奇跡の海水「キントン水」                    木村一相


わずか100年前に、生理学者ルネ・カントンが海水を用いて、助からない多くの命を救いました。

 

そしてわずか2年後には、フランスはもとより近隣諸国に熱狂的な広がりをみせ、カントン支持の医師たちの協力を得て、何百万人の命と健康に貢献しました。

 

しかし、戦争という時代背景であり、パスツールの新しい医療の流れの影に隠れてしまい、カントンの療法は人々の記憶から薄れていきましたが、その灯は消えることはなく今また、復活の兆しを見せています。

 

そのカントンと海水のメカニズムに迫ります。

 

I.H.M. WORLD 2017年4月号より  木村一相さん/歯学博士

 

私は渋谷区の笹塚で歯科医をしています。

歯の治療でアマルガムという詰め物があります。

これは銀とスズの合金に銅や亜鉛を添加した粉末を、水銀で練ったもので作られて、溶け出すという問題が起こります。

そのアマルガムを歯から安全に取り外し、体内から水銀をデトックスすることにより、体調面でのサポートもしてきました。

 

水銀を体内から出す方法は色々とあるのですが、デトックスをスムーズに行うことと、体内にある不要なミネラルを排出した後、良いミネラルを入れてあげることの二つが大切です。

 

ミネラルは一般的にはサプリメントとして手軽に購入出来ますが、本当に必要なミネラルとは何かと考えた時に、ルネ・カントン先生の考え方に従えば、海水に含まれているミネラルが人間の身体にとって一番合うミネラルな訳です。

一般に販売されているサプリメントとしてのミネラルはほぼ鉱物であり、地上にあるものから作られています。

けれども最も利用しやすいミネラルの形は、海の中にあるミネラルなのです。

 

摂取しても私たちの身体が吸収して使えなかったら意味がありません。

吸収して直ぐに使える形になっている、それが、キントン水と呼ばれる海水だったのです。

 

キントン水との出会い

最初にキントン水※を見た時には、正直「何だこれは、ただの海水じゃないか」と使い道も全く解りませんでした。

それでも全く解らないまま、1ヶ月飲み続けてみました。

そうしたら、身体に色々な変化が出てきました。

疲れにくくなり、胃腸も調子が良くなり、口の中のべたつく感じも少なくなりました。

不思議と風邪も引かなくなりました。

 

中でも一番驚いたのは、私はスキーやスノーボードといったウィンタースポーツが好きなのですが、キントン水を飲んでいると、一日8時間もスキーをし続けることが出来ました。

全く疲れないのです。

一緒に行った中学生の息子が疲れてしまい、音を上げてしまいました。

それを3日間続けて、帰る寸前までスキーをし、帰路は8時間の渋滞でしたが、全くの疲れ知らずでした。

 

※キントン水とは、ルネ・カントン先生が治療で用いた海水の名称。

 

キントン水とは何か

フランスで作られていたキントン水は、昔(1900年前後)は薬品として登録されていたようなのです。

近年になってからは薬品からは外されていますが、当時はあまりにも様々な病気に対して効果があるので、フランス政府がそれを買い上げ国民に無償で提供していたようで、各家庭にはキントン水があったようです。

その当時からフランスでは海水療法、マリンテラピーといいますが、それを行う診療所は何十もあり、アメリカにもあったようで、世界的に大きな広がりをみせていたようです。

 

早すぎた天才ルネ・カントン

ルネ・カントン(Rene Quinton 1866年~1925年)

フランスの生理学者、航空機産業の先駆者。19世紀の終わり、ルネ・カントンは、医学アカデミーのメンバーの一員であり、科学アカデミーの学長だった。

コレージュ・ド・フランスの研究機関で助手として働き、さまざまな動物の種における温度および塩分濃度を調べた。

カントンは、海の水は人間の血液と非常によく似ていることに注目し、飲用・点滴用の海水を作り出した。

《フリー百科事典百科事典ウィキペディアより引用》

 

では、不思議な海水、キントン水を作ったルネ・カントンとは一体どんな方なのでしょうか。

『ルネ・カントンの海水療法 最高の免疫』(日本文芸社)より一部文章を引用して、カントン先生をご紹介いたします。

 

1866年フランスの医師の家系に誕生したルネ・カントンは父親の勧めもあり理科系の学問を学んでいましたが、成人する頃には文学の道を志していました。

ところが30歳の時に、突如として科学の世界にデビューし、わずかな期間で生物の進化の謎を解き明かし、それまでの科学の常識を一変させてしまいました。

 

