発事故の教訓は、どのように認識され、どのように受け止められているのだろうか。

 

「日本はいったい何を考えているのか?」と、世界は奇異の眼で見ている。

3・11以来、国際社会の中での信用を日本は失なっているのだ。

 

報告書では福島第一原発事故の事象ばかりでなく、再発防止に向けた提言を行った。

事故の背景には日本社会のあり方が浮かびあがる。

事故は「氷山の一角」であり、氷山の下には「規制の虜」「三権分立の機能不全」「民主主義の貧困」など、日本の統治機構の問題が数多く存在する。

 

このように、報告書には日本社会のエスタブリッシュメント(既成勢力)にとってあまりにも都合の悪いことばかり書いてある。

報告書は「不都合な真実」だったのだろうか。

現在の状況は国会事故調などまるで「存在しなかった」かのようである。

 

なお、国会事故調が参考人質疑を行った委員会やその後の記者会見、タウンミーティングの内容は、すべてウェブ上で、しかもほとんどが英語の同時通訳つきで公開されている。

報告書は徳間書店から出版されている他、ウェブサイトでフルテキストを見ることができるし、英語版のフルテキストもウェブ上に掲載されている。

(国会事故調HP http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/ 現在、それらを電子書籍にしようという動きも出てきている)

 

日本社会の「病巣」を確認する上でも、ぜひ、委員会の様子や報告書の内容を多くの人々に見ていただきたいと願っている。

 

3・11によって、人々の世界観は劇的に変わった。

しかし、5年が経過して、福島第一原発事故は徐々に風化してきてはいないだろうか。

 

事故を引き起こした当事者である東京電力、原子力関連省庁、規制諸機関、そして政府や国会、それらを構成し支える私たち国民一人ひとりは、事故の反省をすべて消し去ろうとしているように見える。

このままでは、同じ過ちを繰り返しかねないように思える。

 

国会事故調の委員長を務めた者として、こうした思いから本書を出版するに至った。

 

国家の危機が目前に迫っていても対応できない日本の「リーダーたち」への歯痒さ。日本を支えている産官学のコアの部分が、メルトダウンしていることへの危機感。

私は警鐘を鳴らさずにはいられない。

 

世界への影響が非常に大きな事故だからこそ、この事故から学び、そこで得た知見を世界と共有し、現在も続く汚染水処理やこれからも起こり得るアクシデントに生かしていく姿勢が重要だ。

 

しかし、日本という国には、その姿勢が欠けている。

このままでは10年後、20年後の日本はダメになる。

いや、すでにダメになっているのかもしれない。

原発事故に限らず、日本が再び大きな問題と直面した時に同じような失敗を繰り返し、決定的・不可逆的に国際社会で孤立し、信用をなくしてしまうだろう。

 

福島第一原発事故は終わっていない。

この事故を機に変わらなければ、日本の将来は極めて危うい。

そのことを、国民一人ひとりに強く意識していただきたいと、切に願っている。

 

 

 








          たきがみ博士の想い

 

誰でも、自分の中に伝統がある。自分が経験したすべての過去の累積、それが”いま”のわたし。

過去とは思いだすこと、現在(いま)は過去の必然、そして、未来は想い、選択すること。

いまは、変えられない。

しかし、人には明日があり、未来がある。明日は、こうありたいと想いを持つことができる。

 

すてきな明日に向かって、”これからへの想い”を具体化するJourney、しっかり楽しみたいと思います。

そして、”いま、ここ”を丁寧に活きる。

みずからの人生の軌跡を、すてきな笑顔でみつめるために。

 

旬(ときめき)亭 亭主 たきがみ博士
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☆最も空しい人生とは、

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