アメリカでは成人の約8%、子供の10%が喘息を患っているという統計が出ています。
大人、子供共に喘息患者数は年々増加の傾向にあります。
喘息発作の発生率、重度、喘息による死亡率は経済的状況、都市部、屋内アレルギー物質、喘息教育レベルの低下、一般的な健康管理の低下と直接関連があります。
喘息の原因
喘息患者の増加は大気汚染、水質汚染、食品汚染からくる免疫システムへの過剰なストレス、乳児への早すぎるベビーフォーミュラへの切り替えや食品の導入などが直接的な原因です。
産後直後の赤ちゃんを最低数ヶ月母乳だけを与えると、喘息に罹るリスクは軽減されます。
また研究ではファーストフードを多く利用する、トランス脂肪酸の摂取が多いほど喘息に罹りやすく、野菜やフルーツの摂取が多く、ビタミンCや抗酸化物質の摂取が多いほど喘息に罹るリスクは低減するようです。
ワクチンと喘息
非常に興味深いことに研究では三種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日咳)を受けた子は喘息に罹るリスクが2倍に増え、アレルギー性の呼吸器疾患は63%も高まリました。
また他の研究では三種混合ワクチンの接種を予定より2ヶ月遅らせることで喘息に罹るリスクは50%も低下しました。
他にも、低胃酸症、リーキーガット、腸内カンジタ菌の異常繁殖、副腎疲労なども喘息を引き起こす原因と考えられます。
喘息は大きく2つのグループに分けることができます。
1.アレルギー性(外因性)喘息:ダニ、ホコリ、食品アレルギーなどが引金となり、ほとんどの喘息がこのアレルギー性喘息です。
2.非アレルギー性(内因性)喘息:ストレスや運動などによる代謝の増加、冷気、感染症などが引金となります。
喘息の自然療法
自然療法で喘息を治療するときに重要になるのはまず安全の確保です。
通常使用している吸入剤は自然療法で治療をする場合でも常備携帯してください。
そして発作を引き起こす原因物質を探し、炎症をコントロールして薬への依存を減らしていきます。
自然療法二段階
喘息の治療には発作の予防と実際発作が起きた時の対処法の二段階のアプローチが必要になります。
発作の予防
環境アレルゲン、食品アレルゲン、ストレスの軽減、食生活の改善、炎症のコントロールが喘息発作の予防に重要です。
環境アレルゲン
まず、タバコは絶対に避けてください。
直接だけでなくて間接的はもちろん、タバコの臭いのついた服は家に持ち込まないでください。
香水、芳香剤、香料のついた洗剤、ヘアースプレー等の使用は避けてください。
ダニ予防のためにも掃除機はこまめにかけて、布団や寝具は頻繁に洗濯してください。
ホコリの付き易い布製のソファーや座布団などは出来る限り避けてください。
カビの発生にも注意して、水回りは特に注意してください。
ペットはできるだけ飼わないようにしてください。
空気清浄機を使用するのも環境アレルゲンを減らすのに有効な手段です。
食品アレルゲン
喘息を引き起こす食品アレルギーには2種類あり即時型と遅発型アレルギーに分かれます。
即時型アレルギーには蕁麻疹、呼吸困難、アナフィラクシスなど急速に起こるので、非常に危険ですが、これらのアレルギーは急性であり、症状が確認しやすいためアレルギーの原因物質を突き止めやすいのが特徴です。
即時型アレルギーを引き起こしやすい食品は個人差がありますが、一般的に卵、小麦粉、乳製品、ナッツ類、魚介類が挙げられます。
遅発型アレルギーは、食品の摂取後数時間から反応がじわじわ出始めるために見極めが難しくなります。
そして喘息の発作も即時型アレルギーと比べると激しくない為に 遅発型アレルギーは見落としされがちで、なかなか原因が特定できないのが特徴です。
遅発型アレルギー性食品を見極めるには食事のコントロールだけでは難しく血液検査による診断が有効な手段です。
ストレスと喘息
ストレスが蓄積しますと自律神経のバランスが乱れ喘息を引き起こしやすくなります。
また、睡眠不足も自律神経のバランスを崩す原因になります。
ストレス、睡眠不足、疲労などがたまると、アレルギーに対抗するコルチゾールを分泌する副腎機能が低下して、喘息が悪化する傾向にあります。
