医学は、決して独立した科学ではありません。
思想、宗教、文化といった背景が、前提となる病の概念を規定し、医学や医療技術を生み出します。
西洋は、善悪の基準と合理主義に基づき、悪を駆逐することで統合しようとします。
また、自然をコントロールすることで、全体性を保とうとします。
東洋は、陰陽説に見られるように、どちらかが肥大化することは一方の弱体化を招きバランスを失するので、中庸にすることで統合しようとします。
そして、自然に還ることで全体性を保とうとします。
西洋医学は、病と戦います。
ガン戦争、ガン殲滅などの言葉が使われます。
自分の細胞の設計図である遺伝子でさえ、一旦、病を引き起こす変異をすれば悪者扱いです。
緊急性のある場合、応急処置を必要とする場合は、とても役に立ちます。
一方、東洋医学は、体に余分なものがあれば排し、足りないものがあれば補う。
つまり、引き算と足し算を組み合わせてバランスを回復しようとします。
従って、その人の体と心の歴史を紐解く作業をします。
本質的な解決、改善に役立ちます。