「どうしたら幸せになれるのですか」と釈迦に問えば、釈迦は「善因善果。幸せのタネをまきなさい」と教えます。
では、どんな言動が幸せのタネまきになるのでしょうか。
釈迦は沢山の幸せのタネまきを六つの善として、私たちのために纏めてくれました。
六度万行(ろくどまんぎょう)とか、六波羅蜜(ろくはらみつ)とか、呼ばれています。
①布施
②持戒
③忍辱
④精進
⑤禅定
⑥知慧
「布施」はインドの言葉ではダーナ、意味は与えること。
今なら「親切」でしょうか。
布施の対象は、困っている人・恩ある人・敬うべき人の三つです。
布施の際には三輪空を心がけて、「私が・誰々に・何々をしてやった」ことを忘れなさいと説いています。
「持戒」は戒律を守ること。
今なら言行一致でしょうか。
儲かるという字は信用ある者と書きます。
信用は言行一致によって培われます。
できない約束はしない。
約束をしたら必ず守る。
これが大切だと説いています。
「忍辱」は忍耐のこと。
ならぬ堪忍するが堪忍と言われますが、腹が立っても堪えるのが忍耐であり忍辱です。
怒りの蛇が口から飛び出すままに放置しておけば、相手も自分も必ず不幸になると説いています。
「精進」は一生懸命努力すること。
正しい方角に向かって一生懸命前進することが大切です。
楽して得られるものは貧と恥のみであると説いています。
「禅定」は心を鎮め、心を定めること。
心を亡くすと書いて忙しい。
そんな時こそ、落ち着いて心を鎮めて見れば、見失っていたものが見えてきたり、悩まなくてもいいことに悩んでいることがわかると説いています。
「知慧」は因果の道理を諦かに観て、正しい判断を身に付けること。
自分の都合や欲目では物事を正しく観ることはできません。
釈迦の教えに照らして考えれば、物事を正しく観ることができる。
正しく観ることができれば、正しく判断することができると説いています。
そうは言われても、言うは易く行うは難し。
六度万行(六波羅密)の全てを行うのは大変です。
そこで、親切な釈迦は
「六つのうちのどれか一つでもいいから、あなたたちの心に合うものを心がけなさい。
それを徹底して行えば、六度万行の全てがそれに伴って付いてくる。
先ずは実践しなさい」と教えています。