当時のフランスの内閣総理大臣ポール・パンルベはルネ・カントンを評してこう語りました。

「私はカントンとの出会いによって、『人間が自然から受け取るこの出来る最高の贈り物は個性である』というゲーテの名言を理解した」

 

カントンは、数々の研究と検証により、31歳の時に“海水は血液の代替になる”ことを突き止め、犬を使って実験をしました。

初回は犬に大量の海水を注入し排泄をする時間を与えずに血液を大量の海水に入れ替えてしまう実験です。

実験後一時的に犬の生命活動は低下しましたが5日後には回復し元気を取り戻しました。

 

2度目の実験は世界に衝撃を与えました。

カントンの犬と呼ばれる有名な公開実験です。

それは、「犬から血液を抜き海水を入れる」というものです。

 

体重10キロの犬の20分の1に相当する425グラムの瀉血(血を抜くこと)を4分間にわたって実施。

角膜反射が消滅。

血を抜き取るのが不可能な状態になり海水を11分間にわたり532グラムを注入。角膜反射を再び確認しました。

680万あった赤血球は290万に減少。

犬は4日間ほど衰弱していたが、その後赤血球と白血球が急増し、8日目には脚はかろうじて動かせる程度だったが、元気溢れる様子を見せました。

実験の思い出に“ソディウム”(ナトリウム)と名付けられたその犬は、5年後に路面電車に轢かれるまで生き延びました。

 

医学の常識を塗り替えたキントン水

一般的に、血液に含まれる赤血球の中にあるヘモグロビンが酸素を運び細胞や臓器に供給していると考えているのですが、実は血液の液体中にも酸素は含まれています。

もちろんその酸素は細胞に浸透していくことが出来ます。

現時点では正確なデータをまだ見ていないのですが、開発者からはキントン水の方が血液より細胞に酸素を送り込む能力が高いという実験データがあるとのことです。

 

アメリカに我々と一緒に仕事をしているチームがあり、アメリカの大きな病院で、豚で同じ実験をしたのです。

前述した犬と同じように血液を抜いてキントン水を入れるということをしました。

その当時の犬で行った実験データも残っているのですが、それよりも非常に良い結果が出ました。

 

一体、その実験にどのような真実が隠されているというのでしょうか

世界中には定期的に輸血を必要とする人たちがいます。

輸血とは文字通り他人の血液を体内に入れる事ですが、輸血によって体内に鉄が余計に沈着してしまうなど様々な弊害が起こります。

 

『血液の闇』(三五館)という医療ジャーナリストの船瀬俊介氏と内科医の内海聡氏による共著では、輸血がいかに危険な行為であるかが説明されています。

また、宗教的に輸血が出来ない人もいます。

アメリカではかなり多くの人が他人の血液を輸血することを拒む人たちがいます。

その結果、無輸血手術の技術も向上し、失血リスクの高い心臓病外科医ですら無輸血手術にシフトをする医師もいます。

そういう人たちが海水(キントン水)を使うことが出来るようになれば、安全であり安価になるのです。

 

では、人間で同じ実験をしたらどうなるのだろうかとは、誰でも考える事でしょう。

しかし、その必要はありません。

何故ならば輸血が必要な人たちが海水(キントン水)を必要な分量を使って効果があったかどうかを確認すれば良い事なのです。

わざわざ危険な人体実験をする必要は無いのです。

このようなデータに関しては、2016年にヨーロッパで開催された血液学会のようなものがあり、そこでアメリカの医師が研究データを発表したようです。

 

体内に海洋環境を持つ陸上生物

ルネ・カントンは「生物は海から進化してきて、陸上に上がった。

けれども、我々は海にいた時と同じ環境を身体の中に保持している」とおっしゃっています。

同じ環境とは海水と似たような環境ということです。

その時代で調べてみると、海水に含まれているミネラルの組成と血液・体液の組成が非常に近いということが判り、これは海から進化して陸上に上がって来たけれども、海と同じ環境を内部環境として保っているということです。

 

病気になるということは、海から持ってきた内部環境が乱れているからではないか、という考えに至っています。

チフスやコレラとかの疫病が蔓延したときにルネ・カントンは海水を使って治療を行い、10万人以上の命を救いました。

 

チフスやコレラは腸内で起こる感染症で、激しい脱水を起こし命を落とす恐ろしい病気です。

その時代、なかなか助ける方法が無かったのですが、ルネ・カントンは海水を輸液として使用したのです。

ここで言う海水とは「生理食塩水」ではなく、特別な海域の特定の深さから