日々の生活でストレスを発散する、副腎機能をサポートすることも重要です。
副腎をサポートするハーブはいくつかありますが特に喘息にはリコリス(甘草)と霊芝が効果的です。
リコリス(甘草)にはコルチゾールの働きを高める、炎症を抑える、体力のアップ、抗菌効果などがあります。
霊芝には滋養強壮、免疫システムの正常化、抗炎症作用、肝臓の保護作用などがあります。
運動と喘息
運動は日々続けることで、呼吸機能を高めることができますが、運動によって喘息が悪化する、冷たい空気で喘息が悪化するということは、よく起こりますので少しずつ体力をつけて行ってください。
喘息を悪化させる食品
食品添加物、合成着色料、合成保存料、トランス脂肪酸は体内でフリーラジカルを発生させ、炎症を引き起こしやすい体にしてしまいますので、外食、加工食品はできるだけ避けて、食事は家庭で作ったものを食べるようにしてください。
炎症をコントロールする食品
炎症をコントロールする上で最も重要な栄養素はオメガ3必須脂肪酸です。
これは青魚やフラックスシードオイルに多く含まれる栄養素ですが、これらの食品にアレルギーが無いようでしたら、積極的に取りたい食品です。またサプリメントでの摂取でも有効です。
食品に含まれるバイオフラボノイドは炎症を低下させる効果のある栄養素です。
フラボノイドが多く含まれる食品はブルーベリーやブラックベリーなどの深紫や濃い赤い色のベリー類、緑茶、ターメリックなどがあります。
特にケルセチンと呼ばれるバイオフラボノイドにはヒスタミンの放出を防ぎアレルギー反応を防ぐ効果があります。
喘息の発作を予防する栄養素
喘息の発作を予防するのに有効な栄養素はビタミンD、ビタミンC、セレニウム、マグネシウムです。
研究ではビタミンDの血中濃度が30ng/mlの場合、喘息の発作頻度、重度が悪化する傾向にありました。
またビタミンDが低下するとアレルギー反応が悪化し、ステロイドの使用回数が増える傾向もあります。
ビタミンCは呼吸器官で最も多く使われる抗酸化物質です。
喘息患者にはビタミンCが低下している傾向で、ヒスタミンの放出を防ぐ働きがあります。
セレニウムはアレルギー反応を軽減させるために重要なミネラルです。
また炎症を防ぐ働きもあり、セレニウムを摂取した結果、ステロイドの使用頻度を低下させた研究結果もあります。
マグネシウムは気管支の平滑筋が収縮するのを防ぐ効果があります。
喘息を患っている方は日常から薬を使用している、環境汚染物質が体に蓄積している事が考えられるので、デトックス、特に肝臓の機能をサポートしてあげることも重要です。
発作の治療
喘息発作が起きた時、どの段階で薬を使用するかの目安にはピークフローが使用されます。
ピークフローが80%以上であるならば、自然療法だけで治療を行っても問題ありません。
ピークフローが50-80%の時には活動をスローダウンする必要があります。
そして吸入剤を併用しながら自然療法を取り入れていきます。
ピークフローが50%以下の場合は生命の危険ですので直ちに救急治療を行ってください。
喘息発作が起きた時にはホーソンベリーのアルコールチンキを30滴ずつ、発作が収まるまで数回、摂取してください。
ホーソンベリーには気管支の痙攣を和らげ、呼吸困難を改善する効果があります。
ホーソンベリーと併用してもらいたいハーブにオーシャの乾燥根です。
この乾燥根をしばらく囓ってください。
そして鼻の下に近づけて、ゆっくりと匂いを吸い込んでください。
オーシャの根に含まれていた、エッセンシャルオイルが鼻孔を通り気管支を広げる効果を発揮します。
エッセンシャルオイルの吸入も、喘息発作が起きた時には効果的です。
特にユーカリ、ペパーミント、タイム、フェンネルのオイルが気管支の拡張作用があります。
エッセンシャルオイルを数滴お湯に垂らして、蒸気をゆっくり吸い込んで、深呼吸をしてください。
また、発作時に追加でビタミンC1000mg、マグネシウム500mgを摂ることで、発作時間を減らす効果があります。
喘息は命に関わる病気です。
自然療法を薬との治療に併用していくことで薬への依存を減らしていってください。
そして喘息発作の原因を見つけ体質改善を行っていってください。